第7話「閻魔様の事情」
閻魔様は甘やかすのも仕事って言ってきた。
甘やかすって初等部の子のように扱えってこと?
「甘やかす…ですか?私が閻魔様を?」
「うん。え?閻魔様?まぁ地球の人が考える閻魔様みたいな仕事もしてるしねー」
「閻魔様ではないのですか?」
天国、地獄、転生の割り振りをしていたのに閻魔様ではないようです。
「うん。違うよー。ボクは輪廻を担当してる神で、名前はルル。ルルちゃんでいいよ。初等部の子達と同じように話てね!」
「ルル様は閻魔様ではなく神様なんですね…」
「んもう!初等部の子達と同じようにしてって言ったじゃん!」
両手を胸の前でブンブンと振る閻魔様ことルルさ…ちゃん。
威厳のある喋り方だったら無理だけど、この仕草を優姫ちゃんもしていたおかげで初等部の子っぽく見えてきた。
うん。
これならいけそう。
「あ、えっと……ごめんね、ルルちゃん」
「それでいいんだよ。許す!」
そう言ってルルちゃんは私の膝に座って、頭を胸に預けてきた。
これも優姫ちゃんがやってきたことだ。
優姫ちゃんが居ない時は美月ちゃんもやってたんだよね。
華ちゃん達が言うには薄っすらと頰を染める美月ちゃんがとてもグッドらしい。
だから、優姫ちゃん達にやって好評だったことをルルちゃんにもやってみようと思う。
やることは簡単。
昔のドラマで有名になった「あすなろ抱き」とか言うやつだ。
「ふぁ…」
私がルルちゃんを膝に乗せたまま抱きしめると、ルルちゃんから声が漏れた。
でも、嫌そうな声じゃないから続ける。
なぜか私に抱かれた子供や華ちゃん達は同じような声を出す。
とても落ち着くらしい。
今なら色々聞けるかな?
「ねぇルルちゃん。ルルちゃんは何歳なの?」
「んー?最近転化したから…今は6歳だよ」
「転化?」
「あー…転化っていうのは若返る方法の一つだね。輪廻を司ってるからボクも時を巡らないと示しがつかないからね」
「なるほど」
つまり、6歳になるのも仕事のうちってことだね。
うんうん。
いいと思います。
でも、若返るってことは代替わりじゃないんだよね。
ということはとても年上なはず!
抱きしめたりしていいのかな?
本人が望んでるしいいや。