恥を忍んで
「そろそろ相手の眷族は素敵な効果音を堪能しとる頃やろなぁ」
100人居るホークの内の1人が呟く。
今現在もダンジョンの1階層を徹底的に捜索中であるが、実は2階層への階段は発見済みだったりする。
しかし、もしもの可能性を考慮して、1階層を完全にマッピングした後に2階層に向かうつもりでいた。
「あのダミーハゲヅラは、大きさも形も同じサイズで召喚してもろたんや。せやから見た目で区別するのは困難な筈やで」
手作りではなく、全てアイカによる召喚で賄ったので、大きさと形はまったく一緒だったりする。
ではどこが違うのかというと、デコの面積がやや広いとか、髪の毛の本数が違うとか、そういった部分だ。
因みに正解を判別する方法は被るだけではなく、頭のバーコードをスキャンする事でも判別可能である。
だが残念な事に、このイグリーシアにはバーコードをスキャンする魔道具は存在しない為、この仕組みを利用する事は不可能なのだが。
「んな事よりちゃんと捜索せんかい! こっちは行き止まりやで!」
「わーてるっちゅうに。ほれ、こっちも行き止まりや。後は……」
2人のホークが確認し合ってるところに別のホークがやってきた。
「おう、お疲れさん。こっちも行き止まりや。物陰もキッチリ捜索済みやから1階層には絶対にないな」
「よっしゃ、合流して2階層の捜索や!」
「「おう!」」
「で、2階層にやって来たんやが……」
1階層は遺跡エリアのダンジョンだったが、2階層は沼地エリアになっていた。
もし沼の中に目的の物が有るとすれば、かなり厄介である。
「どないする?」
「もうローラー作戦でいくしかないやろ」
「「せやなぁ……」」
ローラー作戦……未確認の部分を埋めるように捜索していく作戦だ。
だがもし沼の中に目的の物が無かった場合、タイムロスは確実である。
「しゃーない、諦めてローラー作戦でいくで」
「「はぁ……」」
気だるそうにトボトボと沼に入るホーク達。
他の場所でも沼に入り込んで手探りを行ってるのだが、その姿はどう見ても慣れない田植え作業に悪戦苦闘してる研修生そのものだ。
「手探りは苦痛やが、キチンと溺れない程度の高さになっとるのは感心するでぇ」
それもその筈、殺傷力の無効を提案したのはシーラの方なので、そのシーラがキチンと調整するのは当たり前だ。
「せやけど大変なのは変わらんけどな。この作業……お? なんや底が光っとるな」
1人のホークが沼の底で何かが光ってるのを発見した。
「コレはもしかするともしかするでぇ!」
ついに目的のオーブを見つけた! というはやる気持ちを抑えて慎重にそれに掴んだ。
だがその時!
ブゥン!
妙な音とともに光り物に触れたホークは姿を消してしまったのだ。
それを近くで見ていた別のホークが慌てて駆け寄る。
「おい、どこに行ったんや?」
だが周りを見渡しても光り物を掴んだホークは見当たらない。
そこへ別のホークが話し掛けてくる。
「多分転移トラップやろうな。今頃は恐らく……」
「1階層か3階層のどっちかに居る言うんやろ?」
「そうや」
益々厄介だが、ホークは闘争心を刺激されたらしく、真っ向から挑戦してやろうと思ったようだ。
「上等や。ならこっちも更に人海戦術や! 分体演舞!」
ホークは更に数を増やして対抗した。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ホークの闘争心が刺激されてる頃、シーラの眷族であるユウスケも、ダミーハゲヅラ相手に奮戦していた。
「ハゲヅラ発見……ブッブー」
「再度発見……ブフォ!」
「今一度……プスゥ……」
大小様々な音量で、様々な効果音を奏でていた。
「やっぱりこの効果音は恥ずかしい……」
もしこれも作戦の内だとすれば、アイリちゃんは相当な切れ者……。
なら、ここで恥ずかしがるのはアイリちゃんの思う壺って事になる。
「それなら僕は恥を捨てる。恥を捨てて勝ちを拾うんだ!」
何故か良い話っぽく纏めに入ってるが、それほどの話ではない。
ただ単に屁の音を我慢して聞きましょうってだけで、特別な事をする訳ではない。
しかも今回の特設ダンジョンにはアイリが関わってる部分は皆無であり、仕組んだのはすべてホークなのだが、シーラはまだ知らない。
「続けます……ブピッ」
「うーーん、それにしても数が多すぎるね。このままじゃ日が暮れちゃうよ」
「そうですね……プッ」
「……ねぇユウスケ、今笑わなかった?」
「ご、誤解ですマスター、犯人はコイツです……ブーッ」
「……ならいいんだけど」
なんか気が滅入るなぁ……。
もっと楽しい事を考えないと。
「楽しい事…………僕も被るとか?」
「マスターも被りたいのですか? ブブゥ」
「やっぱりいい……」
こんなの恥ずかし過ぎる。
僕は絶対被らないからね!
こんなの相手のアイリちゃんだって被りたがらないでし……ん?
「そうだ!」
いいこと思い付いた。
僕が勝ったらアイリちゃんにハゲヅラを被ってもらおう。
勿論不正解のやつを。
それじゃさっそく……。
シーラ
『ねぇねぇアイリちゃん、話したいんだけど、ちょっといいかな?』
アイリ
『ん? 何々?』
シーラ
『僕考えたんだけど、もし僕が勝ったらあのハゲヅラをアイリちゃんが被るのはどう? 当然外れの方のハゲヅラだよ?』
アイリ
『あぁつまり罰ゲームってヤツね。いいわよ、やってやろうじゃない』
おお? まさかアイリちゃんが簡単に乗ってくるとは思わなかったけど、一応作戦は成功したみたいだ。
フッフー♪ これで僕だけが恥ずかしい目に合うわけじゃ無くなったって事だね。
アイリ
『その代わり、私が勝ったらシーラが被るのよ?』
「………………」
その台詞を聞いた直後、僕は凍り付いた。
何という事か、僕が負けたらあの忌々しいハゲヅラを押し付けてくるというのである。
散々恥ずかしさを感じた僕にである。
アイリちゃんの正体は、実は鬼なのではないだろうか。
いや寧ろ悪魔の可能性も……。
シーラ
『そ、そんなの横暴だよ! 僕がどれだけ恥ずかしさを感じたのか、アイリちゃんには分からないんだ!』
そうだよ、こんなの不公平だよ!
アイリ
『うん……まぁゴメンね? あの特設ダンジョンとハゲヅラを作ったのは私じゃないから、私には分からないのよ』
シーラ
『…………どゆこと?』
アイリ
『今回の仕組みを作ったのは、いまシーラのダンジョンにいるホークなのよ。因みに私は一切関わってないわ』
シーラ
『そうだったんだ。……ごめんなさい八つ当たりしてしまって』
まさかアイリちゃんは一切関わってなかったなんて……。
アイリ
『うん、まぁ気にしてないから』
シーラ
『本当にごめんね? 心の中で鬼とか悪魔とか思ってしまって』
アイリ
『……それはちょっと気にするわ』
シーラ
『それにしてもホークという眷族は嫌な作戦を思い付くね。お陰で気が滅入ってきたよ』
アイリ
『その辺がよく分からないんだけど、そんなに恥ずかしいもんなの? ホークの方に集中してるから、自分側の特設ダンジョンの状況を知らないのよ』
シーラ
『いや、一度見てみてよ、本当に恥ずかしい音を撒き散らしてるんだから! ですよね、ペルフィカさん?』
ペルフィカ
『そうですね。確かにあれは恥ずかしさを感じるものでしょうね。それと同時に製作者の愚かさも……』
アイカ
『そんなにですか……じゃあペルフィカさん、試しに被ってくれません?』
シーラ
『あ、いいですねそれ!』
ペルフィカ
『え…………コホン、わたくしは勤務中のため、そのような事は致しません』キリッ
アイリ&シーラ
『逃げた(わ)ね』
ペルフィカ
『……なんですかその目は? そんな目で見たって無駄ですよ、わたくしは自分に相応しくないと思った物は絶対に身に付けませんので。だいたいなんですかあの下劣な音は! あのような物が存在すること事態が非理論的です! そもそもアイリさん、貴女の眷族は……』
アイリ
『なんか地雷踏んじゃったみたい……』
シーラ
『何というか女教師みたいなタイプだね』
アイリ
『女教師ってこんなに口うるさいものなの?』
シーラ
『あくまでもイメージだけどね。実際は個人差によるよ』
ペルフィカ
『聞いてるのですか2人共!』
アイリ
『ヒェッ! き、聞いてます聞いてます!』
シーラ
『ぼ、僕もですか!?』
ペルフィカ
『そうです! まったく貴女方は……』
ペルフィカの起爆装置を作動させた2人に対する説教は、まだまだ続きそうである。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ホークの思い付きが散々ディスられてる頃、そんな事はまったく知らないホークは、黙々と沼底の捜索を続けていた。
「なぁ、もう半分以上は終わったんちゃう?」
「せやなぁ、ワイの感覚やと7割は捜索済みやな」
今のホークは200人体制という大人数になってる為か、それぞれのホークとの認識共有が曖昧になっていた。
「でもおかしいな、転移トラップに掛かった直後に大幅に増員したやろ? それならもう2階層の捜索は終わっててもおかしくないでぇ」
「せやなぁ……よし、ここらの捜索も終わった事だし、あっちの方に合流しよか?」
「せやな」
合流地点では、数十人のホークが散らばって構えており、捜索をしてる様子はない。
「お、なにやら物々しい雰囲気やが何をやっとるんや?」
「待ちぃや、今大事なとこやねん」
「お、おう……」
シュッ!
1人のホークが何かを投げた。
その何かは転移トラップのオーブであった。
そしてオーブを投げた先には別のホークが丸太を抱えて立っている。
ガキーーーン!
爽快な音と共にオーブが遠くへ飛んで行く。
が、しかし。
ポスン!
1人のホークがそれをキャッチ。
そして……、
「試合終了ーーーっ! 1対0で、北海ホークスの勝利やでぇ!!」
「「「オオオッ!!」」」
どうやら試合が終了したようである。
「って、ようである……じゃないやろ! お前ら何やっとんのや!」
試合をしてたホーク達に後から合流したホークが絡んで行く。
「何って、草野球に決まっとるやろが! 己にゃこれがボーリングに見えるんか!」
「……確かにボーリングには見えへんな」
「せやろ!?」
「って、んな事より、捜索はどないしたんや!?」
「それなら終わっとるさかい安心せい」
というか、目的のオーブが見つかってないのに何を安心すればいいのか不明だが、ホーク達は余裕ぶっこいて今まで草野球に熱中していたらしい。
「それに3階層への階段は見つけたでぇ」
いつの間にか用意したユニホームを脱ぎつつ、階段の方を指でさした。
「ならさっさと行くでぇ!」
総勢200人のホークが階段をかけ上がって行く。
階段を上がると、そこは……、
「まさか本当に雪国があるとは思わんかったでぇ」
「おう。しかもあのオーブは透明やったから見つけるのは一苦労やで」
3階層は雪原エリアだった。
辺り一面が雪で覆われており、更に深々と雪が積もっていく。
「こらアカンで! さっさと捜索せな雪でさらに見えなくなってまう!」
ホークの言う通り、黙ってれば状況が悪化するだけなのは明白だった。
「じゃあ急ぐでぇ! 片っ端か「ちょい待ちぃや」
捜索に入ろうとしたホークを別のホークが遮った。
「な、何すんのや!」
「まぁ落ち着きぃや。ワイにいい考えが有るんよ」
「ホンマか!?」
「そうや。だがワイ1人じゃ無理や。オマイらの協力が必要やで」
そう言ってホークを全員集めて何やら話だした。
「……ってな感じや」
「それなら何とかなりそうやな!」
「せやな、やってやるでぇ!」
「オマイ天才か!」
「よーーーし、そんじゃ各自配置に着くんやでぇーーっ!」
「「「おぅ!!」」」
何やら自信満々にある作戦を実行しようとするホークだが、その作戦が吉とでるか凶とでるかはまだ分からない。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ホークが3階層に到達した頃、シーラの眷族であるユウスケはいまだに1階層で手間取っていた。
「コレは……ブボッ」
「こっちは……ブピピィ」
「そっちも……ブリッ!」
あーダメだぁ、全然見つからない。
簡単に見つからないとは思ってしまってたけど、本当に無いなぁ。
やっぱりユウスケ1人だと荷が重いのかも。
「マスター、ブビ、やはりこの辺りには、ブブゥ、無いのかも、ブップゥ、しれません」
ユウスケ、出来れば喋る時くらいは被らないで喋ろうか?
「やっぱり1階層は後回しにして3階層から捜索した方がいいと思う?」
「はい。裏をかいて1階層にある可能性も否定しませんが、やはりスタート地点から遠く離れた場所に置いとくのがセオリーかと……ブッ」
そうだよね、1階層に置くのはリスクが高いもんね。
「じゃあスタート地点から一番遠くにあるハゲヅラは感知できる?」
「了解、やってみます。座標感知!」
座標感知……遠く離れた目標物を探すのに有効なスキルだ。
ただし、類似の物も感知してしまうという欠点もあるが。
「マスター、3階層の一番奥に、1つだけポツンと置かれてるハゲヅラが有ります!」
うん、きっとそれに違いないよ!
急いで3階層に移動しないと!
「ユウスケ、3階層に向かって急いで!」
「了解しました。しかし階段がいまだに見つかってませんので、少々時間が掛かるものと思われます」
それは仕方ない。
今まで1階層で手間取ってたんだから。
でも相手心理も分かってきた。
見つかりたくない物を一番遠くに遠ざけるのなら、スタート地点から一番遠くに階段が有る筈なんだ。
だけどこの場合、ダミーのハゲヅラを見付けつつ奥まで行くと階段を発見しやすくなるから、逆にスタート地点に有った方が遠回りになる。
「ユウスケ、スタート地点に戻って!」
「分かりました」
僕の考えが正しければ……、
「マスター、階段を発見しました」
やっぱりそうだ。
「ユウスケ、その階段の特長と同じものをスキルで感知して!」
「了解です。座標感知」
1階層にあった階段はスタート地点のすぐ側だった。
でも2階層はどうなのかは分からない。
「マスター、2階層の中間辺りに階段を発見しました」
「やったねユウスケ! じゃあ2階層はそのままスルーして3階層へ進んで!」
「分かりました」
いいぞ、順調だ。
このまま行けば勝てる。
もし僕が勝ったら、このふざけた仕組みを考えたホークって奴に、ハゲヅラを被せてやるんだ!
「マスター、階段を発見しました。3階層の一番奥に向かいます」
「うん、頼んだよ」
いよいよだ。
後はユウスケが正解のハゲヅラを掴めば……、
「マスター、この通路の突き当たりに有るようです」
見ると遺跡エリアの通路が奥へと続いていた。
この先に目標物が有るんだ。
……あ、奥に台座のような物があって、その上にハゲヅラが置かれてる。
「ユウスケ、それを掴んで!」
僕の指示に従って走り出したユウスケ。
そしてついにハゲヅラがユウスケの手に……、
ペルフィカ
『バトル終了~! このバトル、アイリさんの勝利です!』
「え? そんな、後1歩だったのに……」
目の前で勝ちを奪われた形になったね。
こんな事ならもっと考えて指示するべきだったかな。
「申し訳ありません。もう少し早く行動すべきでした」
いや、今回はユウスケのせいじゃないよ、座標感知が有るから有利だと思ってた僕の責任だ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
時間は少し遡り、ホークが立案した作戦を実行しようとしてた時だ。
今ホーク達は上がってきた階段を背にして、四方八方を向いている。
そして全員が人化を解除すると、一斉に風魔法を放った。
「「「我が障害足り得る物を吹き飛ばせ、ハリケーン!」」」
ハリケーン……風魔法の1つで、自分の周りの物を強風で吹き飛ばす魔法である。
「見えたで、今のでオーブらしき物があっちに飛んで行きおったわ!」
「ホンマか!? 追いかけるで!」
さすがに鷹の目はオーブを見逃す事なく捉え、呆気なく確保する事に成功したのだった。
「捕ったどーーーっ!」
ペルフィカ
『バトル終了~! このバトル、アイリさんの勝利です!』
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
バトルが終了してホークが戻ってきた。
後はペルフィカさんにランク昇格を宣言してもらえば終わりね。
ペルフィカ
『おめでとう御座います。まず勝利報酬のDP300ポイントです』
相変わらずのショボさね……。
ランク昇格したから、せめて次は500ポイント以上になってる事を祈ろう。
ペルフィカ
『アイリさんは今回の勝利でFランクに昇格となります。次は5勝すればEランクに昇格なので頑張って下さい。それから、お2人には大切なお話がありますので、今からあちらのダンジョンに向かいます』
ん? あちらのダンジョン?
私が疑問に思ってる間にペルフィカさんが私の目の前に転移してきた。
「さ、アイリさんと、そっちの眷族も一緒に行きますよ」
「え、いや……なんで?」
「向こうで話ます。宜しいですね?」
笑顔の筈なんだけど笑顔に見えないペルフィカさんに拉致られて、私とホークは転移した。
そして転移した先は何となく予想してた通りシーラのダンジョンだった。
「あ、アイリちゃんだ。それに……」
シーラがビクついた視線の先には、大変良い笑顔のペルフィカさんがいる。
「さ、シーラさんとアイリさん、おまけの眷族2人。全員そこに正座しなさい」
はい? なんで正座?
「いいから早く!」
「「「「はいぃぃ!」」」」
よく分からないけど怒ってらっしゃるペルフィカさんの命令で、私達4人はその場で正座した。
「まずは貴方、確かホークでしたか。貴方の作った仕組み、アレは何なのですか! ふざけるにも程があります!」
うわぁ……コレ、ガチの説教よ。
もうペルフィカさんは激オコ状態よ。
「いやぁ、まぁでもオモロかったやろ? 正直あの音聴いてクスッてきたんちゃう?」
「確かにクスッとなりま……って、そんな事はどうでも宜しい! 眷族たる貴方が、あんなふざけた事をすべきではありません!」
「ヒィッ!」
ホークがビビッてる。
そして私もビビッてます、はい。
「それからそっちの眷族、確かユウタローでしたか?」
「いえ、ユウスケです。自分、お笑い芸人じゃな「口答えは許しません!」ヒィッ!」
うわぁ、なんか理不尽な怒られ方してる。
「何なのですか貴方も! なんの抵抗もなくふざけた被り物をした挙げ句、下品な音を垂れ流して! 少しは拒否反応を示しなさい!」
そして益々理不尽な怒られ方を……。
「そして貴女方です。ダンジョンバトルを何だと思ってるのですか!」
いや、何だと思ってると言われても、ただのバトルとしか……ねぇ?
シーラの方を見るとシーラも同じような考えらしく、首を傾げてる。
「ねぇ、この説教、いつ終わるのかな?」
「ペルフィカさんの気が済むまでじゃない?」
「「はぁ……」」
そして2人揃ってため息をついたところで最大級の雷が落ちた。
「恥を知りなさーーーーーい!!」
「「「「ヒィィィ!!」」」」
バトルは無事に終わったけど、その後が大変でした……。
ホーク「あのハゲヅラは芸術や、あのオバサンにはそれが分からんのや!」
アイリ「お願いだから、ペルフィカさんの前でオバサン発言は止めてね?」
 




