勇者ごっこ。
※ 巷じゃ子供たちの間で、勇者ごっこが流行っているらしい。
★ ★ ★
「よしきた★じゃあ、配役は僕がするね」
・ノリノリです。スレン。
「……はいやく?」
・よく分かんないけど、スレンが楽しそうなのでのってみたカルヴィナ。
「はーい、フルルはもちろんお姫様かな~?」
・聞いているようで聞いちゃいないスレン。
「おい」
・見ちゃおれん。とばかりに口を挟んだレオナル。
「レオナルはもちろん魔王ね。あ、やっぱりドラゴンにしよう!」
・スレン、言っててものすごいピッタリな気がしてきている。ドラゴンなレオナルっていかすよね。
「何の話だ」
・本当は疲れるから関わりたくないレオナル。棒読みです。
「う~ん。やっぱり、リディアンナがお姫様役にしよう」
・一人の世界に入りつつあるスレンの暴走は続く。
「まあ」
・スレン様ったらいつまでも子供みたいと、優しい姉という生きもののリディアンナ。
「そうしたら、フルルは魔法使いにしよう。魔女だし」
・俺、冴えてる! とばかりにスレンはカルヴィナを指さす。
「魔法使い……!」
・何か格好いい! と思ったらしいカルヴィナ。嬉しそう。
「お。気に入ってくれたみたいだね。じゃあ、僕と一緒に魔王討伐の旅に出よう!」
・力強く言い切るスレン。
「スレン、いい加減にしろ」
・もうこのくらいで止めないと、と思う管理職気質のレオナル。
「スレン様は何の役ですの?」
・生温かい笑みを浮かべながら、リディアンナ。まるっきり子供を見る目です。
「決まっている。勇者」
・びしっと親指で自分を指して。無駄に髪をかき上げてもみる。
「「「……。」」」
・カルヴィナ 勇者って何だろう?
・レオナル 誰かこの馬鹿につける薬をくれ。
・リディ 必殺 生ぬるい笑み継続中。
『ノーコメント。』
ふざけていてすみません。