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誘われしダンジョンマスター  作者: 北のシロクマ
第2章:ダンジョンバトル
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新たな眷族

6月15日

リゼットの眷族の名前がユウスケになってたので、ユウジに変更しました。

「そ、そんな殺生な!」


「いや、全然殺生じゃないから。寧ろドローンを没収するだけの措置の方が甘いでしょ」

 

 今言った通り、昨日アイカのドローンが私を観察……というか盗聴盗撮を行ってた事に対するペナルティとして、ドローンを一時的に没収する事にした。

 アイカは反発したけど、私としては寛大な措置だと思うんだけどね。


「というかDP(ダンジョンポイント)の無駄遣いでしょ。まったく、何だってこんな物を……」


 聞けば100万ポイントのDPを必要とする為に、アンジェラに相当負担をかけたみたいだし、あんまりコキつかうのは可哀想よ。


「でも美味しそうにマナポーションを飲んでましたよ?」


 マナポーション……MPを回復する為に必要なポーションで、これを飲むとMPが回復する有り難いアイテムである。


「そりゃMPが枯渇したら、マナを体内に取り込むための欲求が発生するから当然よ」


 多分、現代サラリーマンが栄養ドリンクを美味しそうに飲んでるのと一緒じゃないかと思うわ。


 そういえば、リゼットとモルデナさんにも一言言ってやらなきゃ! ……と思ってたら、昨日の夜にモルデナさんがひょっこり現れたのよ。

 不戦敗とはいえ私の負けだから、ペナルティは何が良いですか? とかふざけた事を言ってきた。

 そりゃ覚えてますよ? 負けたら何かしなくちゃならないって。

中でも一番面倒くさいのは、邪神レグリアスの手伝いらしいけど、そんな事をするつもりはない。

 だからペナルティは無しになった。

何故無しになったのか……答えは簡単、モルデナさんに私を覗き見してた事をレグリアスに報告するって言ったら、全力で【それだけはヤメテ! 何でもしますから!】と言われたので、昨日の事を忘れてもらいました……っと。

 本当は何でもしますって言うからレグリアスの手伝いでもさせようと思ったんだけどね。 でもそれだと私にメリットが一切無いから却下した。

 これにてモルデナさんとのやり取りは終了!


 ……となったけど、そうするとリゼットとも話をつけなきゃならないわね…………よし、後でリゼットのダンジョンに乗り込んでお話ししよう、そうしよう。



「そんな事よりもお姉様、わたくしとしては、眷族(けんぞく)の増員を要望します」


 眷族の増員? 増員する必要性は感じないんだけど……。


「昨日のように、お姉様と多数の眷族がダンジョンを留守にする事態が発生するのは、防衛上良くありません」


 ……確かに。

昨日は慌ててたとはいえ、4人の眷族を連れ出したのよね。

今後の事を考えればもっと眷族が居てもいいのかもしれない。


「分かった。ここはアイカの助言を受けて、新しくモンスターを召喚してみるわ」


「宜しいかと思います、お姉様」


 召喚方法はランダム召喚で行う事にした。

そっちの方が面白そうだし。

回数は……10回もやれば充分足りるでしょ。


「畏まりました。ではランダム召喚発動!」


 アイカが叫ぶと、眩い光と共に以前見たのと同様の魔法陣が私達の前に出現し、その中にモンスターのシルエットが次々に浮かび上がる。

 やがて光が収まると、10体すべてのモンスターの召喚が完了していた。

 さてさて、どんなモンスターが召喚されたのか順番に見てみよう。




・スライム Fランク


 スライムは毎回召喚する度に見るような気がするんだけど、秘かに出現しやすいとか有るんじゃないだろうか?

でも、ダンジョン通信の情報だと一番出現しやすいのはGランクのクロコゲ虫だったから、私だけかもね。



・グリーンウルフ Fランク


 クロよりも2ランク落ちるウルフか……適当に森林エリアに放っておこう。

 そうだ、クロと言えば、ブラックウルフからマットブラックウルフに進化したのよ!

日頃からモフモフ達の訓練を受けてるからね。

 ……って言ったらクロが遠い目をしたんだけど、何か有ったんだろうか?



・ラウンドトード Eランク


 水陸両用の蛙モンスターね。

配置するならやっぱり沼地が適切かな?

沼地エリアのリザードマン達と一緒にしとこう。



・クラッシュベア Eランク


 森の奥に住んでいる凶暴な熊ね。

近くで見ると、中々の威圧感があって強そうに見えるけど、これでもゴブリンナイトと同じくらいの強さしか無いから眷族には向かないか。



・ブレイブガゼル Dランク


 身体強化のスキルを持ってる鹿だった筈。

その身体強化をした状態で突進されると大変危険よ。

 地球基準で言うと、軽乗用車で突っ込まれるくらいの威力があるわ。

 眷族にするかは一旦保留にしとこう。



・ブルーウルフ Dランク


 ウルフ系で唯一水中で活動する事が出来るモンスターよ。

もし眷族にしたら、クロがもう1体増えるような感じかな?

 このモンスターも保留ね。



・ワイバーン Cランク


 言わずと知れた飛竜ね。

それほど強くはないんだけども、上空にいるから普通の冒険者や兵士にとっては弓矢で射るか、魔法で撃ち落とすかのどちらかしかないからランクが高いのよ。

 眷族候補としては有りだけど、せめて飛行タイプならホーク以上の強さが望ましいから、眷族にするのは微妙ね。



・シルバーウルフ Cランク


 クロよりも上位のウルフね。

何となく狐っぽく見えるのは気のせい? まぁいいや。

賢そうだし、シルバーウルフは眷族にしよう。



・オリハルコンゴーレム SS(ダブル)ランク


 まーーたトンでもないモンスターが……。

もう何も言わない、眷族確定!



・リヴァイアサン SSS(トリプル)ランク


 ……眷族確定。



「また豪勢な顔ぶれですね。SS(ダブル)ランクの眷族が1体に、SSS(トリプル)ランクの眷族が1体ですよ。もうお姉様に勝てるダンマスは正直居ないと思います。万が一勇者が襲ってきても大丈夫でしょうね。それどころか、眷族達によって勇者が集団リンチに遭うでしょう」


 そうかもしれないけど、防衛力が高いに越した事ないわ。

万が一が起こってからじゃ遅いからね。


「じゃあさっそく名前をつけなきゃね」


「くれぐれもダサい名前は止めて下さいね? このダンジョンの評価にも影響されるかもしれないので。特にお姉様の場合は安直なネーミングが多いですからね」


 失礼な!


「私がいつダサい名前を付けたってのよ!? いい加減な事言ったら訴えるわよ!」


「どこに訴えるんですか……」


 アイカはほっといて名前を考えよう。

 まずシルバーウルフは……うん!


「シルバーウルフはギンにするわ!」


「やっぱり安直じゃないですか……」


 いいのよ、分かり易いのが一番、安直上等よ。

 だいたいモフモフ達も同じように付けたんだし今更だわ。


 さ、この調子で次はオリハルコンゴーレムの名付けよ。

 ……ハルコは……さすがに無いか……。

コンゴーは……金剛みたいね……。

ならやっぱり……これね!


「オリハルコンゴーレムはルーにするわ!」


「左様で」


 反応が薄いわねぇ。

そんなに悪くないと思うんだけど。


「アイカなら何て名前にする?」


「わたくしが決めていいんですか? わたくしならコンソメパンチにしますね」


 それは現在進行形でアイカが食べてるポテトチップスの味でしょ……。


「……やっぱりルーに決定ね」


 私のネーミングが安直だってバカにしといて自分はコンソメパンチとか……。

 これじゃアイカも私の事言えないじゃない。


「お姉様! コンソメパンチのどこがいけないのですか!?」


「全てよ! なんで食べ物の味を名前にするのよ! 可哀想だから無しよ!」


「そんなの横暴です! 訴えますよ!?」


「どこに訴えるのよ……」


 もう……こんな事やってたら日が暮れちゃうじゃない……。

さっさと次も決めるわよ。


「最後はリヴァイアサンね」


 んーーーと、イアンは……慰安っぽいから抵抗があるわね。

なら、アサン……いや、ヴァサン。

婆さんっぽいから却下ね。

 となると……これしかないわね。


「決めた。リヴァイにしよう」


「………………」


 分かってるわよ、言いたい事は。

安直だって言いたいんでしょ。

でもこれでいいのよ、シンプル・イズ・ベストってね。


「新しい眷族達の名前も決まったし、私はリゼットのダンジョンに行ってくるわ。アイカは彼等を他の眷族達に紹介しといてね」


「了解しました」


 リゼットに私のプライベートを覗いた罰を与えてやらないとね!



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「到着……っと」


 座標転移(ハザードワープ)だから一瞬でリゼットのダンジョンに来れたわ。

さて、リゼットは…………居ないわね。

 どうやらコアルームには居ないようだ。

どこかにお出掛けしたんだろうか?


「む? そこに居るのは……確かアイリ殿だったか?」


 あ、眷族のユウスケだ。

ちょうどいいからユウスケに聞いてみよう。


「リゼットに会いに来たんだけど、お出掛け中なの?」


「いや、マスターなら昼寝中だ。ちなみに自分の名前はユウスケじゃなくてユウジだ」


 あ、そうか、ユウスケはシーラの眷族だったわ……というか、まさか同じモンスターを眷族にしてるのは驚いたわね、しかも名前まで似てるし。

 ……って、それはいいとして昼寝中かぁ。

でも出直してくるのも面倒だから起こしちゃおう。


「寝室はどこ?」


「寝室ならすぐそこの扉だ……ちょ、ちょっと待った! まさかマスターを起こす気か!?」


 随分慌ててるけど何かマズイのかな?

私としては、ちょっと懲らしめたらすぐにでも帰るつもりなんだけど。


「マスターは寝顔を見られるのを大変嫌がるのだ。この前もうっかり起きる直前に入ってしまって、酷い目にあったのだ……」


 ほうほう成る程。

リゼットは寝顔を見られるのが嫌なのね。

 なら好都合だわ、リゼットの寝顔を写メで保存してやろう。


「安心してちょうだい。ユウジが寝室を教えたって事は言わないから。寧ろ私を見なかった事にしといて」


「うむむむ……よく分からんが、自分はアイリ殿を見なかった事にした方が良さそうだ」


 これでOK。

 さっそくリゼットの寝顔の撮影会と行きましょ!






「(皆さんこんにちは。私は今、リゼットの枕元に来ています)」


 起きないように小声で喋るのは、案外疲れるわね……。

でも、その苦労が報われようとしてるのよ。

まだ起きる素振りを見せないリゼットの寝顔を……、


「(……はい、チーズ♪)」


 パシャ!


「(念の為にもう数回撮っとこう)」

  

 パシャパシャパシャ!


 これでよし。

後はリゼットわ起こして……、


「リゼット起きなさい。ほーら!」


 リゼットの頬をペチペチと叩くと、目を擦りながらゆっくりと起き上がった。


「……なーーにぃ?」


 まだ寝ぼけてるわね……ならば!



 スパーーーン!



「いっっったーーーーーーい!!」


 アイテムボックスから取り出した突っ込み用のハリセンでぶっ叩いた。

元々は対アイカ用のハリセンだけど、思わぬところで役に立ったわ。


「ア、アイリ、あんたいつの間に! というか何で叩くのよ!」


 おやおやぁ? しらばっくれるつもりですかぁ?


「惚けても無駄よ。アイカを締め上げて全部吐かせたから。だから観念しなさい、覗き魔リゼット!」


「だ、誰が覗き魔よ! 私はあんたの妹に(そそのか)されたのよ、寧ろ巻き込まれた側よ! だいたいそれ言ったらアイリはどうなんのよ! ダンジョンマスターがシャンデルに抱きつくものだって、デタラメな事言ってたじゃない!」


 ぐぬぬぬ……痛いトコを突いてくるわね。


「ならコレでどう? リゼットの寝顔を撮影した画像よ! 拡散されたくなかったら観念しなさい!」


「ちょ! あんたいつの間にぃ!」


 フフン、正義は最後に勝つのよ!

 そして正義は私に有る!


「それなら私はコレよ。シャンデルに抱きついたアイリの画像よ! 私の画像をばら蒔いたら、あんたの画像もばら蒔くからね!」


 な、なんて事なの! 私を撮影したのは間違いなくアイカよ! まさかアイカのせいで足元を(すく)われる事になるなんて!

コレじゃ双方共に大ダメージよ。

仕方ないから今回は引き分けって事にしよう。


「……ど、どうやら決着はつかないようね」


「そうね。私としては、寝起き直後に何でこんな事してるのか分からないけどね」


「それはまぁ、悪かったわ。……とりあえずここで有った事はお互い忘れるって事で」


「それでいいわ。じゃあこの画像「マスター、昼食の時間になりましたが……」






「「見ぃ~たぁ~なぁ~?」」


「ヒィィィィィ!」


 まさかこれほど早く第3者に画像を見られる事になるとは思わなかった。

私としてはすぐにでも忘れたかったのに……。


「リゼット、私は帰るから、ユウスケ……じゃなかった、ユウジの処遇は任せるわ」


「うん、任せといて。()()()に忘れさせるから」


 うん、安心した。

 そして安心したら、お腹が空いてきたからダンジョンに戻って昼食にしよう。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「ただいま~」


 コアルームに戻ると、既にアイカと眷族達が昼食を前に手をつけずにいた。

 何故……と思ったところで違和感に気付いた。

違和感の原因は複数有って、まず1つ目は、いつの間にか初老の執事が出現してた事!

執事を雇った覚えがないだけに混乱しそうになったけど、その執事が私の前で頭を下げた。


「お帰りなさいませ、アイリ様。本日からこのダンジョンでお世話になります、リヴァイアサンのリヴァイで御座います。どうぞお見知り置きを」


 悪魔族のミゴルさんに匹敵するような渋いおじ様な感じの執事が、まさかのリヴァイアサンの人化した姿だった。

 リヴァイの挨拶の後、他の眷族達も続いた。


「お帰りなさいませ、お姉様」

「お帰りじゃ、(しゅ)よ」

「お帰りなさいやせ、姉御」

「……お帰りなさい、マスター」


 そして第2の違和感が、見た事ない金髪の少女……というか幼女よ。

この子にマスターと呼ばれてしまったけど、アイカ達の知り合い? ……な訳はないとおもうんだけど。


「お帰りだどぉ、アイリ様」

「お帰りである、(あるじ)よ」

「お帰りなさいッス、姉貴」

「お帰りなさいませ、アイリ様」


 最後に第3の違和感がこちら、見知らぬ銀髪美人さんよ。

見た目は着物を着た淑女に見えるわね。

 そして私が席に着いたところで、リヴァイの音頭により眷族達の昼食が開始された。

 そして昼食の場を利用して、幼女と淑女の自己紹介が始まった。


「アイリ様、本日召喚していただいた、シルバーウルフのギンで御座います。何卒良しなに」


 なんとビックリ! 銀髪美人さんはシルバーウルフの人化した姿だった。

リヴァイアサンのようなモンスターなら人化出来ても不思議に思わないけど、Cランクのシルバーウルフが人化出来るとは思わなかった。


「うん。宜しくね、ギン。それにしてもシルバーウルフって人化出来たのね」


「はい。わたくしのようなウルフ系の魔物は、Cランク以上になると人化出来るようになるのです」


 へーーぇ、それは面白い情報だわ。

もしかしたらクロも何れは人化出来るようになるかもね。


 さ、シルバーウルフのギンの自己紹介が終わったところで、次は金髪幼女の方ね。


「マスター。今日眷族にしていただいた、オリハルコンゴーレムのルーです」


「ああ、オリハルコンゴーレムのルーね。これから宜しくね」


「イェス、マスター」


 これで違和感は全て解消されたわ。

これからは益々賑やかで楽しくなりそうね。


「でも驚いたわ、オリハルコンゴーレムまで人化出来るなんてね」


「お褒めいただき感激です。ルーは褒めると延びる子なので、もっと褒めてください」


 なんか表情が眠そうに見えるけど、生まれつきなのかしらね?

それともゴーレムだからなのかな……。


「あのぉ、お姉様。一応言っておきますが、ゴーレム系のモンスターには人化するスキルは備わってませんよ」


 そうなんだ、さすがダンジョンコアなだけあって、アイカは詳しいわね。 


 …。

 

 ……。


 ………。


 …………。


 ……………。


 ………………。


 え? オリハルコンゴーレムって人化出来るんじゃなかったの!?

 ならなんで……、


 ……ああ! 成る程、そういう事か。

人化の指輪なら誰でも人間になれるものね。


「アイカ。アンタがDPで召喚したのね? まったく、すぐ無駄遣いするんだから……」


 いい加減、節約させる方法を模索した方がいいかもしれないわね。


「違いますお姉様。人化の指輪はDPでは召喚出来ません」


 え!? DPで召喚出来ないなら、なんでこの子が持ってるの?

 疑問に思ってるとアンジェラが……、


(しゅ)よ……」


 クィ、クィ、っと指で後ろを指してるので、後ろを振り向くと、部屋の隅に人化が解けているホークが、ボロ雑巾みたいな状態で転がっていた。

 そういえば今日はやけに静かだなと思ったら、こんなところに居たんだ。


「……誰かと喧嘩でもしたの?」


「まぁ……喧嘩と言えなくもないが、一方的だったのぅ」


 アンジェラによると、ホークは一方的にやられたらしい。

 って、そもそもホークが一方的って、相手は限られてくるじゃない。

 考えられるのは、レイク、モフモフ、アンジェラくらいだし……あ、リヴァイもか。




 ……いや、もう1人居たわ、今日眷族にしたばかりのオリハルコンゴーレム。

そう思ってルーの方を見ると、顔をコテンと傾けて「なーに?」って顔をしてた。

その様子はちょっと可愛いけど、どうしても確認しなければならない事がある。


「ねぇ、正直に答えてほしいんだけど、ルーがアレ(ホーク)をやったの?」


 私はホークを指さして聞いてみた。


「イェス、マスター。あいにくと交渉が難航してしまいまして、不本意ながらあの様な形(ボロ雑巾)になりました」


 もう1度ホークの方を見る。

ピクピクと動いてるようだから、一応生きてるようだけど、一体何の交渉をしたのか……って、言うまでもなく人化の指輪ね。


「つまり、ホークから無理矢理奪ったという事になるけど、合ってる?」


「マスター、それは違います。私は平和的に交渉をするつもりでしたが、相手が交渉の場に着こうとしなかったのです。その結果、力を用いて相手を交渉の場に着かせたのですが、既に意識不明となっており、交渉不可という事で私が預かる事になりました」


 うん、もっともらしい事を言ってるけど、結局はホークから奪ったという事ね。


「うん、よく分かった。ホークが目を覚ましたらちゃんと返してあげなさい」


「え!?」


 え!? じゃないでしょ、え!? じゃ。


「ホークから預かってるだけなら、返してあげるのが当たり前でしょ?」


「ノー、マスター。ある偉大な人が言った言葉がある。【お前の物は俺の物、俺の物も俺の物】という言葉。とても魂がこもってる」


 いやいや、それはリスペクトしちゃいけない言葉よ。


「兎に角、ホークが起きたらキチンと話し合う事」


 問題はホークがいつ起きるか分かんない事かな……。


ホーク「ワイを無視するたぁ酷いやないかい!」

アイカ「いえ、静かで良いかと」



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