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色物ギルドの敏腕メイド  作者: 一期崎 レン
4/6

これがうちの敏腕メイド

左肩はまだ治らない

 うちのギルドマスターがいうこと聞かなかったので仕方なくド派手な登場をしたものの、未だに火竜の数が減らない。なんということでしょう。


うちのギルドは強い。とくにアリスは異常だ。「勇者」の「勇気の力」(自分の勇気が強ければ強い程自分のステータスが強くなる)という反則級のスキルと、「制裁の神剣”ヴォーパルソード”」(あらゆるものを両断する神剣)とかいう馬鹿武器が相まって。一騎当千、鎧袖一触といった感じだ。


「わはははははははは!」


アリスは元気だ。定期試験のうっぷん晴らしでもしてるのだろう。

アリスはアホなので意味がわからないほど勇敢。それは蛮勇というのだが、おかげで「勇気の力(チートスキル)」に反映される力も意味がわからないレベルだ。


で、その勇者(アリス)ですら歯が立たなかった魔王(ロリ)は、いくら何でも減らなすぎる火竜に異変を感じ、じっと思案しているようだ。...ぷりんを食べながら。


私も異変を感じている。メイドのスキル「来客把握」(本来はご来訪されたお客様全員の状態を把握する接待スキルなのだが)で全火竜の様子を把握しているのだが、物凄いペースで新しい火竜がやって来る。


「魔王様、これは何者かが火竜を召喚して王都(ルシオール)にけしかけていると愚考いたします。」

「おおかたそれであたりじゃろう。」


ぷりんを食べ終わった魔王がこちらに向き直る。


「例のダンジョンですか。」

「うむ。」

「.........」

「.........」

「しかしこれだけの数となると...。」


火竜クラスの召喚ともなれば並みの召喚士が5人はいるだろう。

それをこの数だ。ちょっと想像がつかない。


「われでもふかのうじゃ。」

「ま、魔王様でも!?」


じゃあ一体誰が...


「ぼうそうまほうじんじゃ。」

「暴走魔方陣?」

「つまり。だんじょんのなかのしょうかんまほうじんがこわれたのじゃ。」


ダンジョンには大地の魔力を動力とした召喚魔方陣がある。それがなんらかの理由で誤作動を起こしたのだという。


ダンジョンに関しては人間である私たちよりも魔王のほうが詳しいだろう。

信頼できる情報だ。


「われのまほうでだんじょんごとけしてもよいのだが...それはにんげんにとってふつごうなのだろう?」

「大丈夫ですよ魔王様。魔王様の手を煩わせるまでもありません。」


私は魔王に跪く。


「この私におまかせください。」



 みんながドラゴンを食い止めている隙にダンジョンへ向かう。メイドのスキル「沈黙」は本来ご主人様のおそばでお控えしている時に、気配を薄くしてご主人様の気を煩わせないためのものなのだが、隠密行動の際に使える。


私が魔王様から賜ったのは「暴走魔方陣の正常化」。魔王様直筆の強力な正常化印を預かっているのでこれを魔方陣に貼ればいいそうだ。


「沈黙」スキルの効果は絶対ではない。私はダンジョンへ向かってあえて森の中を全速力で走った。


私の仕事はほかにもある。まだ買い出しも終わっていないし、お風呂のご用意もまだだし、夕飯のご用意もしなければならない。

すべてを迅速かつ完璧にこなさなければならない。イレギュラーなど関係ないのだ。


ダンジョンの入り口付近に到達。入り口は大きく崩壊していて、あたらしくできた穴から火竜がぞろぞろ這い出している。


私は先ほどの戦闘で火竜の翼膜を破壊し続けていたが、『偉大なる討伐者(グランドバスター)』のような、ウロコをどうこうできるほどの攻撃手段は持ち合わせていない。『セインツシールド』のような防御手段もない。万が一見つかればここから逃げざるを得ない。


幸い、火竜たちはみな興奮しているようで、私には目もくれない。私は物陰伝いにダンジョン内を進んでいく。入り口のところだけすこし危なかったが入り組んだダンジョン内部なら意外と行ける。


しばらく行くと、火竜たちがぞろぞろ出てくる部屋の前に辿り着いた。


(ここか…)


ここへの侵入は気づかれずに行きそうにない。竜は感覚が鋭く本来ならすでに見つかっていてもおかしくないのだ。


電撃作戦だ!メイドのスキル「迅速」!本来なら多すぎる仕事を高速で片付けるためのスキルなのだがまあいい!


部屋に突入して火竜たちを躱しながらその奥へ!!


「ゴアアアアアアアアアアアア!!!」


あった!あれだ!

暗い赤で光る大きな召喚魔方陣!


魔王様に預かった正常化印を魔方陣の中央に貼り付ける!


...しかし何も起こらない...そこで私は初めてこの魔方陣の異質さに気づいた。


「これは...一体...」


魔方陣は様々な図形と魔方文字で描かれるのだが、これは私の知る魔法文字ではない。


「0と...1...?」


不規則に…いや、もしかしたら規則性があるのかもしれない。


数字の0と1だけで魔法文字を置換しているのか?


火竜たちは私が召喚魔方陣の上にいるせいで攻撃できないようだ。


と、私は魔方陣の近くに倒れている人影に気付く。


「!?どうしてこんなところに人が!?まさか術者!?」


その人に駆け寄る。私やアリスと同じくらいの少女だ。まだ息はあるようだが気絶している。


この子の保護もした方がいいだろう。でもひとまず魔方陣を止めなければ…


やむを得ず私は魔方陣の一部をナイフで消した。

次回に続く(当たり前)

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