雪原の魔物討伐②
アインの案内でフレイス村に着いた俺達は、村の冒険者ギルドを訊ねた。
「まさか光の兄弟が受けてくれるとは心強い。本当に助かったよ」
「あ~気にすんな~」
ギルドマスターの一つ結びした黒髪の鬼人族の男が礼を言っているが、俺はそれよりギルドのロビーにある足湯席が気持ち良い。
「この村にも冒険者ギルドがあるのに、受けてくれる冒険者がいなかったんですか?」
「ああ。見ての通り、ここはあんま人が訪れないからな。アイスタイガーがパートナーのアインでもアイツはまだCランクだからな。シルバーマモスと戦うには実力不足だ」
「それで依頼を出したって事か。確かに、二級がパートナーでもそれはキツいな」
「そうだなぁ~。んで、シルバーマモスの具体的な居場所は分かってんのか~?」
「それなら専門家に聞いた方が早い。ちょっと待ってくれ」
ギルドマスターは席を外すと何処かに行き、しばらくするとドワーフの婆さんを連れて戻って来た。
「この人はギルド職員のフィータ。調査専門のベテランだ」
「よろしくね。ふふ。まさか光族に会えるなんてね。長生きはするもんだ」
「ま~それはいいから。シルバーマモスの居場所は知ってんのか?」
「大体はね」
フィータの婆さんは地図を出すと、シルバーマモスがいる場所を指し、準備を終え十分温まった俺達は早速向かった。
「あ~駄目だ。外出ると寒ぃ」
「おいおい。まだ村を出て十分も経ってないだろ」
「ホントに寒さに弱いのですね。あまり時間を掛けない方がよろしいかもしれません」
寒い中、フレイス村で買った辛味成分たっぷりのジュースを飲んで体を温めながら目的地まで進み、次の日には目的地に着いたが……。
「最悪じゃねぇか。何でよりによって吹ぶくんだよ」
運が悪いのか、目的地に着くと吹雪が起きて視界が悪くめっちゃ寒い。
「これは……シルバーマモスを探すどころじゃ無いね。一旦何処かに隠れて吹雪が止むのを待とう」
吹雪の中、何処か身を隠せそうな場所を探していると、視界が悪くて見づらいが、前方に洞穴らしいのが見えた。
「いや~助かった」
「こんな吹雪じゃあ依頼どころじゃないな」
「そうだね。止むまで待つしかないね」
俺達は洞穴の中で吹雪が止むのを待つと、シーシアが不安気そうな顔で口を開く。
「あのー。以前、雪山で洞穴の中に入ったら、実はそれはシルバーマモスのお腹の下だった、という話を聞いたことがあるのですが」
「あー。俺もそんな話聞いたことがあるな」
「洞穴と間違えるって、どんだけデケェんだよ。シルバーマモスって」
シーシアの話を聞いた俺達は、洞穴を中をジッと見る。
「つまりこう言いたいのか? ここは本当に洞穴なのかって」
「はい……」
「大丈夫だろ。そんなベタな事が早々起きる訳ねぇし」
ファルクが短剣を一本取り出して洞穴の岩肌刺すと、岩とは思えない程軽々と刺さった。
「……」
「おい、まさか……」
嫌な予感がした直後、洞穴が揺れ出し、俺達はまだ吹雪が起きてる外に急いで出て洞穴の方を振り向くと、洞穴の上に積もってる雪が崩れ、そこから一体の巨大な像の魔物が姿を見せた。
「やっぱりシルバーマモスかよぉぉぉ!!」
界獣より少し小さいぐらいの大きさのシルバーマモスは、長い鼻を振り回して薙ぎ払うと、衝撃と巻き上がった雪で吹き飛ばされそうになる。
やっぱ巨体に見合ったパワーだな。
また鼻を振り回して雪を巻き上げると、ユールは剣を抜くと同時に雷の属性力を纏わせて雪を薙ぎ払った。
その隙にファルクが短剣、ノクラーが棍をシルバーマモスの両前脚に叩きつけシルバーマモスが膝を着くと、俺はジャンプして火の属性力を纏わせた大剣を頭部に叩きつけた。
シルバーマモスはふらつくとゆっくり倒れた。
「よし。討伐完了」
「一撃かよ。まぁ流石だな」
「ガクラ達が来て正解だったね。僕達だけじゃあもう少し掛かってたよ」
武器を納めた俺達は村に戻ろうとしたが、大事な事に気付いた。
「ヤバい。吹雪で帰り道が分かんねぇ」
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「もう倒したのか!? 思ったより早かったな!?」
「まぁ見つけるのあっという間だったんだが……ちょっと帰りがな」
結局吹雪のせいで帰り道が分かんなくて、村に戻るのに三日かかっちまったよ。
ギルドマスターから報酬を受け取り、ユール達と分け前た。
「じゃあ俺達が七。お前等が三な」
「何でだよ」
「俺等の方が人数多いんだから当然だろ」
「僕は別に良いよ。止め刺したのガクラだし」
「よし決まりだ」
報酬を分け合い、俺達はフレイス村を後にした。




