第16話「鎌倉武士は野蛮」
日曜日なので書いたら長くなったので分割投稿で第16話です。
「・・・武力と、土地か。」
「そう。土地に価値があるのはお米が、食糧が作れるから。ご飯食べないと死んじゃうから。そして武力。反抗するものを押さえつけて、食糧や人、ものを害するものから守る力。それらがあるからみんな織田家に従ってるんだよね。」
「簡単に言えば、そうなるな。」
「でも今は武力が怪しくなってる。妖とかいうバケモノに尾張は蹂躙されて、ノッブや弾正忠さまが何とか対処して強いからみんな従ってる。守ってくれると信じてるから。」
「忠義ではいかんのか?」
「それは大事だけど、今はまだ早いかな。
まず、織田の兵は強いぞ、鬼なんかに絶対負けないぞ!ってことを見せなきゃいけない。そのために鬼に負けない軍団づくりをする必要がある。」
「それに手っ取り早いのは迷宮に入れること、というわけか。」
「そう。ノッブも一緒に入ってもらうよ。
ノッブの強さと勇敢さを兵たちに叩き込むの。
一緒にノッブも強くなって、ノッブに追いついたり追い抜く奴が出るのを少しでも遅らせる。
その間に兵を少しでも強くして、尾張を完全に平定するの。
そうしたら、この尾張で織田家にたてつく奴は誰もいなくなると思う。」
「それがなーろっぱ、ですか?」
「まさか。土台も土台、お家建てるのに土地の草刈りしたくらいだよこんなの。
でもね、これやらないと本当にまずい。
先に気づいた人がやったら、みんなその人についていくことになっちゃう。
私の考えでは、最初に気づくのは商人だと思うな。」
「奴らは利に聡いからな。」
「そう。それに、こういったらとっても悪いんだけど、今の時代の人って私のいた未来の日ノ本に比べるととっても野蛮なの。
だから私は、今の時代の商人たちを信じられない。
彼らが国を作ったらとってもひどいことになるって思ってる。」
「野蛮か?」
「・・・さあ。姫様はある意味蛮族ですけども。」
「どういう意味だよ!我姫ぞ!我姫ぞ!」
「そういうところです。」
「おさきが私をいじめる・・・はあつらたん。リスカしよ。。。。
ってまあそんなのはどうでもいいのです、いや良くないけど!
とにかくね、この時代は野蛮なの。
ねえノッブ、今お城の門の前歩いてるお坊さんの首切って並べて晒せって言ったらどう思う?」
「何言ってんだよ。そんな山賊みたいなマネできるか。」
「そうだよね。でもこれ、今から300年くらい前・・・鎌倉殿の時代の武士の常識だったらしいよ。」
「まさか・・・!」
「ね、野蛮だと思うでしょ?基本的に世の中って、時間が進むほど穏やかに生きようとする意識が働くもんなの。でもそれって時間がかかるの。それこそ何百年もね。
私のいた日ノ本、というか世界でも、他国で商人がひどいことした名残があって、いつまででも揉めてた。他国の人を攫って奴隷にしてうっぱらってた過去があったりね。
・・・今そういうのあるのは知ってるし、それが当たり前なんだと二人は思うかもしれない。
でも考えてみて、それってとっても嫌じゃない?
私が知ってる歴史の中では、嫌なことは嫌だって言える時が来て、立ち上がった人たちに王様だって首を斬られた事もあるの。」
「下剋上か。」
「そう、今この日ノ本は下剋上が当たり前。父ちゃんだってそうだし・・・
でも、いまその辺を人間バリバリ食べちゃうようなバケモンがうろついてる中でそんなことやってる暇あるのかな?」
「無いな。謀反を起こして対峙している間に妖どもに各個撃破されかねん。」
「それが最悪の形で起こったのが関東だと思ってる。
関東管領の軍が川越城から出てきたバケモンにバリムシャされたのも原因だけど、関東が崩壊したのは軍がいなくなったところを支配しようと出て行った国人がバケモンに襲われて逃げ帰ったらバケモンがついてきたのが原因。
人同士で争ってる場合じゃないけど、それがわかってる人はほとんどいない。
だって知らないんだもん。
鬼の怖さも、強さも。」
「・・・」
「日ノ本はなんか知らないけど決定的な何かが変わっちゃった。
それに合わせた社会を作らなきゃならない。
でも誰もわかんないじゃん。だってあんなバケモノいるわけないってみんな思って生きてきたし歴史は続いてきたんだから。
そのうち誰かが気づいて、なんかうまいことうまい形にする時が来るのかもしれない。
でも、それまでにどれだけの人が死んじゃうんだろう。
気づいた人がお金のためにひどいことでもできちゃう人だったら?
レベルアップすればその辺の侍じゃかなわない力を手にできるようになったから、そういう人も上に立ちやすい世の中になっちゃった。
バケモノのせいじゃなくても人が死んじゃうし、それが私やおさき、父ちゃん母ちゃんやノッブじゃない保証はないんだよ。
だったら、私が知ってる物語の世界みたいにして、みんなで安心して暮らせる世の中にした方がいいじゃない!
細かいことはその都度考えなきゃいけないけどさ。
それが私の日ノ本ナーロッパ化計画!」
「はぁー、いろいろ考えていたのですね姫様。」
「当たり前じゃん!なんだと思ってんの私のこと!
あ、ちなみにナーロッパっていうのはね、私の良く読んでた物語でよくある設定・・・そうだな、理?暗黙の了解?そういうわかりやすい、共通の認識が似通ったものの事を言うの。」
「ほんとにおもしれー女だな、帰蝶!いいぜ、やろうなーろっぱ!
どうせ何にもわかんねえんだ。
だったらお前の言うなーろっぱにしてみようじゃねえか!」
連続投稿はこれにて終了です。
「のっぶ が なかまになった!」




