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第17話「私をダンジョンに連れてって」

月曜日ですが17話です。

信長ノッブがニヤリと笑って言ってくれた。

やったあ!これでナーロッパ化計画が大きく進むよ!

私の計画の最大の問題は私のコミュ力が低すぎて信長ノッブの協力を取り付けられるかがかなり怪しかった点だ。

でも信長ノッブは私を信用してくれた。

イケメンで声がイケボで器も大きいなんてなんてすごい人だろう。

しゅきピすぎてつらたん。

顔のニヤつきが抑えられない。

おさきはため息をついてるけど。

でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。重要な事じゃない


「んで、具体的に何するんだ。兵を強化したそのあとは?」


当然の質問が飛んできた。さすが信長ノッブ。さすノブ。


「それは説明してもいいんだけど・・・ねえノッブ。お願いがあるの。」


「なんだ?何でも言ってみろよ。お前は俺の嫁なんだぜ。」


「ひゃわあああなんでそうやってさらっとイケメン発言しちゃうんですかねえ!

そういうの混ぜ込まないといけない法律でも尾張にはあるんですか!!」


寝っ転がってジタバタ。

わかってるよおさき!こういうののせいで話が進まないって!

たっぷり5分はジタバタした私は気を取り直して正座して、信長ノッブに向かい、私は言った。二人の目線が痛い。ごめんよ。


「ノッブ。・・・私を迷宮に連れて行って。」




あのあと二人にドチャクソに叱られた私は翌日鬼と化したおさきに姫ムーブ訓練を半泣きになりながら受けさせられ、口から白い煙を吐きながら祝言の場に座っている。

おとなしくおしとやかに、黙ってうつむき加減で座っときゃいいらしいので楽なもんだ。

嘘です。

滅茶苦茶プルプルしてます。

いますぐお家に帰ってオフトゥンに入りたい。

ああオフトゥンまだないんだった!(2回目)

くそっ!なんて時代だ!


この時代の祝言て三日三晩やるとか聞いてたけど、バケモンどもが跋扈する戦時体制下では簡素にすることになったらしい。

盛大なお披露目は行列でやったからいいんだと。

私覚えてないんですけど!

なんて言えるわけもなく、信秀パパノッブ土田御前ノッブママやら親戚やら、とにかくいかついおっさんどもに囲まれて信長ノッブの隣でおとなしくしている。

早く終わらないかなぁ。おいしそうな海の幸御前(鯛のお頭付き)が目の前にあるのに食べちゃダメってどんな拷問なんだよお。

前世で披露宴やったオタ友が「おなかすいて大変だった」っていってたが戦国時代ここでも同じだとは思ってなかった。

というか海の幸取れるんだね。

海もバケモンだらけで漁にいけないとかじゃなくてよかった。

船が出せるなら話は変わるよ。

私はナーロッパ計画の将来像を修正したのだった。

・・・メモできない!早く終わってぇ!


吐きそうな緊張の中、土田御前ノッブママが音頭をとる。

「ご両名、盃を交わされませ」

キタキタ。昨日鬼教官おさき軍曹に罵倒されながら習ったやつだ。

もう少しで泣いたり笑ったりできなくされるところだった。

なんだよ「殿とお方様の愛情がなんだか邪な感じに混ざり合ったのが姫様です」って。

お前はハー〇マン軍曹か。

現実逃避しながら三々九度をする。

手がめっちゃ震えてるけど楽勝楽勝。

くいっくいっぐいっで飲み干せばよいんでしょ!

これでも前世では酒豪で鳴らしてたんだんね。

一気飲みなんてお手のもんよ!

良い子はマネしちゃだめだよ!

これを飲み干して、このふざけた戦国死にゲー世界に反旗を翻す反撃の狼煙とする!

私は信長ノッブと一緒に戦国日本ここをナーロッパにすると決めたんだ!!


私は三々九度のお酒をお作法にのっとってグイっと飲み干し、気付いたら隣で信長ノッブが寝ていた。

部屋のお外では雀がちゅんちゅんと鳴いている。朝チュンってやつ。

・・・あれ?


なんだろう。私記憶飛ばしすぎじゃないだろうか。

頭のどこかがおかしいのかもしれない。今度病院に行こうって病院がない!

さすが戦国日本!もうやだトイレに引きこもりたい。

さっきまで祝言で白無垢で三々九度で、今隣に信長ノッブが寝てるってことは、その、し、し、しょ、しょ、しょじょじ。

しょじょじのちわわ。

違う!しょ、初夜はもう終わったってことで、つまり、その、私はついに、前世から守ってきた難攻不落の堅城がついに陥落したってことですかァァァーー!!??

ほ、ほ、ほあああああああーーー!!」


「なんだ!敵か!?帰蝶!?」


あ、あわわ、信長ノッブが起きた!この人でなし!

ね、寝てる私にいけないことしたのにぇ!薄い本みたいに!!


「どうした朝から奇声を上げて。・・・どうせなんか勘違いしてるんだな。まずは落ち着け。」


か、かか勘違いってなによこのけだもの!責任取ってくれなきゃパパに言いつけてやる!」


「察するにパパってのは山城守(道三)のことか。安心しろ、責任はとるしそもそも俺に寝てる女を襲う趣味はねえよ。」


「う、うそ!帰蝶ちゃん美少女だもん!美少女が寝てたら男の人はけだものになるっておさきも言ってたもん!」


「あー、わかった。わかったから落ち着いてくれよ。・・・誰かある!おさきを呼んでくれ!!」


そういうと戸が開いておさきが現れた!おさきひどい!すぐそこで姫が襲われてたのに助けてくれなかったんだ!我姫ぞ!泣くぞ!結構マジ泣きするぞぅ!」


「はぁ・・・姫様。三郎さまは何もなさってませんよ。第一寝所に入った途端高いびきだったのは姫様だったのですよ!寝てる姫様を起こすのもしのびないと、隣で寝ることになさったのですよ。」


「・・・ほんとう?私まだ陥落してない難攻不落の名城?」


「何言ってるか本当にわかりませんよ。姫様はお城じゃありません。」


「言いたいことはわかる。また妙な例えを言うもんだなぁ。」


「うう・・・ご、ごめん、ノッブ。私、酔っぱらっちゃって。ノッブと結婚して、これからナーロッパ作るんだって思ったら、なんか気合入っちゃって・・・まさかこんなにお酒弱いなんて・・・」


「ま、しょうがねえよな。緊張しっぱなしでがちがちだったじゃねえか。

その様子だと何にも覚えてないんだろ?俺の嫁なんだからそれくらいうつけでいいのさ。」


にっこり笑う。はあーもう、しゅきぃ・・・!

でも、私は言わなきゃならない。


「あのね、ノッブ。その・・・あのね」


「ゆっくりでいいぞ。ゆっくり話せよ。待ってるから。」


「うん、あのね、ノッブ。子供ね、もう少し、待ってほしい。子供産むのが私の本来の役目だって、わかってる。だけどね、もう少しだけ、まって。」


「そうか。何か理由があるんだろ?話してくれるか?」


「あのね。前世ではね、人の体のこと、とってもたくさんわかってたの。たくさんの人が、たくさんの人の死を何とかしたくて、いっぱいいっぱいの血と涙を飲み込んで、いっぱい調べてたくさんわかったんだ。」


「人の体・・・」


「それでね、あんまり若いころに子供を産むと、子供も、お母さんも体の準備ができてなくて、命が危ないってことがわかってたんだ。

だから、私、まだ子供産む準備できてない。

ノッブの赤ちゃん、死なせちゃうかもしれない。

私も。

それは、いやだなぁって。だからね、本当にごめんなんだけども、その、ごめんねノッブ」


「・・・そうなのか。だからあいつの姉ちゃんは・・・」


「ノッブ?」


「ああいや、いいんだ。わかった。どれくらいなら大丈夫なんだ?」


「ええと、18歳くらい、だったかな。今は数えだから、ええと、19歳?ほんとは20歳・・・ああめんどくさ、数えで21歳くらいからがいいって言われてた。

でも、今は鬼とかいるし、病気だって治せなくて早く産まなきゃならないってのはわかってる。だけど、数えで17歳まで待って。ノッブに我慢させちゃうけど、本当に悪いなと思うんだけど。ごめんね。」


つっかえつっかえに言う私。

震え声。

視界がにじんでる。

信長ノッブは黙ってる。


「・・・それとね、恥ずかしいんだけどね、私、その・・・あのね、ちょっと、まだ、怖い・・・」


目をぎゅっとつぶって下を向く。

涙がぽろぽろとこぼれる。

恥ずかしい。マムシの娘なんだけどなあ私。

度胸がないのは昔から。こればっかりは転生しても治らないらしい。

すると、そっと抱きしめられた。


「泣くなよ。待つくらい、お安い御用だ。俺も・・・お前がいなくなったら嫌だ。

だから待つ。一緒になーろっぱ作るんだろ。子供なんざぼちぼち作っていきゃいいんだ。」


涙腺崩壊。わんわん泣きながら信長ノッブに抱き着いた。

この人滅茶苦茶イケメン。怖いくらい。

おさきはうんうんとばかりに頷いてる。

お、おさきも17歳独身のくせに!

とか思ったら睨まれた。なんだろうこの子、私の心を読むスキルとかあるんじゃなかろうか。


泣き止んだ私は改めて信長ノッブに向き合って言う。

「この話ね、尾張に広めた方がいいと思うんだ。鬼のせいでいっぱい人死んじゃったでしょ。

だから、これから生まれる子供や、産んでくれる女の人が無事に生きられるようにしなきゃ尾張は続かない。

バケモノとの戦は武士だけがするんじゃないんだよ。

尾張って国が、そこにいる人が、全員で力を合わせて、次世代を増やしながら戦わなきゃいけないの。

だから、若すぎる女の子に無理させて子供を産ませて死なせてる場合じゃないの。

そんな余裕、もう尾張には・・・ううん、日ノ本にはないの。」


「・・・急がば回れ、みたいなことか。」


「うんそう!さすがノッブ!あったまいいね!」


「なるほどな。どう広めるか、一緒に考えてくれるか?」


「もちろん!一緒に考えようノッブ!・・・あ、ついでにもう一ついい?」


「なんだ?」


「私を迷宮に連れてって!!」


あーあ、また説教だよ。

私が姫様だからダメなんだろうか。解せぬ。

でもね。


「織田家が戦国日本ここの経済を握れるかどうかを確かめに行くの!私が行かないと誰もわからないの!だから!二人が反対しても私は行く!」


強行するよ!これは絶対に外せないんだ!!


というわけで迷宮ダンジョン特攻ぶっこみます。


何を確かめに行くかは大体皆さんわかると思いますが。

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