表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(第1部完結)信長公斬魔録~転生帰蝶ちゃんは急にダークファンタジー死にゲーみたいになった戦国日本をナーロッパにしたい~  作者: simopo
第一部 「だったらナーロッパにするしかないじゃない!」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/87

第4話「おさるのおしろ(建設予定地)」

そんなわけで読みやすさ向上キャンペーンによる改稿 第4話です。

 良い輿入れ日和だ。

 朝からえらく着飾られた私は三つ指ついて父ちゃんの前にいる。


「長いことお世話になりました。帰蝶は嫁ぎまする」


 涙目の父は言葉もない。なんか言ってるのだが小声で震え声なせいでよく聞こえん。

 美濃のマムシとか言われる腹黒なせいで子煩悩なくせにそれを表に出しずらいのだろう。

 難儀なもんだな戦国武将ってのも。

 でも、なんやかんやで私には優しい父ちゃんだし、いっぱい遊んでくれた思い出がよぎって私も涙目だ。

 ちなみに母ちゃんはニコニコしてる。母ちゃんはマムシの正妻のわりにぽやぽやした人で、父ちゃんは頭が上がらない。どんな弱みを握ってんだろう。まあ私も頭が上がらんのだが。

 何も言えない父ちゃんを見かねてか、母ちゃんが言う。


「帰蝶、今は危急の時ではありますが、幸せになるのですよ。」


 ……化粧ぐちゃぐちゃなるやろがい!

 ぶわわと涙があふれた私は母ちゃんに抱き着いてわんわんと泣いたのだった。

 おいおさき(17歳独身)鼻で笑うんじゃねえ!「汚え鳴き声だ」って顔に書いてあんぞ!お前も涙目なのちゃんと見たからな!どっかでこれをネタにいじってやる!

 父ちゃんも男泣きに泣いてる。マムシの目にも涙かよチクショー!


「すまぬ……すまぬ……」


じゃねえよ笑って送り出せやコノヤロー!


 とまぁ、出発直前に親子でおいおい泣いて(ほぼ私と父ちゃん)、お別れの儀式を済ませて(口上からなにから涙声でなんか汚い感じになって多分聞いてた人は何言ってたかわからんと思うけども)からいつもの2倍(当社比)腫れぼったい目で正門前で待つ行列の前に姿を現す羽目になった私であった。

「姫さんあんま美人じゃねえな」「パーツは良いのだが全体のバランスが残念。次回作への期待を込めて7点」とかファ〇通のレビューみたいなこと言われたら泣くぞ!

 我姫ぞ?!美少女姫様帰蝶ちゃんぞ!?お前ら私をもっと敬えー!!


「姫様、照れ隠しはほどほどにしませんと三郎さまに嫌われますよ。」


 うっせーぞおさき(17歳独身)!心を読むなって言ってんだろーが!


 ……まあね、その、なんだ。

 この年まで引きこもった城や両親から離れがたい気持ちのせいでこの土壇場でグダグダやってんのは自覚してる。

 でもしょうがないじゃん。前世含めて初めての嫁入りよ?テンションおかしくなってもしょうがないじゃん。

 内政チートできると思ってたら戦国死にゲーみたいな世界になってるせいで嫁入りのことじっくり考えてる暇なかったんだよう。

 すまんがもうすこしだけ、父ちゃん母ちゃんとこうしてるわけにはいかんかなあ?

 いかんよなぁ。

 しゃーない。

 背筋を伸ばして行列の前に歩み出る。


 母ちゃんは涙目で微笑み、父ちゃんは行列に付き添う兵たちに声をかけてる。

 護送の責任者は光安おじ。

 亡くなったみっちゃん(光秀)の叔父で、私にとっても叔父だ。

 だいぶ平定されたとはいえ、まだ魔物がうろついてる尾張を縦断して那古野城まで行くんだ。緊張した表情だ。跡継ぎのはずのみっちゃんを失って大変な時に、大変ご迷惑をおかけします。そういうとたいそう恐縮された。相変わらず腰の低いおじだ。それでいて若いころは槍兵庫とか自称してブイブイ言わせてたらしい。自称なのかよ。


 護送の兵は100名ほど。少なくね?と思ったけどこれ以上増やすと飛騨の防衛が危ないらしい。いや100人抜けたらやばいってそっちの方がやばい。

 信長ノッブが尾張―美濃国境に迎えに来てくれるらしいし、アレならもっと減らしてくれても、と言ったらそれはそれで美濃斎藤家が舐められるのでよろしくないんだそうな。帰蝶ちゃん的に魔物やら山賊やらに襲われたらとてもこわいので、ありがたく護送されることにしたのであった。


 正門が開く。行列がゆっくりと進み始めた。歓声が聞こえる。

 城下の民衆が花嫁見物に来てるのだ。見せもんちゃうぞゴラァ!見せものだけどさ!

 権三郎殿がひく馬に乗ってうつむき加減で流れに身を任せる。

 正門を出た。

 この門をもう一度くぐることはないかもしれない。万感の思いを込めて背後にそびえる稲葉山城を眺めようと振り向いた。


 ……母ちゃんが泣き崩れ、父ちゃんが片っぽしかない腕で支えている。

 私が泣きすがってもあらあらうふふしてたのに。

 せめて私が見えなくなるまで我慢してくれませんかねえ!!

 化粧ぐちゃぐちゃなるやろがい!(2回目)

 引きこもり気味の親不孝娘だったけど、私、父ちゃん母ちゃんの娘に産まれてよかったよ!!また会おうね!旦那連れてくるからさ!!

 結局顔をぐしゃぐしゃにしながら井ノ口の街を練り歩く羽目になったけども、別に後悔はしていない。


 この涙は良いのだ、と思った。


 行列はマジでゆっくりと進む。お馬に乗った私は生まれ育った美濃を目に焼き付けるように眺めている。ほとんど引きこもってたせいで見るの初めてだけどな!

 もうすぐ収穫だ。バケモン騒動があったにせよこの辺は問題なかったようで、青々とした稲穂がぐっちゃぐちゃの形の田んぼでまだら禿のような感じで伸びている。

 戦国モノで見たやつだこれ。まだ田んぼの形も整ってないし正状植えなんぞ影も形もない。

 内政チートしたかったなぁ。尾張に行ったらやろうと思ってたけど、父ちゃんに聞いたりした感じではすぐには無理そうだ。


 信秀と信長ノッブ親子が尾張に散った魔物を討伐するまでに、ほぼすべての農村が壊滅したらしい。農民は多くが難民化、命を落とした者も多く、早くに落ち着いた那古野、熱田、末森、津島周辺、要は尾張南部になんとか生き残りを集めて田畑の復旧をしているところだそうな。しばらくは農業チートどころじゃないよなぁ。

 尾張北部に手を付けられるようになったら田んぼや畑の区画整理と正状植えを推進しようそうしよう。

 魔物と戦うにしても食料は必要だ。どうなるかは知らんが飢えた状態でバケモンと戦えるわけがない。飢えが強さにつながるのは侵攻先で食料が得られるからだ。

 バケモンのせいで物流が怪しい世界でそもそも侵攻なんてできるかという問題はあるけど、バケモンが跋扈する地域に食料はないだろう。

 ゴブリンが勤勉に畑耕すわけないだろ。そんなんするならゴブスレさんは生まれなかったわい。

 内政チートできそうなタネを見つけて私は馬に揺られながらほくそ笑むのであった。

 ……馬、乗り心地悪いな。お尻痛くなってきた。帰蝶ちゃんのかわいいヒップが傷ついたらどうしてくれようか。尾張に行ったらサスペンションと馬車つくるぅ!キャンピングカーみたいな馬車作ってやる!


 輿入れ行列はほぼ無人で魔物がうろつく尾張北部を抜けなければならない。

 とてもとても危ないので信長ノッブが迎えに来てくれることになってるんだが、その合流地点は墨俣だそうな。

 そう、墨俣である。日本史上もっとも有名なお猿さんが一夜城を建てることになるあの墨俣だ。まあこの世界ではそんなもん作ることないだろうけども。

 長良川がそよそよと流れるまあ風光明媚なところだ。

 ここでキャンプしたら楽しいかもね。私はインドア派なのでキャンプはしないけども。

 お馬さんから降りた私はバッキバキの背を伸ばして人心地。

 さて、信長ノッブはどこかしら。戦〇無双5みたいな野性味あふれるイケメンだとうれしいなっと。

 は?まだ来てない?




帰蝶さんは外面だけは良い姫様ムーブを実施してますが中身はこんなもんです。


ご意見ツッコミ作者への罵倒なんでもお待ちしています。

返信するかはランダムですが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ