7.発動
谷に落とされた隼人は禁忌の力を発動させていた。
隼人の左目が混じりけのない黒から次第にマゼンタ色に変わっていく。
そして真ん中に正二十面体が出現する、正二十面体は発光していて絶えず様々の方向に回転している。
そして、その一面が他の面に比べて一際激しく発光したかと思うと、隼人の背中に純白の翼が現れたのである。
そして、ティアを無事抱きかかえると隼人は谷底へ向けて降りて行いく。
「ここが、最下層か?…ひどい悪臭だな」
辺りを見渡すとそこには、同じようにこの場所で処刑されたのであろう遺体が数えきれないほど転がっていた。
中には、まだ肉が残っているものも確認できる。
もしろん、それにはハエや見たこともない生物が数えきれないほど集まっており隼人は眉をしかめた。
「ここに長居する必要はないな…ティアの容体も気になる」
隼人はそう言って、その場から立ち去るのだった。
歩き始じめて、何十分が経っただろうか…隼人は辺りを見渡しながら今後のことを考えるのであった。
(おそらくべルイには俺たちが死んだように見えたはず)
(となると、指名手配される可能性はまずないと考えていいだろう、しかし念のため名前は変えておいた方がいいか?)
(ティアはキアでいいか?ま、あとで本人に聞いてみよう)
(となると俺だが…)
辺りを見渡す隼人、ふと何を思ったのか笑みをこぼした。
(あるじゃないか、この状況にぴったりの名前が…!)
(よし、この辺なら上に上がっても大丈夫だろ)
再び隼人の目がマゼンタ色に染まり正二十面体が姿を現す。
その瞬間、再び隼人の背中から純白の翼が現れる。
たった一回羽ばたいただけで隼人の姿は谷の底から消えていた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。まだ忙しいのですぐには投稿できませんが、頑張りますのでお願いします。