すっかり忘れていた。
時代は進むんだなぁ、って実感した。
何もせずに、僕はぼぉーっとしていた。
ただ、空の風景を眺め、
雲の形を自分の将来に当てはめて、
そんな毎日で、どうにかなると思っていた。
だけど、雲の形は変化するけれど、
僕の日常に目立った変化は特になかった。
そんな日常と裏腹、 実は世界は進んでいた。
僕の知らないところで、時計の針は確実に進み、
気が付いたら、僕のついていけない速度で加速していった。
世界の片隅に取り残された人。
僕の隣には誰もいなくって、ついに孤独になった。
笑いたくても、一緒に笑ってくれる人がいない。
泣きたくても、一緒に泣いてくれる人がいない。
遊びたいのに、電話帳に友達の番号は入っていない。
いや、そもそも、孤独になった僕に友達なんていない。
加速していく世界。 独りとどまる僕。
僕はいつからか、他人とかかわることを忘れていた。