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超闘祭、予選

 王都にあるコロシアム前で超闘祭の受付が始まり、俺達は早速参加受付を済ませた。


「これで登録はオッケーだね」

「ああ。しっかし……思ったより参加パーティー多いな」


 見渡す限り冒険者。どれもランクは高そうに見える。多分低くてもB……いやAかな?

 周りを見渡してると、受付を終えたユールのパーティーがやって来た。


「やぁガクラ」

「おーユール。その五人で出るのか?」


 ユールが組んだパーティーは、ブラーク、カゲキリ、ソルラ、マルナのこの五人みたいだ。


「カゲキリ姐さんとダンガン、どっちにするか迷ったんだが、カゲキリ姐さんがどうしても出たいって駄々こねてな」

「だって~、私だって出てぇんだよ~。斬り合いたいんだよ~」


 とんでもねぇ事抜かしてるぞこの女。

 相変わらずさに思わず笑うと、遠目に昼間出会ったスインが視界に入った。

 俺に気付いたのかスインは俺を見て口角を上げる。


(アイツのパーティーだけには勝ちてぇな)


 しばらくして日が沈み始めた頃、参加受付が終わり、予選開始の時間になった。


『超闘祭御参加の冒険者の方々。私は超闘祭で司会と審判を務めさせていただきます、コロシアム運営のクランクです。これより、超闘祭の予選を開始致します』


 超闘祭の予選は、一パーティづつ転移魔方陣で異空間へ行き、そこにある巨大迷路を進み、一番奥にある扉を通った上位八パーティーが本戦に進める。


「八パーティーって結構少ねぇな」

「ホントね。数十パーティーはいるわよ」


 一パーティづつ魔方陣に乗って異空間へ向かって行くと、俺達の番が来て魔方陣に乗る。

 転移が終わると、目の前に巨大な迷路が視界に入る。


「この迷路をクリアしろってか」

「ここからだとどのぐらいの広さなのかよく分からないね。でもゴールまで遠いのは間違いないね」

「近いと話にならないもんね」

「まっ、遠かろうが近かろうが、ゴールまで突き進むだけだ」

「そうね。目指すは予選一位」


 しばらくすると参加パーティー全ての転移が終わったのか、クランクの声が響いた。


『参加パーティー、予選会場への転移終了しました。準備はよろしいですか? それでは……予選開始!!』


 迷路の入り口の扉が開き、俺達は迷路の中に走り込んだ。

 最初は壁をぶっ壊して真っ直ぐ進もうかと思ったが、ゴールが真っ直ぐ先にあるとは限らないし、それに壁も思ったより硬い為断念した。

 やべぇな、思ったより迷うぞ。ただでさえ迷路は得意じゃねぇのに。

 俺達はとにかく迷路を突き進み、時々迷いながら迷路を進んだ。

 感覚的には奥の方まで進んだ気がし、曲がり角を曲がると、奥に扉があった。


「扉……きっとアレがゴールだ!」


 その扉に向かって走り俺は蹴破った。

 中にはいるとゴール……ではなく、八本首の巨大な竜がいた。


「あれ? ゴールじゃないの?」

「見て。竜の後ろに扉が」


 フォクサーが指差した先には、確かに扉があった。

 扉を守る様に立つ竜……。


「成程。コイツを倒さねぇと駄目って事か」

「最強の冒険者パーティーを決めるんだ。これぐらいはするよな」

「じゃあ、さっさと倒しちゃいましょ!」


 俺とアスレル、フォクサーは大剣、鞭、魔法銃を構え、エグラルも拳同士を当てると竜の元へ走る。

 遅れてメイトも剣を抜こうとすると動きが止まった。


「あれ? 何か引っかかる。……待てよ。確か予選のルールは……」

「何してんだメイト! 早くコイツをぶっ倒すぞ!」

「皆、ちょっと待っ、うわっ!」


 メイトの元に竜が火球を吐きメイトは避けると、俺達は八つの頭の竜の噛みつきや火球を避けながら攻撃を当てていく。

 流石に竜……ドラゴンなだけあって全然倒れねぇ。


「おいメイト! 避けてばっかいねぇでちゃんと戦えよ!」

「いや、だからみん――」


 メイトへ向かって一本の首が伸びてきてメイトは避けると、その首にアスレルが鞭を巻き付けすぐ近くの首に向けて叩きつけると、俺は竜の体に上り、土の属性力を纏わせた大剣を叩きつけた。

 効いたのか、八つの首は俺に向けて一斉に火球を吐こうとするが、竜の口へ向けてフォクサーが魔法銃で撃った魔力弾で誘爆させて怯んだ隙に、体の上に上って来たエグラルの拳と俺の大剣の一撃を与えると、竜は力尽きて倒れる。


「へっ、どうだ」

「……」


 ようやく倒したのにメイトは何だか浮かない表情だ。


「やべっ。早く扉行くぞ」

「もう遅いと思うけど」


 メイトが何か呟くが、俺達は扉を通ると、そこにはスーツを着た竜人族の男がいた。


「ゴールおめでとうございます。無事、予選通過です」

「よぉし!」

「結構早ぇと思うし、こりゃあ一位じゃねぇか!?」

「いえ。ギリギリ八位通過です」

「「「「……え?」」」」


 俺、アスレル、エグラル、フォクサーは目を丸くし、メイトは呆れたようにため息を吐く。


「予選のルール思い出して」

「は? 確か、迷路の奥にある扉を進めば良いんだろ?」

「うん。つまり……」

「つまり?」

「あの竜はわざわざ倒す必要は無かったって事」

「「「「あ」」」」


 メイトが何か言おうとしてたなぁーとは思ってたが……そう言う事か。


「皆さんが戦ってる間に次々とゴールしていきまして」

「メイト! 早く言えよ!」

「言おうとしたのに誰も聞かなかったじゃん!」

「畜生ぉぉぉぉぉぉぉ!!」

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