街を紹介しよう
「では続きまして街のレポート……と行きたいところですが、折角コアルームまで来たので、こちらの解説もさせていただきまーーす!」
倉庫 セレンの部屋
┃ ┃
トイレ╋浴室 空╋━アイリの寝室
┃ ┃
出入口━╋━談話室━╋━ダンジョンコア
┃ ┃ (茶の間)
眷族部屋━╋━眷族 空╋━アイカの寝室
┃ 部屋 ┃
眷族部屋━╋━眷族 アンジェラ部屋
┃ 部屋
眷族部屋
「大雑把に書くと、こんな感じになります。尚、今後眷族が増えたりすると、変わる可能性があるそうです。ではさっそく寝「一応言っとくけど、私の寝室を撮ったらブチ〇すからね?」
「……あのー、わたくしも一応は女ですので、それで何とか「ダメ!!」……チッ!」
「今舌打ちしなかった?」
「いえいえ、そんな事は御座いません。では他の部屋を見てみましょう。各眷族達に部屋が割り当てられてますね。見たところ、キチンと男女に別れてるようです」
「まぁ一応ね。眷族達は男女混合でもいいって言ってたけど、私が気にするし」
「ほほぅ、あまり贅沢を言わない眷族達なのですね……では続いてこちらはトイレが…………あの、これって本当にトイレなんですか? 見たことがない椅子が置いてあるんですが……」
「勿論、ちゃんとしたトイレよ。今から説明してあげるわ」
「分かりました。わたくしが実際に使ってみますね……って事でスタッフさん、撮ったらマジで〇すからね?」
「まずはそこに腰掛けて……あー違う違う、まず蓋を上げて……そうそう、そしてそこに座るの。で、用が済んだら右下にあるスイッチを押してみて」
「はい……んっくぅぅ! こ、これはなんというか、恥ずかしさと気持ちよさの絶妙なコラボレーションですね!」
「はいはい。洗浄が済んだら、左横にある紙を使って拭いてね」
「えっと、この紙ってお高いんじゃないですか?」
「大丈夫よ。1個1ポイントで召喚出来るから」
「……マジですか?」
「マジよ。最後に後ろのレバーを引いて、水を流して終わりね」
「す、凄いですね! こんなトイレ、上級貴族ですら持ってませんよ!」
ま、持ってるとすれば転生者か転移者しかいないわね。
「では向かいの浴室を……おおっ! これまた見た事がない浴室ですね!」
「さすがに入浴する時間はないからね?」
「分かってますとも。では次は……っと、ここは談話室ですか?」
「そうよ。眷族達がテレビを見ながら自由に寛いでる場所ね」
「そのテレビというのは……あっ、あのデカイ板みたいなやつですか?」
「そうよ。これで好きな番組を見れるのよ、こんな感じにね」
スイッチON……っと。
どうやら今は昼ドラをやってるみたいね。
『ピンコさん、床が汚れてますわよ!』
『す、すみません、すぐに拭きます』
『ピンコさん、この食器も汚れてるじゃありませんか、不衛生ですよまったく!』
『す、すみません、すぐに洗います』
『ピンコさん、ジャガイモの芽が付いてますよ、何故キチンと取り除かないのですか!』
『す、すみません、それはわざとです』
『本当に貴女という人は……』
「ほーーぅ、板の中で人が喋ってますね! これがテレビという物なのですか」
「ここでしか見れないけどね」
「出来ればわたくしも少し見ていたいのですが、スタッフさんが次に行けとうるさいので次に行きます。では、いよいよ5階層の街に潜入レポートを行いまーす!」
街の中にある施設
道具屋
武器屋
防具屋
薬屋
宿屋
温泉
図書館
飲食店
城
公園
交番
スポーツジム
ゲームセンター
遊園地
カジノ
冒険者ギルド←誘致検討中
道具屋
一般的な雑貨から見たことが無いアイテムまで、様々な物が並んでます。
例えばこれ、ライターという物らしいのですが、簡単に火が着くとの事ですが……はい、ここを擦るように……「シュボッ」おお! 簡単に火が点きました!
なんだか珍しいアイテムのようですが……お高いんでしょう?
……えっ、DP30で召喚可能!? だから高く設定しないと!?
凄いです! これは是非ともお土産に……っと、取材中でした、失礼。
武器屋
普通の武器からエンチャントされた武器まで色々有ります。
さすがにエンチャントされた物は高くなるそうです。
まぁ当然ですね。
目新しい武器は置いてないようですね。
あのアイテムを見た後なので、少々期待してたのですが……はい? ああ成る程、外に出回ると危険だから置いてないんですね。
……という事は本当なら有るという事で? ……やっぱり有るんですか、でも販売予定は無いと? ……ですよねぇ。
防具屋
ここも武器屋と同じような感じですね。
同様にエンチャント防具は高いそうです。
ん? これは何ですか?
……ほうほう、防犯ブザーというアイテムですか。
身に危険が迫った時にボタンを押すと……「ビービービー!」っ! ……ビックリしました!
このように大きな音を出すアイテムです。
ちなみにこのアイテムには通常タイプとエンチャントタイプが有り、通常タイプは手動で、エンチャントタイプは自動だという事です。
薬屋
下級ポーションから上級ポーション、風邪薬等が有ります。
ん? この黒い塊は……ウ〇コ? あ、いやいや失礼しました、ウコンと書いてありますね。
……で、何ですかこれ? ……あー成る程、二日酔いに効果がある薬なんですね。
他にもダイエット効果のある物も有るらしいので、わたくしも時間が有る時に見てみたいものです。
宿屋と温泉
宿屋と温泉がセットになってます。
客室にも浴槽は有るんですが、やはりここは温泉を堪能するのがセオリーでしょう。
そもそも温泉って限られた場所にしかなくって、有名な所だと遥か東の島国のダンノーラ帝国に有るらしいのですが、わたくし見た事はありません。
え? いや、さすがに女湯を撮影するのはどうかと……お色気シーンが欲しいからわたくしが入って? って嫌ですよ! あ……。
たった今、自動人形によってうちのスタッフがボコボコにされてます。
ケッ、ザマァみろ!
図書館
様々な書物が置いて有ります。
それに中々興味を引かれる表紙になってますね……っ! こ、これは……面白い! 面白いですよこれ!
えーと作品名は、【ドラ〇もん】という漫画と呼ばれるジャンルらしいです。
他にも色んな漫画が有るそうで、好きな人は入り浸りそうですね。
飲食店
飲食店は複数ありますね。
なんでも、食べ物のジャンルがそれぞれ違うとの事ですが、食べ物にジャンルがあるとか聞いた事がありません。
ちなみに宿屋も複数有りました。
では折角なので、適当なお店でお昼にしたいと思います。
お店に入ってカウンター席に座ると、自動人形がお水とメニューを持ってきてくれました。
お水がサービスなのは嬉しいですね。
さて、どれにしましょうかねぇ……ん、決めました! この醤油ラーメンという物にしましょう。
待つこと数分、自動人形が醤油ラーメンが入ってると思われる、変わった形のお皿を持って来ました。
実に香ばしい匂いが食欲をそそります。
ではさっそく……え? この箸という物を使って食べるんですか? むぅ、中々難しいですね……よっと、「スルスルスル」
お、お、美味すぃーーーい!
これは「スルスル」大変「スルスル」美味しい「スルスルスル」です「ゴクゴクゴックン」…………ふぅ、堪能しました。
ここの食事は絶品ですね! こうなると他の飲食店も気になりますが、お腹が限界なのでやむを得ません。
え? 別の食べ物も撮りたいから他の店に行けって? 無茶言わないで下さい!
城
立派なお城です。
城主は決まってないそうですが、街の管理者が住む城ってことのようです。
重装備した自動人形が城門を遮ってます。
間違っても、腕試しで闘いを挑んではいけません。
うちのスタッフのように、ボロクソにやられます。
城からは街を一望出来るようになってるみたいですね。
公園
子供の遊び場や、大人でも散歩したりするのに利用出来ます。
見た事無い遊具という物が有りますね。
少し遊んでみたいと思います。
えーと…………ではこのブランコという物に乗ってみたいと思います。
まずは座るんですね? はい。
次に地面を蹴って……ほーぅ成る程成る程、中々面白いですね。
え? もっとスピードを出したほうが面白い? あ、押してくれるんですね、すみませんスタッフさん。
……あ、あの、結構スピードが出てるんですが……え? 次で飛んでって……っ!
ヘブッ!
イタタタ…………あの……スタッフさん、今のは絶対わざとですよね?
あ? さっさと次行けだ!?
テメェ、調子に乗ってんじゃ……コホン、失礼しました。
交番
何か困った事が起こった場合に、頼る事が出来るそうです。
例えば、仲間とはぐれた場合など、一緒に探してもらえたりするそうです。
ここには常時自動人形が待機してます。
スポーツジム、ゲームセンター、遊園地
有料の娯楽施設です。
スポーツジムとは、体を鍛えられる設備が整っており、単純に体を動かすのにも利用出来そうです。
たまーにいますね、肉体美に命をかけてる人とか。
そういう人達が集まりそうです。
因みにうちの編集長も、似たような存在だったと記憶しております。
ゲームセンターは……ああ、何だか楽しそうな音楽が聴こえてきます。
様々なゲームで遊ぶ事が出来るそうで……あのスタッフさん、ちょっとだけ……ダメ? そこを何とか! 先っちょだけ、先っちょだけだから! ……おいテメェ、さっきの公園の事忘れてねぇからな!? ……おう、それでいいんだよそれで。
……コホン、という事でスタッフの許可が出たので、ちょっと遊んでみましょう。
ではこのユーフォーキャッチャーというのにチャレンジしたいと思います。
銅貨を投入するとスタートします。
このクレーンというカラクリを操作して、欲しいアイテムの上に移動させます。
停止させるとクレーンが降下していきアイテムを掴みま……あれ? ……あの、このクレーン壊れてません?
あのタヌキのぬいぐるみを取ろうと……あ、すみません、ドラ〇もんなんですねアレ。
そのぬいぐるみを取ろうとしたら、クレーンの先っぽがグニャリと曲がってしまったんですが、おかしくありません?
……え? アイリさんの世界ではアレが当たり前なんですか!? それどころか、クレーンが片方しか無かったり、穴が小さすぎて取れなかったりすると!? しかも遊んでる最中にヤンキーに因縁をつけられる!? そのヤンキーというのがどのような魔物なのか知りませんが、何とも恐ろしい世界なんですね……。
遊園地はかなり大掛かりな仕掛けが施してある、アトラクションと呼ばれるものがあります。
もの凄く興味を引かれますが、スタッフが涙目でXを作ってるので諦めます。
カジノ
言わずとも知られるギャンブラーが集う場所ですね。
スロット、ポーカー、ルーレット等の定番のものが設置されてるようです。
中でもお勧めは、スロットだそうですよ?
揃った絵柄に応じて景品が手に入るのだとか。
確率は低いですが、稀少価値の有る物も出てくる可能性があるらしいですね。
冒険者ギルド
いずれ誘致したいと考えてるそうです。
つまり、この街を拠点にする冒険者を見越した思考ですね。
まだ冒険者ギルド側との話し合いまで進んでないそうですが、実現するのが楽しみです。
「さて、本日の【突撃!隣の御ダンジョン】は如何でしたでしょうか? このコーナーでは、色々なダンジョンを紹介しております。もしかしたら、来週はアナタのダンジョンに御伺いするかもしれません。それではまた来週お会いしましょう!!」
「おい、どういう事だ! 俺が何処にも映ってないじゃないか!」
後日、ダンジョン通信を見てディスパイルの存在が丸々カットされてたのを知り、運営に抗議しに来たのだった。
「そう言われてもだね君ぃ、見る側が望んでないものを映すというのは、ポリシーに欠けるのだよ君ぃ」
「そんな事はどうでもいい。俺とアイリが仲良く昼食を食べているところが映ってないのはおかしいだろう!?」
ヒートアップするディスパイルだが、編集長は曲げなかった。
「それも仕方ない事だよ君ぃ、だいたい君ぃが映ったとして誰が喜ぶというのかね君ぃ。それにおかしいのは君ぃの頭の方じゃないのかね君ぃ」
「……なんという事だ。折角アイリとの親密さをアピールするチャンスだったというのに……」
「そもそもいったい誰に親密さをアピールするつもりだったのかね君ぃ……」
虚しくもディスパイルの試みは失敗に終わったようだ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
おまけ
「という訳でやって来ました、ダンジョンマスターのユーリさんのダンジョン。その名も、マジカルダンジョン!さっそく入ってみま「そこ! 足下に茸が生えてるので踏まないで下さい! 大事な食料なんで!」す、すみません!」
「このまま直進して下さい。間違っても端に寄らないで下さいね。薬草を栽培中なので」
「そ、そうなんですか……ん? あの通路のど真ん中にある邪魔くさい壁はなんですか?」
「防御壁です。あの壁の真ん中の下寄りにあるスキマに金貨を投入して下さい」
「あのぉ……何故金貨なんで「早く投入して下さい! 手遅れになっても知りませんよ!」ははははいぃーーー!」
チャーリーン♪
「………………」
「……何も起こりませんが?」
「募金有難う御座います。気を付けてお帰り下さい。この先は関係者以外立ち入り禁止ですので」
「え!?」
「それではまた来週ー!」
「ちょ、金貨は必要なかったでしょ!? かえしなさいよ!」
「出口はあちらです」
「おい、テメェふざけんな! って離せよコラァ!」
ダンジョン紹介終了
ディスパイル「俺の計画がーーーっ!」
アズラ「ドンマイ♪」




