第25話「ゴブスレさんはやくきてーはやくきてー;;」
3連休最終日なので第25話です。
拙作を読みに来てくださって感謝いたします。
難しく考えるのはやめた。
翌日から私は朝はおさきにしごかれ、午後からいつものメンバーで迷宮に潜ってはアイテムドロップや魔物の検証と私のレベルアップを行っている。
初めて小鬼を討伐したときの取り乱しようが嘘のように私は戦い始めた。
しかしレベルアップ・・・してるんだろうか?
自分では全然わからないけども、明らかになぎなた捌きが早く正確になっているそうな。
小鬼3~4匹なら余裕でさばけているので、確かに強くなってはいるらしい。
うーん、なんかこう、わかりやすいファンファーレとかなってステータス画面が出たりしたらわかりやすいのに。
いや、もちろん「ステータス!」とは言ってみたりしたけども、部屋にむなしく響くだけでおさきが「どうされました?」と顔を出して大層気まずい思いをしたものだ。
これなあ、レベルアップでの身体能力強化をわかりやすくするためになんか考えなきゃならないかも。
わかりやすいのはスポーツテストみたいに走らせたりすることなんだけども。
時計がないしなあ。
走り幅跳びとか石担ぎとか、なんかそういうのでやってみようかな。
というわけで私自身が走り幅跳びやってみた。
陣屋の前は浜だからね。適当に飛んでみたら13尺くらい。
大体4m?よく覚えてないけど、中学生にしては(私は今13歳だよ!)よく飛んでるんじゃないだろうか。なぎなたは振ってるけど部活女子みたいなガチ勢でもないのに。
面白そうだって言うんでみんなでやってみたら、慶次は28尺3寸(約8m60㎝)、久助は34尺(約10,3m)、犬千代くんは23尺(約7m)、おさきは18尺(約5.5m)と、なんだかオリンピック選手みたいな記録が出ている。
いやオリンピック記録なんて知らんけど。
信長は67尺(約20.3m)飛んでた。
正直キモイと思ってすまないとは思っている。
しかも本気でもないらしい。実質測定不能。
まあともかく、一面的でしかないけども身体能力を計測してレベルアップのすごさはわかってもらえるんじゃないのかな、という事で落ち着いた。
鑑定魔術具みたいな便利アイテムほしいなあ。
迷宮なんだから出せるんでしょ。ヘイヘイそこでジャンプしてみろよ持ってんだろ?
とかいっても迷宮はカツアゲされてる中学生じゃないので出してはくれんのだ。
よくわからん仕様が多くて判断つかないなあ。
ラノベでよくある不思議魔術具とか、ポーションしか出てこないしなあ。
奥に行かないとダメかな。
危ないからダメって信長に止められてるから、もう少しレベル上げしてからだね。
ちなみに、私はともかく信長が熱田で迷宮にかかりっきりになってていいのかな、と思ったら、すでに信秀に兵強化構想とダンジョンドロップ品独占販売計画について許可をもらっていて、信長の支配地は熱田になっているのだとか。
今は迷宮の詳細調査を行っていて、何がどれだけ出て、どれくらい利益を得られそうかを図っているのだとか。
すべては極秘で進んでいるので口さがない者は「うつけが遊んでいる」だの「早く清洲を取り戻せ」など言っているらしいが、魔物に抗しえずに逃げてきた少ない生き残りしかいないので無視しているらしい。
後で粛清すんのかな。おっかないね。
こんなに悠長な事していられるのも、尾張と三河の国境から岡崎にかけて、熱田から溢れた魔物が住み着いてしまったからだ。
ほぼ「魔境」と言っていい有様で、今川家はこれを岡崎で食い止めるので精一杯なのだとか。
そこに信濃と関東が魔境化してこれまた抑えに必死な武田と北条から援軍を求められて、それら2家が抜かれたら完全に魔物に包囲される今川としては援軍を出さざるを得ないのだ。
というわけで、史実ではちょくちょく尾張にちょっかいをかけていた今川の横やりがないので尾張は自国内に専念できているのだ。
あ、魔物に占拠された土地を魔境っていうんだって。
誰が言い始めたか知らないけども、なんかそれで定着しつつあるのだとか。
ともかく、そんな尾張で斬新な案をぽこじゃかひねり出す帰蝶ちゃんは信秀から最重要人物扱いされており、結構好きに動いてよいとか言われてるって信長が言ってた。
挨拶もほとんどしないで熱田に来ちゃったからね。
土田御前が嫁教育させろと手紙をたくさん送ってきているらしいが、私は見なくていいとか。
そういうのは言わないようにするもんなんだよ信長、気になるじゃんか。
織田家嫁姑戦争とかワロエナイですよ。
・・・でもそのうち土田御前にも戦国女性強化プランを説明して協力を仰がねばならないんだよなあ。
尾張で最高位にある女性だからなあ。
・・・でも祝言の時見た土田御前滅茶苦茶キツそうな美人さんだったんだよなあ。
嫌だなー、怖いなー、とか思いながら今日も小鬼を退治する帰蝶ちゃんである。
ふー、私も強くなったなあ。もうゴブリンなんかに負けたりしないよ!!
今日は地下に向かう階段前にいる大鬼を退治してみるらしい。
護衛の3人は不意打ちを受けなければ十分大鬼に対処できる実力者。
信長が私とおさきは後ろで見ていろ、という。
おさきは前に出たそうにうずうずしてる。
この子本当に脳筋だなあ。自分より強くない男に嫁ぎたくないとか言い出したりしないだろうか。そういうのは少年漫画のヒロインだけでお願いします。
薄い本だと汚いおっさん実力者に負けてあられもないことになったり・・・
げふんげふん。
帰蝶ちゃんは清純派な美少女なので薄い本の事なんか知らないよ。いいね?
階段前に大鬼が2匹いる。
信長が言うにはいくら倒してもいつの間にかいるそうだ。沸いてるんだろうね。
いわゆるフロアボスとかそういう位置付けの魔物なのかも。
素手の大鬼はこちらに気付きくと方向を上げてこちらへ走ってくる。
久助が目つぶしの粉が入った小袋を次々と投げつけ、目が痛むのか顔を抑えている間に犬千代くんが足元を斬りつける。
バランスを崩した大鬼に慶次がぶっとい槍を大降りに叩き込み転倒させ、あとは3名でぼこぼこにする。振り回される大鬼の腕に当たらないように間合いを取って的確に攻撃を加える。
強い。
歴史にでも前田慶次、滝川一益、前田利家の3人はこの世界でも高い武勇を誇っている。レベルアップ効果もあって史実とは比べ物にならない力なんだろうね。
ただ・・・
「む・・・小太刀が刃こぼれしてしまいましたなあ。」
「俺の槍ももう無理そうだな・・・三郎殿の大太刀みたいなのがもう一本あればなあ。」
「おれの槍ももうぼろぼろだ・・・」
武器がなあ。持たないんだよね。
小鬼はいいんだけど、大鬼を退治するには武器が持たない。
皮膚が固いのかなぁ?よくわかんないけど・・・
でも武器・・・武器ねえ。私そっちは全然わかんないんだよねー・・・
「とりあえず、小鬼どもが持ってる金属粒が鋳溶かせたそうだ。そのうち刀も槍も量産できるようになる。それまでの辛抱だなぁ・・・」
信長がぼやく。
うーん、なんかいい考えはないかなあ。
「ギャッギャッ」
「そうは言ってもさあ、知らないもんは知らないし・・・」
「ギャッ」
「はぁ?なんであんたにそんな事言われなきゃなんないのよ。」
「ギャッギャッ」
「ぐぬぬ・・・!あんたいい加減にしなさいよ。
温厚な帰蝶ちゃんも怒ったら怖いんだよ!」
横から飛んでくる心無い言葉に帰蝶ちゃんは激おこぷんぷん丸寸前である。
こんな失礼な物言いをするのはどこのドイツだ!と横を見ると。
「ギャッ」
なんか着物を着た小鬼がいた。少し大きい。
「・・・何よあんた?」
「ギャッ」
「ふうん。って、小鬼!」
「ギャーギャー」
着物を着た小鬼は私から一飛びで離れ、むかつく顔で掌を上に向けて私に向けて、指をクイックイッとした。
映画で見たことある。ブルー〇・リーがやったアレだ。
それを見た私は一気に頭に血が上り、なぎなたを構えて小鬼に躍りかかる。
「ヤロォブッコロシテヤアアアアアアアル!!!」
「帰蝶!?どうし、小鬼か!?」
信長の声が遠くで聞こえる。
私は激怒していて、必ずや邪知暴虐の小鬼を退治してやると決心した。
薙刀を大きく振って威嚇しながら近づき、突然突き込む。
レベルアップしてから得た腕力で可能になったフェイント技だ。
これで倒せなかった小鬼はいない!
「しにさらせえええ!」
必殺の付が小鬼の襟元に吸い込まれる、と思ったら小鬼が消えた。
ふっ、私の裂孔の気合が小鬼を消し飛ばしてしまったらしい。
とかニヒルに笑ったていたら。
「帰蝶!前だ!!」
信長の声でハッとするとなぎなたの刃の上に小鬼が乗っている。
なんかアニメとかで見たことあるこういうの!
でも小鬼の顔がむかつく!
私はなぎなたを振り回して小鬼を振り落とそうとする。
が、小鬼はタタっとなぎなたの上をステップして私の目の前まで来て。
「ギャッ」
「あうっ」
ペシっとデコピンされた。
そしてくるりと後方宙返りして離れた場所に降り立つと
「ギャッギャッ」
と声を上げながらお尻ぺんぺんをして去っていった。
「むぎいいいいい!!なんなのあのゴブリン!!むかつくむかつくううう!!!」
地団太を踏む私。
一体何なんだあのゴブリン!我姫ぞ!?
馬鹿にしやがってえええ!!
きめた!あいつを殺すのは最後にしてやる!!!
でもまあ、はっきり言えるのは・・・
ゴブリンには勝てなかったよ・・・
ダブルピースはしてないよ。
本日の更新はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。




