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そういえば、忘れてました。

「…………それ、暫定ヒロインの事だから」


皆様、こんにちは。ゆあです。

兄の興味を引いた誰かさんの事を、久しぶりにお会いしたレオに話したら非常に呆れた様な顔をされました。


あ、レオとアドルフォさんは予定通りに四月づけで我が校に留学生としてやってきました。

定期的にメールではやり取りしてたんですが、四月も後半の今日、ようやく時間の都合がついて会うことができたんです。

身分のある人は色々と忙しそうで大変ですね。


「あ、そういえば、そういう話でしたね」

日常に紛れてすっかり忘れて………ませんよ?

自分の未来が関わってくるかもしれない話ですからね?

ちゃんと覚えてましたよ?


慌てて表情を取り繕ったのですが、バレバレだったみたいです。

呆れ顔が冷たい顔にチェンジしました。

整ってる顔が冷笑浮かべると死ぬほど怖いんですよ?みなさん知ってました?

私は知りたくなかったです。


「そういう所は今も昔も変わらないよな。能天気め」

ペシっとおでこを小突かれました。

暴力反対!


「だって、よく考えたら、高等部での出来事に中等部の生徒が入り込むって、普通に無理ですから。生徒会に入ってるとかならまだしも、私、一般生徒ですよ?」


そうなんです。

確かに、敷地は一緒ですし、一部特別教室とか講堂とか共有している部分はありますが、基本、中等部と高等部には見えない壁がドンっと存在しているのですよ?


ゲーム上の「結愛」は、どうやって関わってたのか、本当に謎です。

少なくとも私に特別な理由もなく、高等部に入り込む度胸なんてありません。


つまり、頑張って情報収集すれば『高等部に転入生きた』ぐらいの情報はキャッチできるかもしれませんが、その人と遭遇するとか関わりを持つとか、普通ならありえないんです。


唇を尖らせ不満を主張すれば、苦笑しながら唇をつままれました。

酷い!


「まぁ、な。普通に考えれば、無茶苦茶だ。実は、ゲームでのお前たちの年の差は2歳だったんだよ」

「はえ?」

予想外の新情報に、間抜けな声が。


「だから、妨害するにしても、今よりはハードル高くなかったんだよ。それでも、高学年のクラスに乗り込むって相当だがな」


そんな私の様子に笑いながら、レオが肩をすくめて見せました。

それに、なんだか身体中の力が抜けて座り込みそうになるのを、最後の気力で持って踏みとどまります。


「なんなんですか、それ。もう、それって現状ほぼ、別のものじゃないですか」

気の抜けた私の声に、ついにレオがケラケラと笑いだしました。

本当に失礼な人ですね!

まぁ、さりげなく腕を掴んで支えてくれているから許しますけど。


「まぁ、《ヒロイン》によっては危ういかなぁ、とも思ってたんだけど、どうもそっちもキャラが違うんだよな。クラスが違うから、アドのところに顔だした時にチラ見したくらいだけど」


「会われたんですか?」

兄の興味を引いた誰かさん=ヒロインさん、だったわけですが。


「ユアの言う絵本を見たことがないから、その「ビクビクちゃん」に似てるかどうかは分からんが、確かに妙におどおどして行動が不振だったな。極力人と関わり合わないようにしてるんだが、親切なフリをした莉央に振り回されて、全然隠れられてないという……」


何を思い出したのか、レオがクックッと笑っています。

なんかチョット怖いんですが……。

思わず、そっと支えてくれている手から逃げて半歩ほど離れてしまいました。


「あぁ、そういえば、人の顔を見て真っ青になって気絶してくれたな。「幽霊?!」って………アレは、今思えば………」

ふと、何かを思いついたように黙り込んだレオに首を傾げます。


「何か、思いついたんですか?」

そっと覗き込めば、ジッと私を見つめた後、微かに首を横に振りました。

「いや、今はいい。確証ができたら教えるよ。それよりも、こんなところで立ち話も目立つし、少し移動しよう」


そう言うと、するりと私の手を取って歩き出しました。

その顔は完全に無表情で、心情をうかがい知ることはできそうもありません。


こういうところは、前に比べて厄介になりましたよね。

昔は、良くも悪くも開けっぴろげでしたから。


まぁ、お気楽庶民だった前世と今じゃ、家庭環境も立場も違うし、当然なんですけどね。

チョット寂しい気がしますね。


「………そんな顔するな。大したことじゃないんだ。ただ、確証のない事を口にするのは苦手なんだ。少し待ってくれ」

不満が顔に出ていたのか、レオが困ったように苦笑しました。


少し甘やかすようなそんな顔は嫌いじゃありません。

今世では兄にベタベタに甘やかされてますからね。

甘やかされるのもあやされるのも大得意です!


「じゃぁ、納得したらちゃんと教えてください。約束ですよ?」

首を傾げて覗き込むと、肩をすくめた後、髪をくしゃくしゃにされました。


「ちょっ!久しぶりにお兄ちゃんに綺麗に結んでもらったんですよ?やめて下さい!」

慌てて逃げる私の不満は、その後に奢ってもらったスペシャルデラックスサンデーにより、スッキリ流れて行きました。


誰ですか?お手軽って言った人!





読んでくださり、ありがとうございました。


やっぱり現状がもだもだしてますね。

作中でも書きましたが、どうやって中等部と高等部の垣根を越えていいものやら思いつかず。


そのうち、別視点での解説入れますm(_ _)m

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