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憧れ、付き、従い、乞い、願い、そして。呆気なく殺された。簡単に終わった最初の人生がそこで絶えたのだ。滅ぼされたのだ。それがどの順番でされたのかは、私も、彼らも覚えていない。しかしそれは、確かにあったのだ。あって、そして、故にかも知れないが、私はここにいる。――人類の末裔としして。
世界には悪があった。それを、そのように定めたものに対する者を、ヒトは神と呼び、救いのある朝を願って信じ抗った。しかし。それが強かったから、と言い訳をする者も最早いない。いないのだ。そして彼らは負けて隷属を強いられた。絶対的なそれだ。弱かったから。神と縋る者がいたから耐えたれた。しかしその時になっても、どうしてか彼らを救う者は最期まで応えなかった。神とは。アレはそれではなかったのか。
そうだ、その人類の最期まで。――故に呪う。それしかない。他に魂の救われる途がないのだ。〝神〟を尊称する存在の一切を。私は、それを追い、必ずいつか殺す。これは表現ではない。決定であり、誓う〝絶対〟である。
――この世を一言で表すなら、クソだ。他に呼びようがない。このクソキャラバンがまず持ってクソだ。首領気取りのボンクラが朝の挨を「いいかクソども」から始めるのがクソだ。肥溜めに匂い立つクソの王国がここだ。