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第3話「仮説と情報収集」

第3話です。いろいろと考えたり人に聞いたりします。

レベルアップ。なんか例のあの音、と言われるとあああれね、となる人が多いアレ。

いや音はどうでもよい。

レベルアップだ。つまり人は強くなる。

推定8万人を踊り喰いするバケモンも倒せるようになる。

それ人もバケモンになってね?大丈夫?帰蝶ちゃんそんなのと結婚してぶちこまれたらパンってならない?(下品)

いやそんなんどうでもいいわ。本当にレベルアップするんなら、やりようはあるんじゃないか?村人をレベルアップさせて魔物から身を守れるなら農業はできる。いやできなきゃ死ぬからやるしかないか。父ちゃんは尾張の8割は鎮圧されてるって言ってたな。清洲は落ちてほかの城も軒並み壊滅してるらしい。なら農村はもっと無理だろうな。

マジかー。魔物を駆逐しても人口半減以上なんじゃないの?

・・・いや、それなら食わせる人口も減って都合がいいかも。こんな風に考える自分が嫌になるけど。

これは、帰蝶ちゃんの内政チートが活躍する余地があるか?確かプラン40番台に人口減地域の復興計画があったはずだ。流民の呼び込みと懐柔だったか。

戦国時代の倫理観がクソ過ぎて途中であきらめたんだけど、再度考えてもよいかもしれない。


しかし仮説に仮説を重ねてもあんまり意味ないな。

とにかく一番のキモはこの世界の「仕様」を知ることだ。

魔物の強さ、迷宮とは何か、レベルアップがあるのか。まずはこの3つ。

こんな世界になった原因?そんなもん生きられる目途が立ったらで良いわ!

地球さんがレベルアップしたとかそんな感じで理解しとくんだ、いいね?

とにかく、輿入れまで情報収集だ!

何も知らないことがとんでもないリスクになる。

もはや前世の史実知識はほとんど役に立たん。どこにどの大名や武将がいるかくらいしか・・・壊滅してる地域もあるしそれすら役に立たん。

史実の軍師や武将が魔物に必ず対抗できるとも限らない。川越攻城戦の途中で川越城から魔物あふれたなら北条綱成とか死んでるんだろうなあ・・・地黄八幡・・・そのうち会いたかったんだけどなぁ・・・。

川越夜戦の直前だったから北条氏康も近くにいたんだろうか。まさか氏康まで死んでないよな。この時期に死んでたら北条滅亡しちゃうぞ。

いや、余所は良いや。まずは尾張と美濃をなんとかせにゃ。

私の知識がどこまで役に立つか知らんけど、父ちゃん母ちゃんのためにもノッブに気に入られるように情報が必要だ。



「誰かある!」

前世で言ってみたかったセリフも、今は心躍らない。

まさかこんな切羽詰まった心境で言うことになるとは思わなかった。

果たして現れたのはおさき(17歳独身)であった。彼女は私が7歳のころから仕えてくれてる侍女で、幼馴染で姉のような存在だ。尾張にもついてくることになってる。

「お呼びですか姫様。」

無表情で言う。準備で忙しいんだから、つまんねー用事で呼ぶなよと顔に書いてある。

我姫ぞ?もう少し敬意を持ってもよいと思うのだけれど。

「引きこもりが治ったら持ってあげますよ」

ぐぬぬ、こやつめ言いよる。というか心を読むなよ。プライバシーの侵害だ!謝罪と賠償を求める!

「ぷらいばしいがなにかは存じませんが、口に出たことを聞いただけですよ。それで何か?」

なんと、思ったことが口から出ていたらしい。美少女だからしょうがないね。

まあ良い。おさきにお願いするために呼んだのだ。

「おさきの兄上、権三郎殿が父上と出陣したと聞きました。戦の様子を知りたいのだけれど、呼ぶことはできるかしら?」

おさきは、珍しいこともあるもんだ、と表情に出してから権三郎を呼びに行ったのだった。

わ、我姫ぞ?



権三郎殿が来たのは翌日だった。

彼は父ちゃんの直臣の息子で、先日の飛騨国境防衛戦では本陣の後方で指揮を執っていたらしい。

「姫様、およびとの仰せによりまかり越しました。さきの兄、原田権三郎道高と申します。いつもさきがお世話になっておりまする。」

深々と頭を下げる権三郎殿。朝日が頭に反射してまぶしい。

「よく来てくれましたね。さ、頭をお上げください。」

まぶしいから早く頭を上げてくれ。まあすんなり上げてくれた。

「お呼びしたのは、先日の飛騨国境で起こった戦についてお聞きしたいと思いましたからですの。わたくしは織田三郎さまに輿入れすることが決まっておりますが、どうも妖との戦というのが想像もできなくて。古今無双の武者と呼ばれる三郎さまがどのようなものと戦をなさっておられるのか、お支えするためにも知っておきたいと思いまして。」

嘘八百並べてる自覚はあるし、控えてるおさきも胡散臭そうに私を見ている。嘘八百だけど全部嘘じゃないよ!知っておかなきゃどうしようもないでしょ!

「さようでございますか。拙者などの話が参考になるかもわかりませぬが・・・」

おう、良い謙遜だ。

だけども本陣壊滅するような戦場を生き残った、というのはとんでもなく貴重な戦訓になるのよ。帰蝶だけに。

というようなことを伝えると、私の大爆笑鉄板ギャグをスルーして権三郎は語り始めた。


曰く。

魔物は小鬼と呼ばれる緑色の肌をした、子供くらいの背丈の醜悪な鬼で、こん棒や錆びた刀や槍で武装しているそうな。とにかく臭いらしい。

鎧はつけてなくて腰蓑一枚。大して強くないし槍で突けばすぐ殺せるがとにかく数が多く、方陣を組んで何とか防衛しているうちに本陣が崩れ、後詰の新九郎兄(斎藤義龍)が来るまで持ちこたえるしかなかったそうだ。

あととにかく臭かったと。どんだけ臭いんだ。

大事なことだから2回言ったんですねわかります。


私は気になっている事を聞いてみた。

「その、小鬼以外の妖は現れなかったのですか?その程度の相手に精強なお父様の軍勢が敗れるとは信じられません。」

「我らの備えには来ませんでしたが、のちに聞くと、大鬼ともいうべき、身の丈7尺を超える大きさの鬼が現れたそうです。矢で射ても倒れず、槍で突いてもびくともしない強靭さだったそうです。大鬼に掴まれたものはなすすべなくやられてしまったとか。道三さまのお話ではその大鬼が大挙して本陣に突入してきたとか。なんとも恐ろしいことです。」

マジかよ。ターミネーターが集団で襲い掛かってきたみたいなもんじゃんそれ。

唖然としながら追加で聞く。

「それは、なんとも恐ろしい話ですね。新九郎兄上はよくそのような恐ろしいものを追い払ったものです。それにしても権三郎殿は恐ろしい戦場をよくぞ生きて帰ってくれました。とてもお強いのですね。」

「いえ、拙者などとてもとても。小鬼どもは弱いと分かった兵がだんだん落ち着きを取り戻し、良い働きをしてくれたからですよ。拙者の力など大したことございませぬ。」

・・・なるほど。ここは詳しく聞きたい。

「まあ、兵の皆様も大活躍でしたのね。戦ではそういうこともあるのですね。わたくしなど、引きこもり気味なのでそんな長時間耐えることなどできそうもございませんわ。あらやだ、お恥ずかしい」

「いえいえ、姫様はお美しいですからな。戦場のような危ない場へは出てはなりませぬよ。それと、普通戦場では時間とともに疲れがたまり動きが悪くなるものです。あの戦では不思議と疲れが少なく、むしろ動きが良くなりました。きっと悪鬼を討てと御仏がご加護をくれたのでしょうな。ありがたいことです。」

これは確定か?


おそらくレベルアップは「ある」。

前世知識でも継続戦闘は1~2時間が限界と何かで聞いたことがある。だが彼も彼の指揮下の兵も無事生き延びている。

これはおかしい。

半日以上も謎の小鬼、もうゴブリンだろこれ。絶対会いたくないな。

とにかく小鬼の襲撃をしのぎ続けるとか人間じゃない。

疲労性ショックとか言うので死んじゃう人が出てもおかしくない戦闘時間だ。

つまり、レベルアップで疲労耐性が上がるのかレベルアップでスタミナヒットポイントが全快になるのか知らんが、とにかく長期戦に耐えられる体になる。

腕力などが上がっているかは要検証だが、そこまで聞くのもどうかと思う。

「筋肉みせて」とか言ったら権三郎殿に懸想してるみたいじゃないか。

ごめんなさい!あなたは良い人だけど私もうすぐ人妻になるの!

と、脳内で勝手に権三郎殿をふって会談を終えた帰蝶ちゃんであった。


その後、権三郎殿の備えにいた兵士に話を聞きたいとか言ったらその辺の農民を城に招くのはさすがにNGだということで、情報収集はあんまりはかどらないまま輿入れの日が来たのであった。

なんだろう、最低限の情報は手に入ったけど、うまくいかないことばっかりでまるで人生じゃないか。

人生はクソゲー、はっきりわかんだね。


この帰蝶ちゃんはいちおうお姫様なので輿入れの準備自体はちゃんとやってます。

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