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戦場ヶ原唯一、日本最後の日

異世界行きたい。

クラス転移予定だったのに転生しちゃった。

にしても唯一君は、妄想豊かね·····。

 神はいる。

 それが日本の神なのか、地球の神なのか、異世界の神なのかは明言できないが。

 しかしながら、1つだけなら言えることがある。

 

 神もスマホを持っている。


 


 ······ヴー! ヴー!

 マナーモードにしてあるスマホが振動している。

 まだ寝ていたというのに、これだけのことで起きてしまう。

 健康的でいいと思えばいいのか、私としては首をかしげたいところ。

 けれど起きてしまったからには確認しようと、パターン入力してひらいたスマホの画面を見ると、差出人がスフォリアとなっているメールが届いていた。

 近頃はメッセージアプリが主流となっているため、メールが来たこと自体に驚いてしまった。

 それにしてもスフォリアなんて外国人の知り合いはいないはずだが。

 迷惑メールの可能性はあるが、開くだけなら平気だろうと、本文を確認する。


--------------------

 あなたがもし異世界に行くなら


Q1 転生 or 転移


Q2 転生と答えた方にお聞きします。生まれは村 or 街


Q3 転生時に必要だと思うものを全て書き込んでください。(常識に囚われることなく答えてください)


--------------------


 さすがは神だと感心した。

 いや、まだこれがイタズラの可能性は十分にある。

 しかし私はこれが神からのメールだと考えていた。

 この考えも趣味と同じかもしれないが、少し披露させてもらおう。


 まず時間についてだが、スマホの時計が4時44分で停止している。

 このメールが届いてから本文を読み終わるまでに1分位は確実に経過しているはずだ。

 にも関わらずスマホの時計、部屋に置いてあった腕時計、壁掛け時計の全てに動きがない。

 秒針も44秒で止まっている。

 4を連ねると不吉と言うが、私を殺そうと(・・・・)しているのが分かる。

 そう判断したのにはもう1つ理由がある。

 メールの本文についてだが、転生と転移を選ばせようとしていると見えるが、転移の場合の質問事項が存在しないのだ。

 先程示したメールは本文全てであり、あれ以上の質問事項はないのである。

 明らかに転生を誘っている。

 いや、転生を望んでいる(・・・・・・・・)ことを知られていたわけだ。

 つまりこれは神からのお誘いであり、最初で最後のチャンスということだろう。

 お優しいことに1度殺してくれるから親不孝をしないで済む。

 最も、世間一般で言えば親の死に目に会えないのは親不孝なのだろうが、理由なき失踪である転移に比べればマシだと考えている。

 よってこれを逃す手はない。


 私は転生を選択し、転生先は村を指定した。

 最後の自由記述欄では欲望を曝け出した。

 簡単に説明すると、借り物の力は必要ないが、鍛える時間が人生を超えては意味が無いので、レベルがあるなら上限を無くし、経験値の取得や、スキルの習得に関する制限の撤廃と、難易度の低下を願う。

 おそらく限界突破、経験値取得○倍・スキル経験値○倍、全魔法適性のようなスキルが貰えるだろう。

 念の為にこのような説明も書いておいたから心配ないだろう。

 また寿命は鍛錬の可能性を狭めるため、不老。

 不慮の事故や暗殺で終わるなど勿体ないと、不死。

 不老不死の身で痛みを感じるなど不毛と、痛覚無効を願っておく。

 次は知識を願う。

 スキルを得るにしても取っ掛りが掴めなければ得る努力の仕方が分からないからだ。

 そして知識を受け止めるために頭の出来も変えてもらおうと思う。

 精神性ではなく、演算能力についてだ。

 物語では思考を簡単に分裂させていたりするが、人間が本当の意味で思考を分裂させるには物理的に頭を割るしかないんじゃないかと本気で考えている。

 つまり、イメージ次第でできると言われても、イメージできない可能性が高いのだ。

 努力でどうにもならない所は助けてもらい、貰い物の力は信用できないと、後々ちゃんと恩返しするつもりで今は借りておくつもりである。

 実際に借り物でも慣れればイメージができるはずだからだ。

 創作物は総じて人間模様で人気を得るため、お涙頂戴を演じたり、欠点を乗り越えることを見せ場にしているが、現実において最強じゃない主人公、つまり私は何も成せないで終わるだろう。

 何が起きても解決出来るだけの力を持つことを前提として、私は異世界を自己中心的に生きるつもりなのだ。

 借り物の力で喜び、最終的に取り上げられる。

 それではなんの意味もない。

 私は神に請い願い、神を超えることを宣言する。

 矛盾を飲み込み、そこへ邁進する。

 ここばかりは賭けだ。

 神が人のように他人の発展を疎むならば何らかの落とし穴が待ち受けていることだろう。

 もし神が万物を見守る超然とした存在ならば、この願いは達成させることができるだろう。


 私は後者に賭け、何度も確認し直したメールを、神スフォリアに返信した。

唯一アンケート自由記述


・転生体について·····普通のイケメンにして欲しい。長い生を得るため、それなりに人付き合いもしたいから。


・転生先について·····貧乏でもいいが奴隷だけはやめて欲しい。ほぼ無力な赤子に生まれ、鍛錬の結果で強くなりたいため、それなりに修行しやすい環境であればなおよし。おそらくいるとは思うが、魔物がおり、レベル制の世界に転生させて欲しい。ダンジョンや魔王、魔界や天界、冥界もあると良い。


一部抜粋



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