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武器と依頼

 冒険者登録を終えた俺達は、その際に貰った引換券を持って冒険者ギルド隣接の武器屋を訪れた。


「ん? いらっしゃい」


 カウンターの向こうで新聞を読んでいた店主の男が俺達に気付いた。

 ずんぐりしたこの体型はドワーフっぽいな。


「さっき冒険者登録でこの引換券を貰ったんだが」

「あぁ。ならそこの隅っこにある棚と樽の中にある武器と一つ交換出来る。好きなの選びな」


 俺達は早速店主が指した場所へ行き武器を眺めると、俺は一本の剣を手に持った。


「軽いな。確かに武器としては一応使えるな、これは」

「武器も金も無い新人向けのサービスって感じだね。耐久力もあんまり無いからすぐ壊れそう」


 メイトは剣の刃を指で突いてそう呟く。


「そういやぁエグラルも交換するのか? お前武闘士だろ」

「俺も引換券貰っちまったからな。ガントレットなら使えると思うんだが……」


 エグラルは棚に置かれているガントレットを手に持って眺めている。


「何か脆そうだな」

「別に良いんじゃねぇかエグラルは。武器無しの素手で戦った方が戦いやすいんじゃねぇか?」

「そうかも知んねぇが……一応、このガントレットと交換しとくか」


 エグラルはガントレットを持ってカウンターへ行き、引換券を店主に渡すと、続けてファルクが短剣を引換券と交換して手に入れた。

 次にメイトが剣。エンジェが弓。クレンがブーメラン。ウルファーがツメ。ノクラーが棍を手に入れた。


「これは……」


 棚を眺めていたフォクサーはある物を見つけて手に持った。


「どうしたフォクサー?」

「これって拳銃じゃないかな?」


 フォクサーが見せたのは、確かに有名な遠距離武器、拳銃だ。


「でも構造がちょっと違う。店主さん、これって?」

「ん? それは魔法銃だ。魔法弾薬を入れて撃つ武器だ。ちなみに魔法弾薬は引き換えの対象外だ。弾は自分の金で買ってくれ」

「そっか。まぁいいや。僕はこれにしよう」


 フォクサーは魔法銃を持ってカウンターに行った。

 あとは俺とアスレルだけか。

 しっかし、満足が行くような武器が見つからねぇ。

 それ以前に俺はどんな武器にしよう?


「ガクラ決まんないの?」

「ああ。まず俺ってどんな武器が似合う?」

「は? アンタ、オールエレメントの時に大剣使ってるんだから大剣で良いじゃない」

「大剣か。確かにそれも悪くないな。で、お前も決まって無ぇ様に見えるが」

「そうなのよね。良い鞭が見つからないのよ」


 アスレルの武器は鞭だ。

 でも鞭って色んな世界でも使う奴少なかったからな。見つけんのは苦労しそうだな。


「ん~……これで良いか?」


 俺は一本の大剣を樽の中から取り出して眺めると、直感でこの大剣にした。他に良いの無さそうだし。


「これかな?」


 アスレルも一本の鞭を棚から取り出すと、軽く引っ張ってその鞭を選んだ。


「二人共選び終わった?」

「ああ、なんとかな」

「待たせたわね」

「全員武器持ったし、早速依頼探しに行くか?」

「そうだな。じゃあ行こうぜ」


――――――――――――――――――――


 ギルドの方に戻った俺達は依頼ボードの前へ行き、張り出されている依頼を見ていた。


「本当に初心者向けの依頼は少ないね」

「真ん中の方に集中してるから、殆ど中級者向けか?」

「じゃあどうするの? 流石にあそこにある依頼をどれかやったら変よね」

「新人冒険者がいきなり中級者向けの依頼を受けたら目立つ。魔王に存在を察知されないためにも、ここは新人向けの依頼を受けるべきだろう」


 ウルファーの言う通りで俺達は頷き、初心者向けの依頼が張り出される依頼ボードの左側に目を向ける。

 ……と言っても、本当に依頼が少ねぇからどれにするか?


「お、これならどうだ?」


 エグラルが指差した依頼に俺達は目を向ける。


『大牙猪の群れの討伐』

「猪? 何かちょっと地味な気がするが……」

「別に良いでしょ派手かどうかなんて。もうこれにしちゃいましょ」

「そうだね。じゃあこれで」


 メイトがその依頼をボードから剥がすと、俺達は受付のカウンターに向かった。


「この依頼を受けたいんだけど」

「はい。大牙猪の群れの討伐依頼ですね。……では依頼を受理します。頑張ってください」

「よし。じゃあ行くか、初依頼」

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