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超闘祭 一日目②

「おらぁ!!」

「ふがっ!?」


 ソルラが剣の峰をイガァの頭に叩きつけるとイガァは転移され、続けてヤラに峰を当てて転移させた。


「よっしゃあ、三ポイント目!」

「また獲物を奪われてしまいました。ついてませんね、私」

「次はお前だ」

「ふっふっふ。そうはさせませんよ」


 ソルラとニドラが戦おうとしている中、ニドラの蹴りを受けて転移されたメイトは辺りを見渡す。


「不覚を取っちゃったなぁ。時間はまだあるけど早めにポイント取った方が良いかも」


 メイトはその場から歩き出して相手を探した。

 上空に映し出されている各チームのポイントを見てみると、光の兄弟、光族、そしてドラゴンナイトズがまだ〇ポイント。他はチーム4が三ポイント、ゴールドスマイルとジャーマスが二ポイント。ファイヤーズと戦乙女が一ポイントだった。


「エンジェもまだポイント手に入れられて無いのか。それにドラゴンナイトズ……予選一位だったのに〇ポイントなのは変だな。もし動いて無いのなら、何か企んでるのかも」

「痛ててて……。アイツ結構強かったな」


 前方の角から腹を押さえたソルラが出てくると、メイトと目が合った。


「うおっ!? メイト!?」

「やぁソルラ」


 メイトと鉢合わせて慌てたソルラだったが、すぐに落ち着き剣を構える。


「出会っちまったんならしょうがねぇ。勝てるとは思えねぇけど、やるだけやって……ぐはぁ!?」


 ソルラが走りだした瞬間、横から飛び出してきたエンジェに蹴り飛ばされて建物に激突し、ソルラは転移した。


「やっと一ポイント入ったよ。さて……」


 エンジェは振り向いてメイトと目を合わせる。


「じゃあ……一戦行く?」

「僕等はまだ〇ポイントだからね。入れさせてもらうよ」


 メイトは剣。エンジェは弓を構えて戦闘態勢に入った。


『おおっと! メイトとエンジェが鉢合わせた! これは、光族同士の対決か!?』


 観客達も盛り上がる中、メイトとエンジェはふと気配を感じ上を見た。

 見上げると、異空間内で一番高い建物の上に、ドラゴンナイトズのルーフーが堂々と立っていた。


『なんと! ドラゴンナイトズのルーフーが、あんな目立つ場所に立っています』

『余裕の表れか、何か策でもあるのか……』

『これは、俺でも読めねぇな』


 解説の二人もルーフーの行動が読めずにいると、ルーフーは手に持っている二つの宝玉が付いた杖を掲げた。


「皆さん。我が竜装、賢竜の杖の力、とくとご覧あれ」


 ルーフーは杖を前にかざすと、杖に付いている宝玉が光り出した。


「光族の探知に時間が掛かったが、お見せしよう。探知魔法、雷魔法……合成」


 杖を上に向け、雷の魔力の塊が上に放たれると、七つの雷に分裂し、他の冒険者に向かって飛んで行った。

 メイトとエンジェに向かって、頭上から二つの雷が迫り来ると、二人は飛び退いて雷を避けた。

 ……かに思われたが、雷は地面に当たる寸前に曲がり、避けたメイトとエンジェに直撃した。


「うあっ!!」「ぐあっ!!」


 他の冒険者達にも雷が命中し、ドラゴンナイトズは一気に七ポイント獲得した。


『なななんとーっ! ドラゴンナイトズのルーフーが、一気に七ポイント獲得!! これが竜装の力なのか!?』


――――――――――――――――――――


「な、何だ今のー!?」


 観覧席で見ていたソルラの仲間のルポンはルーフーの魔法を見て驚く。


「今の魔法だよね?」

「けどあんな魔法見た事ねぇぞ」

「……あった!」


 何かの本を見ていたゲイブが声を上げると、ルポンとアライアが振り向く。


「何だその本?」

「色んな装備の事が書かれてる本だよ。勿論、竜装の事も。今の魔法はこの『賢竜の杖』の力だよ。賢竜の杖は二つの魔法を合成させて合体魔法を生み出す力が有るんだ」


 ゲイブの説明が耳に入ったアモセは「成程な」と腕を組んだ。


「アイツは探知魔法を合成してた。恐らくそれで狙いを定めた相手に向かって魔法が追尾する様にしたんだろ」

「って事は……アイツは何処からでも攻撃出来るって事か!?」


 ヨルナが驚き様に言うと、アモセは頷く。


「しかも見る限り、相手に当たるまで追いかけるようだな。だからあんな不自然な曲がり方をしたんだ」

「竜装か……噂以上に厄介みたいだな」


 ダンガンは口に咥えた煙草を手に持ち、ふぅぅぅと煙を吐く。


――――――――――――――――――――


 建物の天辺から眺めているルーフーに、突如ニドラが襲い掛かる。


「運が悪いですね、こんな近くに転移されて!」


 ニドラはツメを突き出しルーフーに当てる。

 ……その直前、もう一人のルーフーがニドラの後ろにいた。


「え?」

「残念。そちらは幻影魔法と爆破魔法の合成だよ」


 ニドラのツメが触れると、ルーフーの幻影は爆破し、ニドラは転移された。


「運が良い。もう一ポイント入ってしまった」


 転移されたメイトは周囲を見渡すと、異空間の端の方にいた。


「大分遠くに転移されちゃったな。でも、あのルーフーって奴には関係無いか。って言うか急がないと。あんまり時間無いし、まだ〇ポイントだよ」


 未だにポイントが手に入れられていないメイトは相手を探しに走りだした。

 その直後、再びニドラが現れてメイトに向かってツメを振り下ろし、メイトは剣で防いだ。


「またお前か!」

(何なんだコイツ? まるで僕の居場所が分かってるみたいだ)


 弾いたメイトは剣先を向けて突きを繰り出した。

 ……が、命中する直前にベルの音が響いた。


『終了ーーっ!! 一時間経ちましたので、競技は終了です!!』

「え!?」


 メイトが驚くと、景色が解ける様に消えだし、メイト達参加冒険者は、異空間から転移されコロシアムのフィールドに戻って来た。


『冒険者の皆さんお疲れ様です。一日目午前の部の結果はこのようになりました』


 結果が映し出されると、皆は目を向けた。

 一位 ドラゴンナイトズ 八ポイント

 二位 ジャーマス    五ポイント

 三位 チーム4     四ポイント

 三位 ゴールドスマイル 四ポイント

 五位 戦乙女      三ポイント

 六位 ファイヤーズ   二ポイント

 七位 光族       一ポイント

 八位 光の兄弟     〇ポイント


『これは意外な結果ですね。まさか光族の二チームが八位と七位なんて』

『他のチームの妨害が効いたのだろう。午後はどうなるのかが見ものだね』


 この結果には、流石の光族の皆も悔しがる。

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