超闘祭 一日目終了
「納得出来ねぇ~」
一日目が終わって泊まってる宿に戻ると、俺は宿の食堂でそう口から零す。
「どうしたんだ急に?」
「言葉通りの意味だ。フォクサーの推測が正しけりゃあ、ジャーマスが妨害してたて事になる。そうだろ?」
ソルラの質問に答えて俺はフォクサーに目を向ける。
「証拠は無いけど可能性は高いと思う。僕と戦ったあの女、僕の蹴りに耐えた後ジャーマスの方を見てたから」
「強化魔法か何かをかけてもらって耐えられたって事か。でなきゃあAランクがお前等と引き分けなんてねぇもんな」
「じゃあ僕の時もかな?」
話に入ってきたユールが自分の手を何度も握る。
「クレンと戦ってた時、急に力が上がった気がしたんだ」
「それは俺も気付いた。流石にあの時は驚いたな」
戦っていたクレンも気付いてたみてぇだ。
「本当にジャーマスの仕業なら、やっぱ目的はガクラ達の優勝阻止か?」
「だろうな。ガクラ達が一番の優勝候補だからな。……まぁ、予選でどっちも一位じゃ無かったのは俺等も予想外だったがな」
ブラークのその言葉に、俺等は気まずい顔になる。
「あ~あれだ。今日は他のチーム様子見だ。明日から快進撃だ」
明日もジャーマスは妨害するだろうが、まぁ何とかなるだろ。
あとはドラゴンナイトズだ。
竜装は思った以上に協力だった。デケェ口を叩くだけのことはある。
……けどなぁ、アイツ等絶対……。
「皆さん、気合入ってますね」
エグラルの隣に座ってるシュラルが関心そうに言う。
「祭りだからな。全力で楽しまねぇとな。明日は俺も出てぇな。やっぱ娘の前で良いとこ見せてぇし」
「父上……」
シュラルが少し気恥ずかしそうな顔になり、そんなやり取りをマルナは眺めていた。
「本当に親子なのね、あの二人。……ところで、他に結婚して子供がいるのってガクラだけなのよね?」
「んぁ? ああ、そうだが?」
今更何聞いてんだ?
するとマルナが口元を手で隠し、なんか顔が赤くなってきてる。
「どうした?」
「いや、その……アレよね? 子供がいるって事はその……」
モジモジして何を言いてぇんだコイツは?
「あの……子供をつくる時に……その、夫婦が、ベッドで、やる……」
「あ~、セック――」
「嫌ぁ!! 言わないでぇ!!」
マルナは耳を塞いで顔を赤くして叫ぶ。
「おいおい。お前16だろ? 反応初心すぎねぇか?」
「う~……」
「それについては、ルポが説明してやるぞー」
ソルラの仲間のルポンが何か解説に来た。
「マルナが子作りについて知ったのは、つい最近なんだぞー」
「あ~」
コイツん家金持ちだし、意外と箱入り娘なのか?
「……確かに、あの時は緊張したなぁ~。妻と一緒にベッドの上に乗って……」
「う~……!」
聞きたくねぇのか、マルナはまだ耳を塞いでやがる。
「……まぁ嘘だけどな」
俺がそう言うと、マルナはズルッと椅子から滑り落ちた。
「じゃあ、実際はどうなんだ?」
「特殊なカプセルに夫婦のエネルギーを流して、時間が経つと子供が出来るって言うのが光族の子作りだ」
「胎生……というより、卵生に近いね」
ソルラの質問に答えると、ゲイブが興味深そうに言う。
「まぁそうだな。なんせお前等と体の造りが違うんだからな」
「そっか。人間の姿でじゃなくて、本来の姿でだもんな」
「……にしても、結婚してるって思わなかったから、知った時はビックリしたわ。二人共結婚指輪してないし」
「結婚指輪か……アレっているか?」
「いらねぇだろ。邪魔そうだし」
殆どの世界の夫婦は指輪をしてるが、正直俺達からしたらずっと付ける理由が無ぇな。
「……何かしら。光族の事を知る度に私の中で何かが崩れるような音がするの」
「現実ってのはそう言うもんだぜ嬢ちゃん」
「その現実を壊してる人が何言ってるの」
光族に夢を見すぎだと思うがな。
俺等はあくまで多々ある種族の一つでしかねぇんだからな。
「そうだガクラ。結婚で思い出した」
「んぁ?」
「おめぇ、俺が必死にアールを探してた時に呑気に結婚してた事、まだ怒ってんだぞ」
「あぁ!? だからそれとこれとは関係ねぇつったろ!」
エスティーの下らねぇ逆恨みに睨み合うと、皿が二つ飛んできて、俺とエスティーに直撃した。
「アンタ等うっさい」
俺とエスティーがテーブルの上に平伏せると、皿を投げたアスレルが俺達を睨む。
「痛ててて……」
「……なぁガクラ。前々から聞こうと思ってたんだがよ。アスレルってあんなんだったけか? 俺の記憶の中じゃあ、もうちょっと大人しいっつーか、何っつーか……」
「お前が言いたいことは分かる。お前がライテストを出た後、色々遭ったからな」
流石にこればかりは、ちょっと話しづらい。俺にとってもキツいからな。
「そんなに昔のアスレルって違うのか?」
「ああ。例えるんなら、大人しい子犬が凶暴な狼に変貌した様なも、ブフッ」
再びアスレルが投げた皿が顔に直撃し、俺はテーブルの上に顔を平伏した。




