第6話「護の趣向はギリギリセーフ」
もしかして私はロリコンというやつだったのだろうか。
確かロリコンは幼い子に性的に興奮する人だったはず。
私は性的に興奮していなかったので大丈夫だ。
むしろダンディなおじ様が好きだし。
うん、大丈夫。
「思い出してきたみたいだね!マモルちゃんの趣向!」
閻魔様が焦り始めた私を指差しているが、私は思い出される記憶の対処で精一杯だ。
高等部2年の私はサロンで初等部の子達とばかり話してた。
でも、普段会わない初等部の子達と共用サロンで話すのはおかしくない!………はず!
同級生とはクラスで話してるけど……授業が終わればサロンに直行。
華ちゃん達とは高等部サロンでも話してる………けど………初等部の子に呼ばれたらすぐに共用サロンに行ってた。
初等部の子達は下校時間が早いから、帰ったら部活や習い事へ。
夜は初等部の子たちや、華ちゃん柚ちゃん火乃香ちゃんとグループチャット。
休日は華ちゃん達とお茶会や買い物や習い事…よりも、初等部の子達とショッピングやピクニックに動物園や水族館に遊園地。
誕生日パーティにもよろこんで参加してた。
「すごくいい笑顔だね!」
「は!」
初等部の子達と遊んでいた記憶が蘇るたびに私は笑顔になっている。
そういえば料理や裁縫なんかの家事全般も、最初は弟や妹への手作りのために始めたんだっけ。
弟と妹が持ってる私が作った小物を見た初等部の子達も欲しがったからあげて、作るならいいものを作りたいから家で雇ってるシェフや、贔屓にしている仕立屋の人に裁縫を習った。
それを聞いた火乃香ちゃん達も欲しがったから小物を作ってあげて、料理もサロンにあるキッチンで作って振る舞ったんだよね。
その日の共用サロンは小さなパーティみたいになって、それを聞いた参加できなかった他の人たちにお願いされて、毎週水曜は私や料理を練習してる子たちがサロンで料理をする日になったんだ。
きっかけは初等部の子達。
やっぱり私の趣向は…
「子供好き…でしたね…私は…」
「そうだね。過保護な程にね!でも、思い出してもショックを受けてる感じはないよね」
「はい。子供が好きなだけですし!思い出したなら胸を張って言えます!私は子供が大好きであると!純真無垢な瞳!お姉様やお姉ちゃんと言いながら駆けてくる一生懸命さ!プニプニとした肌触りに子供特有の甘い香り!癒されます!」
「うんうん!マモルちゃんはわかってるね!」
閻魔様は何度も頷き、私を見た。
「というわけで困ってるボクを助けるために天使になって働いて欲しいんだ!あと、ボクを甘やかすのも仕事だからね!」
「え?」
私に甘やかされたいの?
閻魔様は外見は子供だし、お肌プニプニだし、一生懸命お願いしてるし、甘い香りもする。
危うく頷くところだったけど、まずは話を聞いてからだと思う。
もしかしたらすごく年上かもしれないし…。
先代の閻魔様から代替わりしたばかりの子供の方がいいな…。