5.出会い
●隼人の深層世界●
「ここは…一体…」
そこは真っ暗な場所だった。
辺りには何もなく、果たしてどちらが前なのか、そもそも自分が立っているのかそれとも寝ころんでいるのかさえわからない。
「ここは貴方の深層世界よ♪」
ふと、背後に気配を感じ振り向くとそこには女神のような恰好をした女性がいた。おそらく背後から生えているだろう翼は純白で息をのむような美しさだ。
顔はもちろん美人だ、それも結衣に匹敵するほど…いやもしかしたらそれ以上かもしれない。
「お前が、俺に話しかけてきたやつだな?」
相手の目的、力量がわからない以上下手に行動するのは危険だと思い隼人はまず探りを入れることを選択した。
「ええ、そうよ♪私があなたに話しかけたの♪そして私が貴方に¨禁忌の力¨を授けたの♪」
「ティオービース?何だそれは?」
聞いたこともない単語を使われ、隼人は眉をしかめた。
「文字通りの意味よ♪貴方は選ばれたの♪この世界に変革をもたらすものとして♪」
「まて、順を追って説明してくれないか?まずティオービースこれは文字通りの意味と言ったな?でも俺のいた世界にそんな言葉は存在しない。もう少し詳しく教えてくれないか?」
相手の機嫌を損ねぬよう、細心の注意を払う。
「あーそうだね♪ティオービースっていうのは¨禁忌の力¨文字通り使用することが禁忌とされてきた力よ♪」
何食わくぬ顔で女神の女性は言う。
「禁忌の力ってことはわかった、で禁忌というにはそれなりに代償があるんだろ?その代償は?」
少しの間を開けて女神が口を開いた。
「そうね…代償は……代償が無いことなの♪」
「はっ?」
思わず、口に出してしまった。
「どういうことだよ?代償がないなら別に禁忌にする必要はないだろ?」
「んーやっぱり貴方は鋭いね♪」
ニコニコしながらそういう女神、しかし目は笑っていなかった。
「実を言うと、代償はあるわ♪」
「やっぱりそうか…でなんなの?」
女神が細くしなやかな指を口に持っていき言う。
「な・い・しょ♪」
この時ほど女性を殴りたくなったのは生涯でこれ限りだろうと隼人は思った。
しかし、その感情を抑えつけながら、
「分かった、代償についてはもういい、次は俺が選ばれたといったな?あれはどういう意味だ?」
「それも文字通り、あなたは選ばれたの♪」
「この世界に変革をもたらすものとして」
それまでふざけたしゃべり方をしていた女神が急に真面目にしゃべった。
つまりそういうことなんだろうと隼人は理解し、しばらく考え込んだ。
「それで、ティオビースについてなんだがー」
ー刑執行日ー
(ついに今日か…大丈夫、大体ティオビースについては理解したし、コツもつかんだ…あとは本番のみ…)
時間通り刑を執行するために役人がきた。
隼人は目に目隠しをされ刑執行の場所へと移される。
(うわー…本当の死刑囚になったみたいだな)
(まぁ、おとなしく刑を受ける気はないけどな…)
刑執を執行する場場所についたのだろうか…兵士たちが立ち止まり何やら話をしている。
ふいに隼人の目隠しが外される。
そこに広がっていたのは、大きな谷だった……
またまた投稿が遅れてしまってすみません。
そういえば今はW杯真っ最中ですね、結構日本追い込まれてますね…(投稿が遅れてるのはそれのせいとか言えない…)。
でも、まだ完全に決勝リーグに行けないと決まったわけではないので頑張ってほしいですね!
さて、今回は隼人が新たなる力を手に入れたようですね。
ここで追記しておきますが、ティオービースは表記上力と書いていますが簡単に言えば魔法の類です。わかりにくくてすみません。
最後に、ここまで読んでいただきありがとうございました。