ガクラとエスティー③
オブリオを追って俺とエスティーは奥の部屋に突っ込んだ。
部屋の中央にはオブリオが立っていたが、それよりも目に入ったのは、天井にある紫の球体から伸びる光の鎖に拘束されているアールだった。
「アール!!」
エスティーが吊るされてるアールに向かって叫ぶと、俺は球体から伸びてるパイプがさっきの部屋に通じている事に気付く。
あの鎖でアールのエネルギーを吸収して、パイプを通ってあの界獣達に送ってんだな。
「この娘はまだ利用させてもらうからな。邪魔はさせん!」
オブリオが左手から水色の光弾を放つと、光弾が無数に分裂し、俺とエスティーは飛び退いて避ける。
「あの時と同じように、救えなかった屈辱をもう一度味合わせてやる」
「ふざけんじゃねぇ! あんな思いは懲り懲りだ!!」
「当たりめぇだ。それにな……」
俺は周りに赤、青、黄、緑、白、茶の六つの光を出し俺の中に入ると、体の色が今の六色になり、額に金色のクリスタルが現れる。
初めてこの姿をみたエスティーは驚くと、俺は風と雷の力で球体の元まで一瞬で近づいた。
「何っ!?」
「あの頃とは違ぇんだよ!!」
右腕に土を纏わせると、更にその上に火を纏わせて球体を殴りつけると、球体はバラバラに砕け散り、アールを吊るしていた鎖が消えた。
落下するアールを、走りだしたエスティーがオブリオを突き飛ばしキャッチした。
「アール。アール!」
エスティーが何度も呼びかけると、アールの目に光が灯った。
「お兄……ちゃん?」
「アール……ああ」
アールを抱きかかえるエスティーの元に歩くと、アールが俺に気付く。
「もしかして……ガクラ?」
「ああ。もう大丈夫だ」
救出出来てホッとすると、オブリオが力強く床を踏む。
「おのれ貴様等!」
「次はお前だ。あの時の借り、返させてもらうぜ」
右手に六色の光が集まり大剣が現れると俺は手に持ち、アールを壁際に座らせたエスティーも、頭の二本の角を剣に変化させて両手に持った。
「もうその娘もいらん! 貴様等全員の首、狩り飛ばしてくれる!!」
「やれるもんならやってみやがれ! 行くぞエスティー!」
「おうっ!!」
俺達は床を蹴り、オブリオに挑んだ。
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船の外壁の一部が爆発し穴が開くと、そこから緑の蛾の界獣が飛び出しワールドスペースに出ると、クレン、エンジェ、ファルク、フォクサーが飛び出して界獣を追う。
「速いな。距離が全く縮まらねぇ」
「まずはあの羽を攻撃して、飛行能力を削った方が良いね」
「フォクサー、狙えるか?」
「出来れば止まってる時に撃ちたいけど、当てられない事は無いよ」
フォクサーは銃を構えて界獣の羽に狙いを定める。
時折羽ばたく為完全に当てるのは難しいが、それでもフォクサーは飛び回る界獣の羽に狙いを定めると、フォクサーは銃弾を発射した。
光の銃弾は真っ直ぐ界獣の羽に向かって飛び、羽に命中する。
……そう思った瞬間、界獣は急旋回し銃弾を避けた。
「っ!?」
フォクサーは一瞬焦ったが、視界に入った光景を見てすぐに落ち着いた。
界獣が避けた先にクレンのブーメランが飛んできて、右側の羽を切り落とした。
左側の羽だけになり界獣はバランスを失うと、ファルクが手刀で左側の羽を切り落とした。
飛ぶ力を失った界獣は触角から赤い電撃を放つと、フォクサーは躱すと同時に銃弾を撃ち触角を撃ち落とした。
界獣が弱々しい声で鳴くと、エンジェはウイングアローを放ち界獣を貫くと、界獣は爆散した。
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青い猪の界獣が突進してくるとエグラルは牙を掴んで受け止めるが、界獣の力が強く押し負け後退していく。
「ぬおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
エグラルは踏ん張ると、ノクラーが棍を界獣の顔に叩きつけ勢いを弱めると、エグラルは右手を下げ力を溜めると、正拳突きを鼻に叩きつけ吹き飛ばす。
界獣の背後からウルファーが飛び出し背中に沿う様にツメで切り裂く。
だが、界獣の体にはあまり傷が付かず、逆にウルファーのツメにヒビが入る。
「硬い毛皮だな」
「ああ。俺もちょっと手が痛ぇ」
「こういう奴は大抵腹が柔らかいよな」
「じゃあ腹か?」
「……狙ってみるか」
界獣が再び突進してくると、またエグラルが牙を掴んで受け止め、右拳を顎に向かって下から振り上げアッパーカットを当てると界獣の上半身が少し浮き、続けて左拳でアッパーカットを当て、界獣がほぼ後ろ脚だけで立つと、エグラルの拳とノクラーの棍が界獣の腹に命中した。
「グヒィィィィィィィ!!」
界獣は腹を向ける様に倒れると、ウルファーはクロースナイプを放ち界獣の腹に命中すると、界獣は爆散した。




