一章 依頼
私はごく普通の大学生。
だがそれは表の顔である
私の裏の顔は、そう。殺し屋だ
自慢では無いが実力はそこそこある方だろう。さらにボスは私の父である。
ある日の放課後、私は耳を疑うことになる。
「次のターゲットは、宗也だ」
「え?」
私は思わず聞き返してしまった。
宗也とは、私の小学校からの幼なじみだ。入学時期に家の隣に引っ越してきた。
今でも大学は同じだがあちらは交友関係が広くおまけに顔が良く、周りには常に人がいる。いわば高嶺の花だ。
だから今は接点こそないもののそこそこの感情は持っていたりする
「何度も言わすな、お前も良く知っているだろ、宗也だ」
「それは分かってる。なんで宗也なのかを知りたい」
うちのグループは敵になる人だけを殺すと言うスタンスなのだ。だが宗也は敵になる様子など微塵もない。
「あいつの親はエリートだが、うちの敵グループに陰ながら介入している。そしてあいつはそれに加担しているんだ、それで理由は十分だろう」
「それともなんだ、私情か?殺し屋のお前に?」
「別に…」
私はこの任務を受けるわけにはいかない。なぜなら宗也は…私の好きな人なのだ。幼なじみの時からずっと彼だけを想っているのに。宗也の事を手にかけるなんて出来るわけ無いだろう。
「私は……その任務は受けられない」
「何故だ」
「何故って…こっちにも理由があるの、」
瞬間、私は反射的にナイフを握っていた
実の父の殺気を、本能的に感じ取ってしまった。それはこれまで愛情をくれてきた父とは違う、もっと冷徹で、鋭い。いつもの父じゃない。殺し屋のボスだ。
「お前は、俺が育てた娘だ。だが今ここで殺す事だって出来る」
「後は…そうだな、お前は、もっと自分の心をよく見てみろ」
「決行日は10月16日だ、良いな」
そういって、父は去っていってしまった
少しして震えた手をなんとか抑えてナイフをしまう
どうしよう、このままだと私は宗也を殺さなければならない。
最後に言われた言葉を思い出す。
(このままだと…彼を殺す事に…)瞬間、胸の内で妙な高鳴りを感じてしまった。恋とはちがう、何かを
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