表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強傭兵団でこの先生きのこるには  作者: 蛇色の海
フローデ・・・イタリア語で詐欺
21/27

脱がし屋エリオ

俺は何が起きたのか理解できなかった

否、分かっているのだが理解したくなかった

二回目だ

異世界に来て二回目

二回も人のパンツを引きずり降ろしてしまった

元居た世界なら名前から顔から報道されて

近所の友人が顔から下だけ映されてインタビューされて

あいつはいつかやるんじゃないかと思っていたんですよなんて答えて

、、、ふざけやがっていつかやると思っていただと?

そういうお前は何一つやましい事はないのかよ?


俺はおそるおそる視線を上に持って行った

だがその視線の先にある物を脳が焼き付ける前に

俺の心の声がそれ以上はいけないと言うのでさっと視線を地面に落とす

そうしてパンツとズボンを掴んだまま立ち上がり

そのままするすると王女殿下にパンツとズボンを履かせた

幸いな事に王女殿下の右腕はまだ差し出されていたので

俺はその手を掴み

王女殿下のような偉大な方とお会いできて胸がいっぱいですと言った


「あなた、今のは、、、」


震える声で話しかける王女に

俺はにっこりと何の事でしょうか?と問いかける

その時、後ろから襟を掴まれグイッと引っ張られた

引っ張ったのは副団長だった

「ああ、キーリ副団長、戦闘は終わりましたよ

王女殿下も良い視察が出来たんじゃあないですか?」


「エリオ君、二回目よ?あなたはこれで二回目

覚えているわよね?私に同じ事したわよね?

それはあなたの性癖なのかしら?」


「お姉様にも同じ事を、、、?」


俺はあまりの恐怖に目を瞑った

それで事体が好転するわけではないが

少なくとも王女と副団長の表情は見なくて済む


「待ってください、お嬢様、キーリ副団長、突撃隊長の足元には

拳ほどの石がありました、あくまで偶然にお嬢様のパンツをずり下げたのだと

思います」


ナイスフォローだソシェちゃん

だがその声には軽蔑の色が濃厚に見える

だが俺はここで一気に形勢を立て直す!


「そうなんです!悪いのはその石ころなんです!

すべては石ころがいけないのです!」


果たして俺の想いは通じるかどうか

ゆっくりと目を開けていく

ああ、ダメだ

まるで魔界にやってきたかのような禍々しいオーラが見える

俺は再び目を瞑った


「そうじゃないわ、そうじゃないわけじゃないけど

私が言っているのはあなたのその胸から噴出した物よ

、、、血じゃなさそうね」


王女はそういうと

どこかへ歩いて行き

誰かに話しかけた

うっすら目を開けてみるとどうやら倒れているアルメル傭兵の前に立っているようだ

俺は再び目を瞑った


「あなた生きてるでしょ?

今なら何も言わないから

すぐに起きなさい?」


話しかけられた相手は反応がない

まるで屍のようだ

まあ屍の振りをしているのだからおかしい事ではない


「10、9、8、、、」


王女は謎のカウントダウンを始めた

それでも相手は反応しない

「3、2、1」


「ちょっ!ちょっと待て!生きてるよ!だけど違うんだ!

俺は死にたくないから死んだ振りをしていただけで

決してそれ以外に理由は無いんだ!

捕虜でも雑用でも何でもやるから命だけは助けてくれ!」


嫌なカウントダウンにたまらず言葉を発したモブ傭兵

だが、機転が効くモブだ

苦しい言い訳だがまだ何とかなりそうだぞ!

頑張れモブ!


「我が領土を攻めてくる連中を生かしておくですって?

傭兵団のみなさんはそんな事しないわよね?」


なるほど、そう来たか

だがこれはある意味チャンスだ

それは畜生の発想でもあるが

この場を凌ぐ唯一の方法でもある


「もちろん、今すぐ息の根を止める必要があります

エリオ君やりなさい」


そう来たか!

なるほどそう来たか!

なるほどキーリ副団長!

俺がやればいいのか!

俺は瞑っていた目をゆっくりと開けて行く

王女の眼前で命乞いをするのは歯の抜けた中年の髭モジャ禿親父だった


またお前かよ!

何度お前の命を救えば俺は報われるんだよ!

ああ、あんなに光っていた頭に丸い痣が出来ている、、、

だからなんだよ!

もういっそ死んじまえよ!


「わかりました今すぐ息の根を止めます」


俺は覚悟を決めて禿親父に歩みよる

「悪いなおっさん傭兵団の未来の為ここで死んでくれ」


「なあ、あんた、この間の事覚えてるだろ?

後生だ、助けてくれよ」


おぉっと危ない発言だ、これ以上何か言われる前に

さっさと断ち切ってしまおう


「、、、駄目だ、さよなら、名前も知らない傭兵」


俺はトラットリア商会特製のギミックナイフを禿親父の胸に突き立てた

まるで禿親父の胸に刺さっていくように刃がハンドルに収まっていく

それと同時に刃とハンドルの境目から血のりが染み出していった

よし!これで完全にごまかせた!


「、、、また血のり、あなた達じゃ話にならないわ

、、、お姉さま、教えて下さる?この傭兵団の秘密を」


俺は禿親父と見つめ合い、そっとナイフを鞘にしまった

そうして親父のすぐ隣で体育座りをして俯いて目を瞑った


「、、、まあなんだ、あんたは良くやったよ

だが王女のパンツを降ろしちゃいけねぇ

あれはさすがの俺でもドン引きだぜ」


俺は両手で耳を塞いだ




やっちゃったねエリオ君

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ