第2話「反芻」
書き溜めたから第2話です。
部屋に運び込まれて散々うなされて翌朝起きた私はしっかり朝ご飯を食べて
「はぁ・・・マジですか。マジかよ冗談でしょ?こんなんじゃご飯も喉を通らないよ・・・」
憂いの美少女ムーブをして侍女のおさき(17歳独身)に白い目で見られている。
3杯もお代わりしておいて何言ってんだこいつ・・・の目だ。
大変不本意である。
そんなことより現状だ。なんてこった内政チートどころじゃない状況だよこれ。
詰んでるかもしれない。
いや詰んでる。
史実以上に空気になる帰蝶ちゃんフラグがビンビンに立ってる気がする。
なんだよ迷宮って。妖が湧き出した?湧き出すのは温泉だけにしてくれませんかねえ!それか石油!畜生この時代じゃ石油なんか使い道がない!ああああもう!どうして私はもっと情報収集に力を入れなかったんですかねえええええ!!
・・・などと悶絶しながら父ちゃん(マムシ)が語った内容を反芻するのであった。
~道三の話~
事の起こりはな、2年ほど前の関東であった。増長した北条を討つとか言って関東管領殿が武蔵の国の川越城を攻囲したのよ。それはすさまじい軍勢であったようだ。8万とも10万ともいわれておるが、とにかく考えられん大軍勢であった。
囲んで降伏を待ったようであったが、ある日、川越城が燃え上がったそうな。中からおぞましい悲鳴が聞こえ、門が開き、血だらけの兵が飛び出してきた。
すわ自棄を起こした主将の突撃かと色めき立った軍勢は、その後出てきた・・・妖の軍勢に食い散らされた。文字通り、食い散らかされたのだ。
そうだ帰蝶。妖は人を食らう。恐るべき力で人を引きちぎり、うまそうにな。なんともおぞましいものよ。儂の腕も、そうして食われたのよ。
ああ、話の途中であったな。妖があふれ出したのは武蔵だけではなかった。
各地で・・・儂が知る限り、出羽、下総、武蔵、信濃、飛騨、尾張で妖が現れたそうな。西国も妖が現れ、ひどい有様らしい。
厄介なのはな、妖は定住するのだ。少しずつ広がっている。関東は川越からあふれた妖に蹂躙され、もはや人の住む地ではないと聞く。
儂は美濃守護代として飛騨からあふれる妖を討伐に赴いた。
が・・・数が尋常でなく、もはや戦の体をなせなんだ。本陣にまで攻め込まれ、馬回りも小姓も失った。新九郎(斎藤義龍)が駆けつけなんだらここにはおらんよ。
ともかく、日ノ本中で妖があふれ、どこもひどい有様であると聞く。領国を守るので精一杯よ。
今川が危険?そうさの・・・そこはおぬしが嫁ぐ織田三郎殿の事を抜きに語れまい。
尾張では、熱田神宮から妖があふれ出したそうな。熱田の街を蹂躙し、尾張各地に散っていった。那古野城主の三郎殿はそれを食い破り、熱田神宮に開いた迷宮を発見し突入。妖の噴出を止めたのよ。その後、父の信秀と共同で尾張各地の妖を討伐して回った。尾張のほぼ8割が平定されたという。被害は甚大でな。清州織田家も守護の斯波殿も亡くなられたそうだ。
今では尾張の頂点は織田信秀よ。さすが尾張の虎であったな。その息子三郎殿はうつけ者と言われておったが、どうしてどうして。
それでな、今川の話であるが、噴出した妖が三河まで広がったのよ。なんとか岡崎で止めたようであるがな。三河と尾張の国境はまさに魔境と化して居る。それに今川は北条と縁戚。武蔵を失い相模防衛にあたる北条から助力を求められておるそうだ。とても遠征できる状況にあるまいよ。
それにな、噴出は一度に起こったわけではないのだ。
最初は武蔵川越、次に出羽、そこから少し開けて下総・・・とな、少しずつ起こった。
・・・次にどこで噴出が起きるかわからぬのだ。土地を得ることはもはや危険を身の内に抱えることと同義となってしまった。
国内を固めるのに注力するしかない。しかし美濃は飛騨と信濃の妖に備えねばならん。口惜しいが、尾張と争っている場合ではないのだ。
そこで尾張の古今無双の武者、織田三郎信長殿への輿入れよ。南を盤石にし、いざともなれば援軍を求めたい。
・・・おぬしには悪いとは思う。長年争った織田家へ嫁げば嫌な目にあうこともあろう。だが、いまこの日ノ本でもっとも安全なのは尾張なのだ。三郎殿に目をかけてもらうよう、祈っておるぞ。
~道三の話 おわり~
マジかよどうかしてるよなんなんだよこの世界!〇王っつーかダ〇ソっぽくないか!?
戦国時代の技術でファンタジーな魔物と戦争してんの!?まだ火縄銃も普及してないんだぞ?!
どうすんだよ魔法も魔法的な便利アイテムも何にもないぞ!?クソ死にゲーでも回復薬っぽいのがあんのにこちとら擦り傷治すのも1週間かかる生身の人間ぞ!?
「回復魔法で傷は癒したが失った血はもどらない。」
とか舐めたこと言ってるんじゃねえぞその回復魔法すらねんだよこっちは!!
詰んだ!帰蝶ちゃんの転生チートゆるふわストーリーこれにて終了!次回作にご期待ください!完!!
・・・などとうなりながらも私は考えた。内政チート?無理だ。商業も工業も継続できるか怪しい。そもそも海出られるの?こういうの海にも魔物が出るのが定番じゃん?
やばいやばいやばい!塩が生産できなきゃガチで詰む!
あはは、ダメだこれ。完全に終わってる。ノッブがクソ強くても一人や二人強かろうがどうにもならんわこれ。システムが終わってるのにどうしろと?
むしろ父ちゃんが腕一本で済んでよかったレベルだわ。戦国時代で本陣壊滅で腕失った総大将が良く生きてたな。さすがマムシ。マムシはしぶといからしょうがないね?
・・・まてよ。熱田から噴出した魔物を斬り刻んだノッブは熱田で迷宮を見つけて噴出を止めた?
・・・これもしかしてダンジョンか?ダンジョンものかこの世界?
となると、魔物の噴出はスタンピード?噴出の中心にはダンジョンがある?
ノッブが噴出を止めた、というなら熱田ダンジョン(便宜上こう呼ぶことに決めた今決めた)は攻略済み。
父ちゃんが言うにはノッブは古今無双の武者だとか。指揮者なら侍大将とか言わないか?史実のノッブは鍛錬を欠かさないストイックな人物だったそうだけど武勇を誇る話なんか聞いたことがない。
生意気言った部下が隠れたふすまごと叩き切ったとかいう短気エピソードくらいかな。
あとはひょうたんぶら下げて瓜食ってるイメージ(偏見)。
それが古今無双の武者?解釈違いです!と言えればいいが私にだだ甘な父ちゃんが無意味な嘘つくとも思えない。
じゃあノッブはマジで強いんだろう。目からビームとか撃つのかな。
まあそれはそれとして。うつけのノッブは魔物を斬って斬って斬りまくって熱田まで電撃戦をやって迷宮を制覇した、というのを事実として。
魔物はクソ強いようだ。攻城戦中に酒飲みまくるほど士気が低い関東管領軍(史実ではね。こっちでどうだったかは知らん)とはいえ、8万からいる武装集団を文字通り踊り喰いするようなバケモンどもだ。
それを斬って倒して前に進んだ?どんぐらい被害出たかは知らんけど、普通の人間にできる事だろうか?なんかの補正がかかったんじゃ。
ここまで考えて電撃のように閃いた。
・・・もしかして魔物倒すとレベルアップすんの?
大体こんな感じの世界です。




