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犯罪者と呪いの笛②

 犯罪者達が放った攻撃で起きた爆煙が晴れると、煙の中から土のドームが露わになった。


「な、何だアレは!?」


 犯罪者達が動揺すると、土のドームが崩れ、中からガクラ達が出てきた。


「あービックリした」

「ガクラ。今何やったんだ?」

「あ? 土の属性力を纏わせた剣を地面に突き刺して土の壁で覆ったんだ」

「おいおい。属性力でんな事出来るなんて聞いたことねぇよ」

「がっはっはっは!! あんまりコイツ等を常識的に考えない方が良いだろ!」


 ブラークが豪快に笑うと、犯罪者達は再び構える。


「お前等! もう一度……」

「させるかよ! ダンガン!」

「おう」


 ダンガンは指先からの魔法の狙撃。ブラークは背中にあるブーメランを投げて二階にいる犯罪者達を薙ぎ払う。

 犯罪者達の手が止まったその隙に、一階にいる犯罪者達をカゲキリとサシェが倒していった。


「ひっ!」


 指示していたエルフの男は顔を引きつかせると奥の方へ逃げていった。


「あの野郎。俺達は他を当たるから、ここは任せた」

「ああ、任せな!」


 エントランスにいる犯罪者達はブラーク達に任せ、ガクラは逃げたエルフの男を追い、アスレル、メイト、ウルファーは他の部屋に当たる。


「待ちやがれーっ!!」

「ひぃぃぃ!!」


 エルフの男は必死になって逃げているが、脚力でガクラに敵うはずもなく、あっという間に追いついたガクラは男の後頭部を掴み、顔から床に叩きつけた。


「捕まえたぞこの野郎」


 ガクラは男の襟首を掴んで持ち上げ皆の所へ戻る。

 その途中でメイトと合流した。


「おーいメイト。頭捕まえたぞ」

「え? ……ガクラ。それ頭違う」

「え? そうなの?」

「コイツ等の頭は竜人族の男だよ。列車の中で言ったじゃん」

「……」

(ヤベェ。酔ってって覚えてねぇ)


 ガクラは内心焦ると、気がついたエルフの男が囁くように笑いだす。


「あん? 何が可笑しい?」

「残念だったな。頭は()()()()にはいねぇよ。お前達が来る前に準備は済ませたからな」

「準備? 何の事だ?」


 ガクラは男が言っている事が理解出来ずにいると、アスレルとウルファーも合流してきた。


「他の部屋には誰もいなかったわね」

「エントランスにいた奴等で全員みたいだな。頭以外は」

「そうか~。ちっ。何処にいやがる」


 ガクラが舌打ちすると、屋敷が少し揺れた。


「何だ今の揺れ?」

「発動したな」


 エルフの男の言葉に首を傾げると、ブラークの叫び声が聞こえた。

「おーいガクラ達!! 急いで来てくれ!!」


 ガクラ達はブラーク達がいるエントランスまで走って戻ると、外にいるブラーク達と合流した。

 外に出ると、廃屋敷を風のドームが覆い、ガクラ達は閉じ込められていた。


「何だこりゃ!?」

「お前等が来ることは分かってたんだ。だから頭はここでお前達を足止めするために準備してたのさ。この刃風結界をな」


 魔法に詳しくないガクラだが、この結界は風魔法と組み合わされている事が分かる。

 更にこの風は、とても切れ味のある風だと見て分かった。


「素手で触れるな危険だな、この風」

「やっぱそうか。どうせ無理だと思うが……」


 ブラークは背中の鞘からサーベルを抜き、刃風結界に向けて振り下ろすが、案の定結界に弾かれた。


「やっぱ無理か。……ん?」


 ブラークが険しい表情をすると、サーベルが当たった箇所から、風の刃が飛んできた。


「うおっ!?」


 ブラークは風の刃を避けると、風の刃は地面に当たり切られ跡が出来た。


「攻撃すると今みたいに反撃が来るみたいだね」

「みたいだな」

「ちょっと下がってくれ。魔法はどうだ?」


 ダンガンは指から火の魔法を五発撃ち結界に当てるが、結界はビクともせず魔法が弾かれた。

 すると、風の刃が五つ飛んできてガクラ達は避けていく。


「どうやら、攻撃した回数分の刃が飛んでくるみたいだね」

「何も出来ねぇな。ダンガン、お前魔法使いだしどうにか出来ねぇか?」

「生憎俺は結界魔法は専門外でな。得意なのも攻撃系の魔法だからな」


 ガクラは頭を掻いて悩む。


「どうすっか。早く出ねぇとコイツ等の頭もう王都に向かってるだろ」

「間違いないね。しかも風魔法で飛ぶことが出来るみたいだから早くしないと」


 ガクラ達に焦りが出る中、いつも通り冷静なウルファーが静かに口を開く。


「なあ」

「あ? どうしたウルファー?」

「上が駄目なら……」


 そう言ってウルファーは真下を指差すと、メイトが「あっ」と声を出す。


――――――――――――――――――――


 魔風団が根城にしている廃屋敷。

 その廃屋敷を覆っている刃風結界の外の地面から、大剣の刀身が飛び出すと、次の瞬間大きな砂煙が上がり、ガクラ達が地面の中から出てきた。


「ウルファーの推測通りだね。この結界、地中には影響が無いね」

「こんな簡単な方法思いつかねぇとはな。俺等もまだまだだな」


 ブラークは笑いながらそんな事を言っていると、サシェが辺りを見渡す。


「ガクラがいない」

「ん? ……っておいおい。ホントにいねぇじゃねぇか」

「あんのバカ。先行ったわね」

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