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ガクラとエスティー④

 赤い鹿の界獣の角が光ると、角から無数の火炎弾を放ち、メイト、アスレル、レイルは火炎弾を避けていく。

 界獣はメイトに向かって口から熱線を吐くと、メイトは剣で熱線を防いで弾き走りだす。

 界獣の角が光り、再び火炎弾を放とうとすると、左の角にアスレルが鞭を巻き付けた。


「うおぉぉぉ……りゃあああっ!!」


 鞭を思いっきり引っ張り左の角を折ると、レイルが放った光のリングが右の角の付け根に命中し削ると、右の角も折れた。

 界獣は熱線を吐くと、メイトは飛んで躱し、剣を何度も振り斬撃を無数に放つ。

 斬撃の雨が界獣に命中し傷だらけになると、最後に放ったメイトの一閃が界獣の首を跳ね飛ばした。

 跳ね飛ばされた首が地面に落ちると、胴体と首が爆散した。


「やった!」

「ふぅー」


 レイルは喜び、アスレルは一息つき、メイトは剣を角に戻すと、壁からバチバチと音が鳴り振り向くと、壁から火花が出た。


「……」

「どうしたのメイト?」

「この船の動力部って何処かな?」


――――――――――――――――――――


 ガクラは大剣から風を放ちオブリオの動きを止めると、火を纏った土の球体を放ちオブリオに命中させた。


「お前、昔っからそんな力持ってたっけか?」

「エレメスで習得したんだ。強くなるためにな」

「成程な」


 エスティーが納得すると、起き上がったオブリオが剣から紫の火球を放つ。

 ガクラは大剣から氷の弾を放ち火球に当てると、白い煙が発生し視界を蔽うと、エスティーは空中に剣で五芒星を描いた。


「ペンタグラムショット!」


 放った五芒星は煙を突き抜けてオブリオに向かって飛ぶと、オブリオは剣で防御するが、徐々に押され、剣が弾け飛びフラつく。


「くっ……おのれ!」


 オブリオは目から赤い光線をエスティーに向かって放つと、ガクラがエスティーの前に立った。


「アイスミラーシールド!」


 ガクラは丸い氷の壁を張ると、赤い光線は跳ね返りオブリオに命中した。


「ぐほっ!」

「サンダーアクア!」


 ガクラは大剣の先に雷を纏った水の玉を生み出しオブリオに向かって放つと、浴びたオブリオは体が痺れて痙攣する。

 ガクラとエスティーは目を合わせて頷くと横に並び、ガクラは大剣に六色の光を収束させ、エスティーは額のクリスタルにエネルギーを集めた。


「エレメントバースト!!」

「シューティングレーザー!!」


 大剣から放った六色の光線と、額から放った光線がオブリオに命中した。


「ぬあああああああっ!!」


 二人の光線を受けたオブリオは、声を上げながら爆散した。

 ガクラはオールエレメントを解き、エスティーは剣を頭の角に戻した。

 二人は目を合わせると拳同士を合わせた。


「……終わっ、たの?」

「……ああ。時間掛かっちまったが、終わったぜ、アール」

「お兄ちゃん……」


 エスティーはアールの肩に手を乗せ、アールはエスティーの手に触れ顔を寄せる。

 ガクラも安心し肩の力が抜けると、壁の至る所から火花が飛び散った。


「何だ!?」


 船が揺れ出し、壁や床に亀裂が生じると、左腕の兄弟の証にメイトから通話が入った。


『ガクラ聞こえる?』

「メイトか。ああ」

『さっき爆音が聞こえたんだけど、もしかしてオブリオ倒した?』

「ああ!」

『遅かった……』

「どういう事だ?」

『ガクラ達が戦ってた部屋の真下には、船の動力部があったんだ。多分、オブリオの爆発が動力部に響いて、船が崩壊しようとしてる!』

「はぁ!?」

『僕等は全員外に出たから、ガクラ達も早く脱出して!』


 そこでメイトの通話が切れた。


「エスティー、聞こえたか!?」

「ああ! アール、飛べるか?」

「うん。大丈夫」


 エスティーはアールの手を引っ張り立ち上がらせると、揺れが大きくなり所々爆発し出し、ガクラ達は入ってきた穴に向かって飛んだ。

 既に船から離れた所にいるアスレル達はガクラ達の脱出を待っていると、船の外壁の穴からガクラ達が出てきた。

 ガクラも遠目でアスレル達を目視した次の瞬間、船が大爆発を起こし、爆風でガクラ、エスティー、アールは吹き飛ばされた。


「「「うあああああああっ!!」」」


――――――――――――――――――――


「…………クラ。……ガクラ!」


 呼ぶ声が聞こえて目を開けると、俺を見下ろすアスレル達が映った。


「気がついたわね」

「うっ、てててて……。何があったんだっけ?」

「船の爆発に巻き込まれて、ガクラは気を失ってたんだよ」

「そっか……。エスティーとアールは?」


 俺が訊ねると、皆沈んだ表情で黙り込んだ。


「……辺りを探してみたんだが、見つからなかった」


 エグラルの言葉に俺は起き上がり周囲を見渡した。

 ……二人の気配が全く感じなかった。


「……」

「お二人は無事でしょうか?」

「あれほどの爆発だ。最悪……」

「無事だ」


 俺がそう言うと、皆は一斉に俺を見た。


「根拠はあんのか?」

「無ぇ。だが……無事だって、俺の頭が言ってんだ。だからアイツ等は無事だ。絶対」


――――――――――――――――――――


 ガクラ達が感知出来ない程遠く離れた所で、エスティーとアールはフラつきながらワールドスペースを飛んでいた。


「お兄ちゃん大丈夫?」

「俺より自分の心配しろ。まだ調子戻って無いだろ?」

「うん。……これからどうするの?」

「そうだな……どっかの世界で休もう。それで、調子が戻ったら、ライテストに帰るか」

「そうだね」


 エスティーとアールは、休めそうな世界を探しに、ワールドスペースを飛び続けた。


――――――――――――――――――――


 あの事件後、エスティーとアールがどうしているのかずっと気が気じゃ無かった。

 けど、偶然でも会えて、無事だと知ったのは嬉しかった。


「なぁガクラ」

「ん?」

「久々に会ったんだしよぉ。どうだ? 数千年ぶりに」

「お、良いね」


 俺は二ッと笑うと、アスレル達はちょっと呆れた様な顔をし、ユール達は首を傾げる。

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