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4月になりまして。

ちょっと前半遊んでますが、ちゃんと「幸せな〜」の世界ですよ〜(笑

結ばずに背中に流した長い髪を春の風が柔らかく揺らしていく。

その度にキラキラと眩ゆい光が振りまかれ、彼女を一層華やかに彩っていた。


暖かな風にふわりと細められた大きな瞳はまるでメープルシロップを溶かしたような艶やかな琥珀色。

それを縁取る睫毛は長く、自然なカープを描いて空を向いていた。少しだけつり上がった目尻が、まるで好奇心たっぷりの仔猫のようなチャーミングさを彼女に与えている。


スッと通った鼻筋に口角の上がった紅い唇。

ほんのりとピンクに色づいた頬はまるで瑞々しい桃のようで、見るものはみな、触れてみたい誘惑にかられた。


スラリと伸びた手足は長く、折れてしまうのではないかと不安になる程華奢だった。

膝丈の上品なベージュピンクのワンピースは春らしく小花が散らされたもので、彼女の人形めいた整った容姿によく似合っている。


駅前のベンチに人待ち顔で座る様子は、見るものに息を飲ませるに足るほどの美しさを持っていた。

その美しさゆえに、声をかけるどころか近づくことすらも気後れさせるようで、人の多い待ち合わせによく使われる場所と時間にも関わらず、その場にはポッカリと空間が開いていた。


しかし、関心がないわけではないのは、チラチラと遠慮がちに投げられる数多の視線が物語っている。

もっとも、少女自身はその視線に気づく様子もないのだが。


ふいに、少女が、チラリと腕時計に目をやりほうっと1つため息を落とした。

待ち人が訪れないのだろう。


刹那、周囲の見守る人々の視線に殺気がこもる。


彼女を待たせ、あまつさえため息までつかせるなど、言語道断。

自分なら絶対にそんな顔させない。むしろ、待ち合わせ場所に前日から泊まり込んででも待たせたりしないだろう。


そんな、少しずれた感じに、周囲の心が1つになったその時、少女が彼方に視線を投げかけ、何かに眼を止めた。

そして、次の瞬間、心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべたのだ。


その破壊力たるや。

たまたまその瞬間を目撃してしまった幸運な者たちは、停止する思考とともにチラ見していた事も忘れ、ジッと見つめ続けることしか出来なかった。


固まる有象無象を気にかけることなく、少女は軽やかな動作で立ち上がると、ようやく訪れた待ち人に向けて軽やかに駆け出した。











って、わけで、みなさんこんにちは。ゆあです。

4月になって、無事2年に進級しました。


なんと嬉しいことに、年明けあたりから遅めの成長期がようやく訪れたらしく、めきめき身長が伸びだしました。


急激に成長すると骨が軋む音がするって本当なんですね。

膝やら背骨やらがギシギシと痛んで悶絶しましたが、今ではそれもいい思い出。


一気に伸びた身長は、美花ちゃんに並び今では160後半です。嬉しさのあまり笑いが止まりません。もうチビとは言わせませんよ?

痛みが治り急激変化は収まったものの、まだ緩やかに伸びてますからね。目指せ、170センチ!


顔も名も知らぬ父親の遺伝子、いい仕事しました。

私の容姿や肌の色から推測するにアングロサクソン系だと思ってたんですよね。

つまり、伸びる要素はあったのです。


まぁ、一気に伸びすぎた弊害でヒョロヒョロなんですけどね。

兄が心配してせっせと食べさせてくるので、すぐに全体的にお肉がつくでしょう、けど。

違うんです!

欲しいのは局地的!全体じゃなくてい・ち・ぶ!


大丈夫。

第1の目標の身長は予定より少し遅かったもののちゃんと伸びたんですし、そっち(・・)の方も成長するはずです。


もう一回頑張れ、父方遺伝子!

あ、ちなみに母親の体型は聞かないでください。

母の名誉のためにも秘匿します。




「美花ちゃん、おはようございます!」

「ゆ〜あ、走ったらまた転ぶよ?」

飛びつく勢いでかけよった私に美花ちゃんが呆れた顔をしながらも受け止めてくれました。


言動が相変わらずお姉ちゃんしてます。同じ年なんですけどね。

そして、並んだ目線が、やっぱり嬉しすぎます。


「結愛ちゃん、おはよ。早いのね?」

横からツンっと服を引っ張って挨拶してくれるのは愛梨ちゃん。

一時期は抜かされてしまった身長も無事下克上しました。

クリクリとした目が相変わらず子リスさんのようで可愛いです。


「おはようございます、愛梨ちゃん」

なんとなく頭を撫でたら若干嫌そうな顔をされました。

身長下克上した時、珍しく悔しがってましたしね。

ふふふ………。


まぁ、身長こそ3人の中で1番小柄ですが、愛梨ちゃんには私達にないものが備わってるのでイイんです。

そっちも数年後には下克上してる予定なんで、悔しくなんてないんですからね!


「………なんか視線に邪なものを感じるんだけど」

「気にしたら負けよ。どうせくだんないこと考えてるんだから」

決意も新たに拳を握る私の横で2人が非常に失礼なことをヒソヒソしてますが、気にしません。


「じゃ、早速いきましょう!」

今日は新学期に向けて足りないものを買い物に来たのです。

なかなか都合が合わずに、今日が春休み最終日ですからね。

気持ちよく新学年をスタートするには、今日がラストチャンスなのです。


「お揃いの文房具とか、欲しいよね」

「あ、春用のリップも!」

「それなら愛梨ちゃんお気に入りのブランドから新色出てましたよ〜」

みんなの希望を確認しつつ、お買い物にゴウ!です。



読んでくださり、ありがとうございました。


女の子友達とお買い物。

ゆあちゃんがリア充してますよ〜(←あれ?使い方違います?


そして、ゆあちゃんにやっと成長期が!

本人狂喜乱舞ですが、周囲は若干残念がってます(笑

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