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悪役令嬢の父の愛と日常  作者:
第二部

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169/191

169話「華麗に忘れてた」

「ほら、こっちにおいで」



 アレンシアを優しい声でベッドに呼ぶ俺。



「な、なんですって? まだ夜でもないのに!?」



 顔を赤くして訝しむアレンシア。



「今、ドレスを持って来てもらうから、布団でも被ってるといい」



 俺のバスローブを羽織ってるとはいえ、恥ずかしいかもしれないからベッドへ行って布団を被ればいいのでは? と提案してるだけであるが……。



「……ここでけっこうですわ」



 そう言ってソファに座るアレンシア。

 俺はやれやれとひとつため息をついて、自分の部屋を出ていった。

 そして外にいたメイドにアレンシアが見つかったことを知らせ、俺の部屋の中にいるから着替えのドレスや下着一式を持って行くよう伝えた。


 ついでに巡回中の騎士を捕まえ、そっちにもアレンシア発見の報告をした。



「さっきの犬は今どこにいるか知っているか? ちゃんとアレンシアを見つけていたのに悪いことしたから謝っておやつでもあげようと思うんだが」



 たしか黒と薄茶と白の混じった体毛のサイトハウンド系の犬だったと思う。



「ああ、奥様が見つかったなら、何よりでございます。そして犬なら衣装室へ向かったと思います」


 俺は騎士に聞いたとおり、アレンシア用の衣装室にいた犬と騎士を見つけた。



「すまなかったな、お前はちゃんとアレンシアを見つけてくれたのに、彼女がまさか猫になってるとは思わなかったんだよ」

「ワフ!」

「ジャーキーと犬ガムをやるから許してくれ」



 俺は魔法の風呂敷から何かの時に使うかもしれないとホムセンで買っておいたジャーキーと犬ガムを出して、この優秀な猟犬にあげた。



「ワフ!!」

「そういえばこの犬の名前は?」



 犬の鎖を手にした騎士に訊いてみた。



「リッキーです」

「リッキーか、ありがとうな」

「ワフゥ」



 俺はジャーキーを加えたリッキーの頭を撫でた。

 そしてアレンシアが見つかったことはまたたく間に公爵家の内部に広がった。


 ややして部屋に戻ると着替えを終えたアレンシアがそこに居た。


 いつもの高貴なドレス姿でソファに座ってる。



「それで、君は一体なぜ猫の姿に? 心当たりはあるのか?」

「……とある場所でもらった薬ですわ」

「なぜそんな怪しげな薬を飲んだんだ?」


「ちょっと相談事があり……相手も悪気はなかったと思いますわ、こうやって無事に人間の姿に戻りましたし」

「誰だか知らんが、ずいぶん人騒がせな物を渡すものだな」


「わ、私も悪かっので、その話はもうしないでくださいまし」

「君がいいならいいけどな」



 人に戻らなかったら、どうするつもりだったんだ? 一体誰を庇っているんだ?


 疑問は残るが、追求するなと釘をさされてしまったなら仕方ない。



「では、私は部屋に戻りますわね」

「あ、待ってくれ、晩餐は?」

「食べますけど?」

「どこでだ?」

「……ちゃんと食堂に顔を出しますわ」


「ならいい、わかった。そこのメイド、ミルシェラにもアレンシアが見つかったと念の為、伝えておいてくれ」



 俺はアレンシアに服を届けてくれたらしいメイドに声をかけた。



「かしこまりました」



 メイドの返事を聞いた俺は上着を脱いで楽な格好、白いシャツに黒のパンツ姿でベッドに横になってタブレットを手にした。


 そしてでかめのクッションを頭の下に2つくらい重ね、仰向けでタブレットは腹の上にセット。


 メモにメイド用水着と買い物リストに書き込んだ。

 これは裸で敷地内の池を使っていたメイドが気になったからだ。


 ついでにプールでも作ってやるべきかなどと思案する。

 でも、泉で水浴びする女性と遭遇ってファンタジー作品ではわりと定番のご褒美シーンだよな。


 作られたプール背景じゃあ、風情が足りないが……でも本物の森の中っていうより、あそこはでかすぎる庭園の一部なんだよなぁ。


 悩ましい。いっそ邸宅内でプールが欲しいかアンケートでも取るか。


 そうしてベッドでダラダラタブレットをいじっているとミルシェラが俺の部屋まで来た。



「お父様! それでお母様にお土産は渡せたんですか!?」

「あっ! わ、忘れてた! 猫に変身騒ぎで脳内から吹っ飛んでた!」

「んもぉーーっ!! そんなことだと思いました!」


娘に怒られた。アレンシアへのお土産は晩餐時に渡せばいいかな?














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― 新着の感想 ―
プレゼントを忘れるとは、、まぁ、今夜は、もっと素敵な熱い愛のプレゼントで、、爺やも若かりし頃を思い出しますぞ、、
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