伝説の勇者(アホ)と魔王(ロリ)と毛玉(毛玉)
前書き20,000字まで書けるみたいだから埋めてやろうかと思ったけどめんどくさいのでやめた。
拙くてしょうもなくてつまんない(自分で言っててつらくなってきた笑)ですけどどうぞ、暇つぶしにでも…
「アリス様。起きてください。学院に遅刻しますよ。」
ここはギルド「トランプ・バンケット」の拠点。私はこのギルドでメイドを勤めている。
「ふぁ...あと五分...」
そう言ってベッドに引きこもる金髪ロングの美少女は、「トランプ・バンケット 」のギルドマスターにして、魔王軍との決着をつけた伝説の勇者「アリス」。私と同い年なのに凄い経歴だ。
「今日は学院で定期試験があるのでしょう?ほら早く起きて...くだ...さいっ!」
がばっと無慈悲に布団を剝がす。
「あううぅぅぅぅ...」
うちのギルドマスターはスタイルもいい。出るとこ出ている細くしなやかな肢体があらわになる。
昨日遅くまで勉強していたのだろう。机の上に広がる教科s...ん?
「アリス様。一夜漬けすらされていないのですか?」
「.........」
アリスが「ぎくっ!」と体を震わせる。
教科書の横に広げられたノートには見事な絵が描かれている。実に見事だ。これは相当な時間をかけて描き込んである。
「.........」
「.........」
窓の外から、鳥のさえずりと、遠くの朝市の賑わいが小さく聞こえる。
「...朝食は既にご用意しております。」
「うわあああああん!!!!!!たすけてええええええええ!!!!!!」
...うちの勇者はアホである。
半泣きのアリスに朝食を食べさせる。アリスは職業が「勇者」であること以外はただの(ちょっとアホな)女の子だ。職業というのはその名の通り職業である。すべての人に何らかの職業の適性があり、教会で授かることができる。「勇者」は勇敢な者しか授かれない職業なのだが、「勇敢」と「蛮勇」は違う。今の彼女には「蛮勇」という言葉が似合う。
「なんか!なんかできる気がしてきたよ!」
さっきまでの半泣きはどこに行ったのか、朝食を食べ終え目を輝かせるアリス。ちなみに完全ノー勉である。「勇者」というより「愚者」である。
「おろかものめ、けっきょくべんきょうしとらんのか。」
「魔王様、おはようございます。」
アリスがもたもたしていると魔王(ロリ)が起きてきた。魔王(ロリ)はれっきとした「トランプ・バンケット」の一員である。
黒髪ショートのロリっ子だ。
もう一度言う。黒髪ショートのロリっ子である。
「大丈夫!私は伝説の勇者だよ?定期試験なんてこれまでの戦いに比べればなんてことないよ!」
「ふん。われとのたたかいではてもあしもでなかったくせに。」
魔王(ロリ)は4代目の魔王で、初代魔王「魔神」を凌ぐともいわれる歴代最強の魔王(ロリ)だ。ロリだけど。
そんな最強ロリ魔王(ロリ)に、アリスたちのパーティは手も足もでなかったのだが、アリスのとっさの機転により、今はアリスの使い魔となっている。魔王(ロリ)が甘いもの大好きなロリであったが故の奇跡である。
「魔王様、ご朝食はいかがなさいますか?」
「そうじゃな。ぷりんがよいぞ。」
「いけませんよ魔王様。ぷりんだけではいけません。パンと目玉焼きとサラダもご用意いたします。」
「むぅ...やむをえんか。」
うちの魔王は聞き分けがいい。おりこうだ。
うちの勇者にも見習っていただきたい。
「いってきまーす!」
「うむ。」
「いってらっしゃいませ。アリス様。」
学院へと走る勇者の背中は自信なさげだったが、勇気(蛮勇)に満ちあふれていた。
アリスを見送った後、食堂に戻ると、魔王(ロリ)はもう朝食を平らげていて、ぷりんを今か今かと待っている様子だった。
「あのぶんじゃとこんかいもまたあかてんじゃろうな。(笑)」
「残念ながら。(笑)」
「デザートお持ちしますね。」
「うむ。」
食器を下げたあと、魔王(ロリ)にデザートを出す。
「お、おいめいど...こ、これはなんのつもりだ??」
魔王(ロリ)が青ざめる。無理もない。魔王(ロリ)の天敵「にんじん」をまるまる一本お出ししたのだから。
「魔王様、お皿に闇魔法の痕跡がありました。またにんじんに『消滅』を使われたのでしょう?」
「はうっ!?」
魔王(ロリ)がカタカタと震えだす。この魔王(ロリ)はまだおこちゃまで、隙あらば苦手な食べ物を闇魔法で消し去ろうとする。
「魔王様、好き嫌いはいけませんよ?」
「な、なんのことじゃ?」
「まだすっとぼっけるおつもりですか。では今日のぷりんは抜きにします。」
「ふにゃあっ!?」
魔王(ロリ)がこの世のものとは思えない絶望の顔をする。
「ま、まて!わらわが『ばにっしゅ』をつかったしょうこがないであろう!」
「『魔法逆探知』!」
「ふぎゃあ!!」
魔王(ロリ)の上に刻印が現れる。「戦闘メイド」のスキル『魔法逆探知』は魔法の痕跡からその使用者を見つけることができる。ばっちり魔王(ロリ)が犯人である。
「どうしてにんじんを消滅させたのですか?」
「うぅ...だって...だってぇ...」
魔王(ロリ)は目を合わせず顔をうつむいている。可愛い。
「そのにんじんを食べきるまで一生ぷりん抜きですからね。」
「な、なんじゃと!?」
魔王(ロリ)が絶望の色をあらわにする。そんな顔したって無駄だ。食べ物を粗末にするような大人に育ってもらっては困る。
「くっ…」
ドウッ!という音と共に魔王(ロリ)の目が赤く染まり、背後に禍々しい紋章が現れる。
「魔王の警戒紋」だ。すなわち「魔王(ロリ)(おこ)」である。
「けいやくいはんだ!ぷりんがたべれないならこのせかいごとほろぼすぞ!」
「どうぞご自由に。まあ魔王様はご自分ではぷりん作れない様なので二度とぷりん食べれなくなりますけど。」
「あううっ!」
「魔王の警戒紋」が消えて半泣き魔王(ロリ)になる。この魔王(ロリ)はかなりちょろい。
「うううううううぅ...」
泣きながらにんじんをかじり始める魔王(ロリ)。かなり可愛い。
うちの魔王はおりこうだ。
魔王(ロリ)がにんじんをかじってるうちに洗濯をする。
「トランプ・バンケット」は構成人員わずか7名と1匹の小規模ギルドなので、洗濯物はそんなに多くない。
「もきゅ!」
洗濯かごの陰からリンゴくらいの大きさの白い毛玉がぴょこんと出てくる。
「まりお様。おはようございます。」
「もきゅ!」
この謎の生物は勇者のペットの「まりお」。正体不明の生物で、わかっていることは「もきゅもきゅ」という鳴き声が可愛い、ということだけである。
まりおが私の肩に乗ってくる。可愛い。
ギルドの他のメンバーは朝早くからダンジョンに向かった。なんでも駆け出しの冒険者向けのダンジョンに危険なモンスターが住み着いたらしく、ギルド連合から緊急の討伐依頼が出ていたそうだ。
洗濯を終えて食堂に戻ると、にんじんをどうにか食べ終えた魔王(ロリ)が食卓に突っ伏していた。
魔法の痕跡は無い。よく頑張ったえらいえらい。
「魔王様、お待たせしましたデザートのぷりんでございます。」
「ぷりん!!!」
目を輝かせてぷりんを頬張る魔王(ロリ)はなんともほほえましかった。
今回の訓示
「にんじんは消滅させない」