表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
信長公斬魔録~転生帰蝶ちゃんは急にダークファンタジー死にゲーみたいになった戦国日本をナーロッパにしたい~  作者: simopo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/45

第42話「陰陽師とかテンション上がるよね」

火曜日なので第42話です。


見に来てくれて感謝感激雨あられ。

翌日。

私と信長ノッブ、イナリちゃんとおさきは涼風様に会いにお部屋を訪ねた。


涼風様の滞在される部屋は、お庭に面していて海も見える風光明媚な位置にあった。

今は庭の造成も中途半端で熱田もまだ廃墟だらけで殺風景なんだけども。

室内の上座に座った涼風さまはイナリちゃんを見て目を丸くしている。


「そ、そこな妖は一体?尾張では妖を飼っておるのか!?」


あかん。ちゃんと説明するの忘れてた。

いや信じろって方が無理があるのはわかってるんだけども。

イナリちゃんは不機嫌そうに頬を膨らませてる。かわいい。

信長ノッブが慌ててとりなそうとする。


「いや、涼風殿。こいつはな」


「無礼な!わらわは伏見の宇迦さまの眷属、イナリである!頭が高い!控えよ!」


あわわわイナリちゃん、いくら神様だからっていきなりそんな!

と思ったら涼風様はすぐさま平伏した。あれえ?


「ははー!伏見稲荷様のご眷属とは知らず、無礼をいたしましておじゃりまする!

平に、平にご容赦を!!」


んんー?


「涼風の、そなたの祖はわらわの事もきちんと伝えておるようじゃな」


「ははっ!涼風の祖、安倍晴明さまとともにあったとされるイナリ様の事は家伝として伝わっておりまする!ご無礼をいたしました!」


「よいよい。頭を上げよ。わらわは今はこちらのノッブときちょーに世話になっておる身ゆえ、そなたも良くしてくりゃれ」


「ははっ!ありがたき幸せ!」


なんか知り合いらしい。これなら話が早いんだろうか。


「あの、涼風さま。イナリちゃんの事は置いておいて、お聞きしたいことがございまして」


「んむ、そうであったか。帰蝶殿、昨日も言ったとおり其方はすでに吾輩の弟子。何でも聞いてくれてよいのでおじゃるよ」


おお、やっぱりいい人っぽいなこの人。

下っ端公務員っぽい親しみやすさがにじみ出ている。

感心していると、信長ノッブが話し始めた。


「お手間を取らせて申し訳ない。土御門さまから話は聞いておられると思うが、我らは陰陽術について話を聞きたいと思っている。

……イナリの事を知っているのを見るに、こやつが使う術についてもある程度は知っているのだろう?」


いきなりブッコむなあ信長ノッブ。面倒なやり取りは排して単刀直入なのは史実のイメージと同じなようだ。

お手紙はとてもマメなのにねぇ。


「わが涼風に伝わるのは、我が祖安倍晴明公の傍に金毛狐耳の幼女がおり、多くの術で人を助けたという事、そして晴明公亡き後は伏見稲荷に修行に出、たまに我らの様子を見に来てくださったという事のみ……まさか尾張で直接お目にかかることになるとは思いもしなかったでおじゃる」


「そんなに褒められると照れるのじゃ」


「なるほど。……涼風殿、帰蝶がイナリの術を使えるんじゃないかと言いだしてな。試しに教わったがこれがどうにも難解でちいともわからんのだ。だが陰陽師の術ならばもしや、という事で来てもらったんだ」


「……我が祖、安倍晴明もイナリ様の術は行使できなかったと伝わっておる。さすがに帰蝶殿ではの」


なんかかわいそうな子を見る目で見られてるんですけども。

イナリちゃんの説明で理解できる人がいたら会ってみたいよ!

ああお市ちゃんが使えてたな。どうなってんのあの子。


「涼風様、陰陽の術があれば魔物あふれ混迷極める世を何とかできるかもしれません。

わたくしは非才の身ではありまするが、全てを諦め座して死を待つようなことはしとうございませぬ。

言葉は悪うございますが、使えるものは何でも使って生き延びる事こそ肝要でございます。

どうか、わたくしたちに陰陽の技、お見せくださいませ」


「わらわはおんみょーじの術の事はよーわからんゆえ、せーめーの末裔である其方に見せてもらいたいのじゃ」


私とイナリちゃんが頭を下げる。

涼風様は慌てて


「頭をお上げくだされ!吾輩の術でよければいくらでもお見せしましょう!

……しかし、晴明公と比べるのは勘弁してほしいでおじゃる」


と、なんだか弱り切った声で言ったのだった。


「せーめーほどのおんみょーじは見たことないから比べたりはしないのじゃ。

えーと……そういえば其方の名を知らぬのじゃ。教えてたもれ」


「はっ!これはしたり!吾輩は安倍晴明が末、涼風式部少録晴彦にごじゃりまする!以後良しなにお願い申し上げまする、イナリ様!」


「そうか!よろしく頼むのじゃはるひこ!きちょーにそなたの術を見せてやるのじゃ!」


「御意に!」



という訳で涼風様は荷物の入ったつづらから小さな祭壇とお札を取り出し、飾りを配置している。


「なんだか神社の儀式みたいですね」


おさきがささやいてくる。

確かにそうだ。朝廷は神社の総本山的な天皇陛下がトップに立つ組織なので、その傘下の陰陽術も似通うものなのかもしれない。

でもねえ。私あれに似たやつどっかで見たことあるんだよなあ。

なんだろう。前世の子供のころテレビで見たような。

なんだっかたなぁ。

お札……なんかぴょんぴょん飛ぶおっさんとかが出てたような……

思い出せるようで思い出せずうんうん唸っていると


「始めます」


と涼風様が言い、術が始まった。

涼風様はなんかをぶつぶつ唱えている。

イナリちゃんは


「ほう?」


と言ったきり難しい顔をしたまま黙っている。

私も信長ノッブもおさきも、固唾をのんで見守っている。

確か、宮廷のエアコンみたいな術だったっけ。

今は春先で、肌寒いので少し暖かくなると嬉しいな。



長い。

術が始まって体感2時間は経ったが何も起こらない。

イナリちゃんは私の膝枕で寝てしまった。

信長ノッブはなんだか呆れた顔でぶつぶつ呪文を唱える涼風様を眺めている。

おさきは静かに正座しているけど、あれは足がしびれているのを我慢している顔だ。

私?もう足しびれまくりよ。昨日に続いてびりびり地獄だ。

イナリちゃんのもふもふおしっぽをいじらないとやってられない。

昼過ぎから始まって、まだ日は出てるけども少し傾いてきている。

まだ効かないの?



もうすぐ夜になる。

私たちはすっかり疲れ果てて姿勢を崩して座っている。

信長ノッブは横になってる。いわゆる涅槃のポーズだ。

すっかり呆れた顔をしてたまに鼻をほじったりしてる。

イケメンがやると何しても絵になるねえ。

イナリちゃんが目を覚まして、くああと欠伸をして


「まだやっておるのか?」


と言ってしまった。

いくら空気読まない神様系幼女とはいえ、言っていいこととダメな事が!

涼風様は脂汗をかきながら必死に呪文を唱えている。

……これじゃなんだかいじめてるみたいだ。

さすがに限界だと思って止めるために声をかけようとした時、


「来たでおじゃる!これぞ涼風の術なり!!」


と涼風様が叫び、そよ……と、確かに外気とは違う冷たい風が頬を撫でた。


「おお!」


イナリちゃんが感心したように声を上げる。

えっ、何これ。何か起こったの?」


「姫様!声が出てます!!」


おさきが慌てて言ってくる。

あわわ、油断した!

涼風様はなんだかやりきったような、困ったような顔をしている。


「風が吹いたが……今のが陰陽術なのか?」


信長ノッブが起き上がって言う。

涼風様は頷き、そして私は言ってしまう。


「え、今のが?……思った以上にショボい……」


ほわあつい口に出てしまった!!帰蝶ちゃん痛恨のミス!

おさきは私の肩を叩いて止めようとしてくれたんです!

ここは私の首一つでお許しください!

しかしイナリちゃんの一言で事の次第がわかるのだった。


「うむ!見事に術が成っておる!時間がかかりすぎなのはしょうがない。

「気」が充実していないおんみょーじはこんなものなのじゃ!」


ほほう?

涼風様はその言葉を聞いてなんだか感動しているようだ。


「わ、吾輩の術は、成っておりますのか?我が涼風の術は、ちゃんと成って……」


そしてボロボロと男泣きに泣き出してしまった。

落ち着くまでは話になりそうもないので、イナリちゃんに聞いてみる。


「えーと、術が成功していたってこと?」


「そうじゃ!はるひこはずーっとあの符に「気」を送り込んで送っておったんじゃ。そして符に気が満ちて、書かれた術が動いたんじゃな」


「えっ!?」


「はるひこの「気」が小さすぎるのじゃ。満ちぬだけで、やってることは間違っておらぬ。

故に、符に書かれた「風よふけ」という部分が動いたんじゃな」


イナリちゃん、すごい!

こんなに詳しく説明できるのにどうして自分の術は説明できないの!?

いやいやそれはいい!今はいい!


つまりだ、涼風様が「気」、私的には「魔力」がいいと思うんだけど、とにかくそれをお札に流して、お札に書かれた術が一部だけだけど動いた、という事になる!

要は、電子回路に電気を流したようなもんだこれ!


イナリちゃんは涼風様を「「気」が充実していない」と言う。

私は「随分「気」が充実している」と言われたことがある。

それは多分レベルアップのおかげだ。

これが陰陽術だとすると、レベルアップした者は陰陽術を使えるかもしれない!!


「あの、イナリちゃん。もしかしてだけど、涼風様の言っていた呪文を私とかノッブが唱えたら……」


「うん?それはあの札の術が完全に動くのじゃよ」


何言ってんだコイツ、みたいな顔で私を見上げるイナリちゃん。

何いってんだコイツはこっちのセリフだよ!

そうか、そういう事か!!


「何かわかったのか帰蝶?」


信長ノッブが聞いてくる。


「うん!できる!私たち魔法使いになれるよ!

ふはははダークファンタジー戦国恐れるに足らず!!」


テンションマックスの私はつい高笑いをして


「帰蝶殿を指導するのは骨が折れそうでおじゃるな」


「あっ」


いつの間にか泣き止んでいた尾張女子大学寮儀礼講師の一言で凍り付いたのだった。


活動報告にも書いたんですが、ちょっとしばらく隔日連載が崩れるかもしれません。

年度末って嫌ですね。


最後まで読んでくださりありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。

良ければリアクションとかポイントとか入れてくれるととても喜びます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ