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ドワーフ領⑦

「キングクラブの討伐。依頼の完了を確認しました。お疲れ様です」


 王都に戻った俺達は、依頼の報告をしに冒険者ギルドに行った。


「ところで皆さん大丈夫でしたか? 今王都の近くに一級のアイアンドラゴンが現れたと報告がありましたので。遭遇しませんでしたか?」

「「「「「……いいえ、遭ってません」」」」」


 堂々と嘘をついた俺達はそそくさと冒険者ギルドを後にした。


――――――――――――――――――――


 ガクラ達が冒険者ギルドを出て30分後、ブラーク達が戻ってきてギルドの受付に向かった。


「あ、ブラークさん。アイアンドラゴンの報告ですか?」

「ああ……その前にだ。此処にキングクラブの討伐を終えた五人組の冒険者が来なかったか?」

「キングクラブ……。はい、確かに先程来ましたよ」

「そいつ等は今何処にいる?」

「さぁ? 依頼の報告を終えたらすぐにギルドを出てしまいました」

(遅かったか……)

「どうするブラーク?」

「……まぁ別に良いだろ。アイアンドラゴンの事でギルドマスターと話してぇ」

「分かりました。今お呼びしますね」


 ギルドマスターが来ると、ブラーク達はギルドの一室に入った。


「それで、アイアンドラゴンは討伐出来たのかい?」

「……実はだな、アイアンドラゴンはやっつけたんだが、倒したのは俺達じゃねぇ」

「え? アンタ達じゃ無いのかい?」

「ああ。倒したのは五人組の冒険者だ。ランクは知らねぇが、多分中級冒険者ぐらいの奴等だ」

「五人組……中級冒険者……」


 ギルドマスターが考え込むと、何か思い出した様に口を開く。


「そう言えば数ヶ月前、獣人族領にある町の冒険者ギルドからキングワイバーンを倒したEランクの五人組の冒険者の話を聞いたね」

「Eランクで!? そんぐらいじゃあ二級どころか三級にも苦戦するぞ!?」

「ああ。どうやら俺が思ってるより、あいつ等は強ぇみたいだな」

「本当にその五人組がアイアンドラゴンを倒したんなら、今すぐ探して……」

「いや、待て」


 ギルドマスターが立ち上がろうとするとブラークが止めた。


「あいつ等は多分、目立ちたく無ぇんだろ。だから自分達が倒したって報告しなかったんだ。同じ冒険者として、嫌がる事はしたくはねぇ。というより……あんまり怒らせねぇ方が良いと思うぜ。そんな強ぇ奴等」


 笑みを浮かべながら言うブラークを見て、ギルドマスターは息を呑む。


――――――――――――――――――――


『つまり、最高ランクの冒険者達に一級の魔物を倒した所を見られたと?』

「正確には、その冒険者達の内の一人だけだね。でも間違いなく他の仲間には伝わってると思う」


 王都から離れて、魔物が入って来られないような洞穴の中でクレン達と連絡を取っていた。

 昼間にアイアンドラゴンを倒した所をSSランクの冒険者に見られた所を一応伝えた。


「まぁこの話はもう良いとして、この世界に来てもう半年以上経つが、まさか魔王の『ま』の字も手がかりが無いとは」

「魔王どころか魔族すら見てないもんね」

『こっちもだ。たまに新聞で現れたって記事は見るが、俺達は実際に見てないもんな』

「結構慎重なのね、魔王軍って」

『ただ得意なだけかもな。かくれんぼが』


 ここまで手がかりが見つからないなんて滅多に無ぇな。

 俺達もたまに新聞で魔王軍が現れた記事を見かけるが、魔王軍は突然現れて突然消えるらしいからな。


「……もしかしたら、魔王軍の本拠地は異空間にあるかも知れないね」

『異空間……確かにその線も視野に入れた方が良いね』

『もし本当に異空間だったら探すのは大変だな』


 異空間を探すにはその異空間の出入り口を見つけて、そこから何処に繋がってるのか座標を分析しないといけねぇ。

 異世界と異空間を探すので大変さが結構違うんだよなぁ。


『そう言えば僕達は今日小人族領に入ったけどそっちは?』

「今僕達はドワーフ領で、次は魚人族領に入る予定だよ」

「同じぐらい? いや、少し俺等の方が遅れてるか?」

『遅れていようが無かろうが、今は魔王の情報を集める方が優先だろう』

「それもそうだな」


 調査団の仕事だし、終わらせねぇとライテストに帰れねぇもんな。

 今回の任務は予想以上に骨が折れそうだ。

 通話を切り連絡を終えると、明日までには魚人族領に入るため今日は寝た。

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