朝のぽかぽか
小学校からずっとだ。平日の朝には二つの側面がある。少し寒い室内と温い布団の組み合わせ。アラームのなった後に気づく今の自分の状態の心地よさ。そして、その心地よさから自発的に抜け出さなくてはならないという状況だ。これだけは大学生になったって変わらない。地の上に天があるのと同じくらいにはっきりとした真実だ。
いつもどおり七時半にけたたましいアラームがなる。寝ぼけながら携帯に手を伸ばしアラームを止める。ハッキリしない頭でヌクヌクと布団の心地よさを味わう。東向きの窓から入り込む日差しがやんわりと暖かだ。しばらくして起きなくてはならない状況を理解する。納得する気はない。布団の中にどうしようもない焦りと暖かな幸福とが入り乱れて、僕は胸が苦しい。
もう一度携帯がなる。スヌースの音ではない。重たい腕で、重たい心で携帯を開く、新着メールの文字がある、新着メールを開く、休講の二文字が見える――
携帯を放り投げて頭まで布団をひっかぶる。アマテラスとブッダとイエスとムハンマドとゼウス、それからその他神々や預言者、神の子に感謝しながら僕は目を閉じた。今日の布団は一段と温い気がする。キノコが生えてくるまで寝るのがよい。