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悪役令嬢の父の愛と日常  作者:
第一部

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36話「ワッフルと木苺」

 別邸の視察に行くだけなら多分危険はないので、ミルシェラも連れて行ってあげることにした。


 念の為に妻にも別邸を見に行くか声をかけたら、「行けたら行きます」と、なんとも歯切れの悪い返事が返って来た。我々の界隈だと体調と気分で行くか行かないか決まるパターンなのだが……


「なぁ、妻の年齢を聞いてもいいか?」



 俺は妻から離れたところで、魔法使いに近寄り、小声で訊いてみた。



「確か二十四歳あたりだったかと……」



 ──なんだ、綺麗だと思ったけどなるほどアレンシアはまだ全然若いな。



「なるほど、ついでに私の年齢はいくつか知っているか?」


「公爵様はご自分の年齢までお忘れでしたか……二十七歳のはずです」


 おや、三十歳手前だった! ケーネストも若い!


 そしてアレンシアは体力はまだある年齢であるにも関わらず、あの行けたら行くの返事だったので、これは来ないパターンかなと俺は判断した。


 そして、娘と護衛騎士五人と魔法使い一人を連れて出かけた。


 ◆ ◆ ◆


 途中神殿の転移ゲートも使って時短もしたのでタブレットの示す時刻によれば朝の11時ころには別邸に到着した。


 ミルシェラもいるので、長時間の馬車移動は酔うかもしれないからな。これは必要な出費だ。


 初夏の青空の下の別邸は、ギリシャのサントリーニ島の建物みたいに白壁の爽やかな外観でとても雰囲気が良かった。


 その別邸側には島のような海がある代わりに川があり、見晴らしもなかなかいい。爽やか。


 馬車を走らせて近くを散策すると、なんとスイカ畑もあった!

 この異世界にもスイカがあるんだ!


 俺は馬車から降りて早速三つほど畑作業をしていた農民から買い取った。



 畑から別邸側の川まで戻り、買ったスイカは川に漬け、日本で仕入れていた瓶入りのフルーツ牛乳と一緒に冷やした。田舎スタイルでなんとものどかな雰囲気だ。



「お昼は北部で摘んできた木苺を添えたワッフルにしよう」



 ワッフルメーカーは日本から持って来たので、

 俺はミルシェラにそう語りかけた。



「ワッフル?」


 ミルシェラはワッフルを知らないらしく、愛らしく首をかしげた。


「おやつみたいな……とにかくかわいくて美味しいと思う、好きな場所で待っててくれ」


 俺は娘にそう言い残して別邸のキッチンに向かい、ワッフルメーカーを取り出してホットケーキの粉を使ってワッフルを作って皿に盛った。


 それにホイップクリームと北部のお土産の木苺を添え、騎士に頼んで川で冷やしていたフルーツ牛乳を持ってきてもらい、ランチタイムにすることにした。


 スイカはまだ冷やしておいて、夕刻に食べることにする。


 出来上がった物を持って魔法使いにミルシェラの居場所を訊くと、別邸につけて貰ったウッドデッキとのこと。


なのでそこに移動したら、テーブルセットにちょこんと座り、文字の読み書きの手習いをしながら俺を待つミルシェラがいた。


 プチ旅行先に来てまで勉強しててえらい!


 ここには一応布で日除けの屋根もあるから、日焼けは大丈夫だよな? 短時間なら。今度は日本で日焼け止めや美肌化粧水の類も仕入れてこよう。



「ミルシェラお待たせ、ワッフルができたぞ」

「わあ! かわいい!」



 ミルシェラがホイップクリームや木苺で飾られたワッフルを見て目を輝かせた。さっそく食べるようにすすめると、


「おいちい!」



 と、娘の感想はシンプルだが実に美味しそうな顔をしてるので喜んでる。

 フルーツ牛乳も蓋を開けてあげたら美味しそうにごくごくと飲んでるし、良かった。


 そして俺は護衛達の方を振り返り、声をかける。



「お前達にはベーコンやチーズを挟んだパンとマヨコーンパンがあるから、そちらを食べるといい」


 護衛達には肉があった方がよいだろうと別メニューを魔法の袋に入れて持ってきていたのだ。コイツラはもう、北部で木苺も食べているしな。



「ありがとうございます! 後でいただきます」

「任務中とか気にしなくていいから、そっちのテーブルセットを使って食べろ、腹が減っていては何かあった時に力がでない」


 俺は側に複数あるテーブルセットを指差してわざと命令口調で言う。


「分かりました!!」


 よし。



「お、これは始めて食べるパンですが、美味しいですね! ツブツブのとうもろこしが入ってて」

「ああ、それはマヨコーンパンだ」



 コンビニ行くと絶対にハイカロリーだと分かっていながらも疲れてるとなんとなく買ってしまう事が度々あるのがマヨコーンパン。

 味は美味いに決まってるから。


「ベーコンとチーズの方も美味しいです」



 飲み物はレモンの輪切りを入れた氷入りレモン水を用意してる。



「このレモン水、形の揃った四角い氷まで入ってて、冷たくて美味しいですね」



 そう氷ごときで感動される世界なのだ。冷蔵庫は一般家庭にはない。貴族の家には氷室か魔道具の冷蔵庫みたいなものがあるけれど。



「一応貴族なので」と言って俺は笑ったが、実際は自宅の冷凍庫で作っていた氷を入れたただのレモン水だった。












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― 新着の感想 ―
ワッフルメーカーって電気のではないですね。コンロで作るタイプかな、、爺やはたこ焼き機でホットケーキ生地で中にクリーム入れたり、チーズいれたりしてを作ってましたよ(笑)
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