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祭り前の出会い

 リューロン王国王都にある駅構内。

 そこで睨み合うガクラとクレン。

 ガクラの後ろにはアスレル、メイト、エグラル、フォクサーが。クレンの後ろにはウルファー、エンジェ、ファルク、ノクラーが見守っていた。

 近くで見守っているエスティー、アール、レイル、そしてユール達に緊張が走ると、ガクラとクレンはグッと拳を握り振りかざした。


「「じゃんけん、ポン!!」」


 ガクラはパー。クレンはグーを出しガクラが勝つと、ガクラは握り拳を高く上げた。


「よっしゃーっ!」

「という訳で、超闘祭に出るのはこっちのチームって事で」


 超闘祭に誰が出るのかで話し合った結果、アスタラードの調査に出た二チームのどちらかにすると決まり、代表でそれぞれガクラとクレンがじゃんけんをした。


「俺等のトップ五で出るのもありだったが、それじゃあちょっとつまんねぇしな」

「それにその決め方だと俺かエンジェのどっちが出るかでまた決めなきゃいけないもんな」

「トップ五? お前等の中で強い五人って事か?」

「一応決めてあるんだ。一番は俺で二番はメイト。三番はウルファーで、四番はアスレルだ。五番はクレンとエンジェが同列って感じだな」

「確かにその順位じゃクレンとエンジェのどっちか選ばないと駄目だね」


 一応出場するメンバーが決まったが、ガクラは先程から気になる事を聞きにエグラルに話しかける。


「なぁエグラル」

「言わなくても分かってる」


 エグラルは駅の柱に目を向けると、柱から覗き込んでいる人物はサッと柱の陰に隠れ、その隙にエグラルは回り込んでその柱に近づく。

 隠れていた人物は再び柱から顔を出すと「あれ?」と目を丸くする。


「何してんだオメェ?」

「うわっ!?」


 背後から声を掛けたエグラルに驚いた人物は柱から飛び出した。

 驚いた声にユール達は振り向き、ガクラ達が集まった。


「何、その子?」


 マルナはエグラルと一緒にいる、布の服を着た金髪のショートヘアーをした少女に目を向ける。


「で、何でここにいんだ?」

「す、すいません。近くを通ったので、気になって……」

「あの子、エグラルの知り合いなの?」

「あ~、知り合いっつーか……」


 ユールの質問にガクラは応えようとすると、エグラルが少女の頭に手を乗せて答えた。


「ああ悪ぃ。コイツはシュラル。俺の娘だ」

「へぇー。エグラルの娘」

『……娘!?』


 ユール達の驚く声が駅の構内に響き渡った。


「エグラル、アンタ子供いたの!?」

「ああ。いや、驚き過ぎだろ」

「あれ? でもガクラ達って、年齢は人間で例えると20代前半って言ってなかった? それでこんなに大きい子供がいるって変じゃない?」

「光族は成人になると年取るのが遅くなるからな。ちなみにシュラルは人間だと大体15、6ぐらいだ」


 ガクラがそう言うと、エグラルとシュラルに目を向けた。


「しかし、本当にシュラルはエグラルの要素が全くねぇな。母親遺伝強いな」

「お前んとこの場合は中身がお前遺伝強いからな。残念な意味で」

「ああっ!?」


 ガクラはエグラルを睨むと、今の会話を飲み込めていないエスティーが話しに入った。


「なぁ。今の話どういうことだ?」

「ん? ……あ~そっか。エスティー知らねぇのか」

「確かに。ライテストを出ていった後だったからな」


 エスティーだけでなくアールも話が見えず首を傾げると、エグラルがガクラを指差す。


「コイツにもいんだよ、妻と子が」

「…………はぁぁぁ!?」


 エスティーが驚くとアールもビックリした様な表情になり、聞こえていたユール達も驚く。


「テメェ!! 俺が必死にアール探してた時に、オメェは嫁さん作ってイチャコラしてましたってか!?」

「うるせぇ!! 俺が結婚しようが俺の自由だろうが!!」


 頭にきたのか、エスティーはガクラに文句を言い、二人は言い争いを始めた。


「本当にすぐ喧嘩するわね、あの二人。ガクラにも子供がいるって言ってたけど」

「うん。双子の兄妹がいるよ」


 マルナがメイトからそう聞くと、アスレルは言い争いを続けるガクラとエスティーの元へ行って殴り倒した。


――――――――――――――――――――


「痛ててててて……。アスレルのやろぉ~、マジで殴りやがって」


 アスレルに殴られた箇所を摩りながら、超闘祭の受付が始まるまでの時間つぶしで王都を適当に歩いていた。

 冒険者が異様に多いな。コイツ等全員出るのか?


「王が主催するから当然か」

(それより……何かちょくちょく見られてるような?)


 注目されながら王都をぶらついていると、前方の広場に人だかりが出来ていた、その中心が何やら騒がしい。

 行ってみると、人だかりの中央に金髪の魚人族の男と、鬼人族の男が立っていて、その二人の周りには冒険者らしい奴等が倒れていた。


「何だ? 喧嘩か?」

「いや、ただ倒れてる奴等があの二人にちょっかいかけて返り討ちに遭ったんだ……ってうおっ!? 光族!?」

「!?」


 人だかりの中にいた奴が俺を見て驚くと、魚人族の男は振り向き俺をジッと見つめると俺の元にやって来た。


「アンタがガクラか。初めて会ったぜ。思ったより背高いな」

「何だお前? 冒険者か?」

「ああ。俺はスイン。んで後ろにいんのがログラス。同じパーティー組んでんだ。アンタがここにいるって事は、出るんだろ? 超闘祭」

「まぁな。ちょっと懐事情が寂しいんでな」

「俺達は誰が出ようと優勝する気だ。例えアンタ等が相手でもな」

「面白れぇ。上等じゃねぇか」


 コイツの妙に高い自信がちょっと気になるが、それよりコイツが腰に刺している白い剣が気になる。

 この剣から何か力を感じる。そんな気がする。

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