前世と向き合ってみました①
1日空いてしまいました。無念。
一応、まだ14日だから1日で大丈夫、ですよね?(汗
7/15日 内容が差別に取れることがあるとのご指摘を受け、待ち合わせの部分一部改変してます。流れに変化はありません。
みなさん、おはようございます。ゆあです。
目が覚めたら泣いていてびっくりしました。
久しぶりに前世の夢を見てたみたいで、ボンヤリとですが、なんだか悲しい様な切ない様な感情が残っています。
もともと映画を見ているように半ば人ごとの感情しか持てなかった前世の記憶は、成長と共にどんどん薄れてきていて、最近では殆ど夢に見ることはなかったんですけど、ね。
内容は、多分死んだ時の出来事だった様な………。
人様の痴話喧嘩に巻き込まれ死亡とか、どれだけ不幸なんだと少し悲しくなります。
けど、幸か不幸かやっぱり他人事な感覚なんですよね。
確かに自分に起こった事なのだと分かってはいるんですけど。
おそらく、自己防衛の一種なんでしょうね。
自分の死ぬ瞬間なんて、何度も経験したいものではないですから。
まぁ、今回こんな夢を見た原因は明白です。
時計を見れば、まだ、起きるには少し早い時間ですがすっかり目が冴えてしまったので、潔く体を起こします。二度寝したら、起きれなくて寝坊しそうですしね。
カーテンを開ければ、薄っすらと朝焼けが見えました。
スマホを手に取り、すっかり内容を覚えてしまったメールを開きます。
それは、あの日、コッソリとアドレスをゲットした彼とのものでした。
直接話がしたいので都合をつけてほしい旨が、懐かしい「暗号文」で記されてました。
スパイごっこの一環で作ったんですよね。
若干黒歴史なので、見た瞬間、何かがゴリっと削れる感じがしたんですが、あの人も良く覚えてましたねぇ。
黒歴史ゆえに忘れられなかったんですかね………。
まぁ、今思えばイロイロやらかしてましたしね。
なんか悔しかったので、普通の文章で返信しましたが、答え返してる時点で解読できちゃってるのは明白ですよね。ハハハ………。
しかし、今更会って、なんの話があるんでしょう?
前世の思い出を語り合うとか、ある意味痛い人っぽいのでしたくない気がするんですけど………。
「………まぁ、会えばわかる事、ですよね」
何度目かの言葉をため息と共に吐き出すと、サッサとパジャマを脱ぎ捨てました。
時間もある事ですし、気分転換に、今日は少し長めに走りましょう。
約束の日時は、今日の10時、です。
待ち合わせは、学校の特別教室の集まっている棟の屋上にしました。
中高共同で利用していて、屋上も庭園として解放されているので2人ともいても不自然ではないかなぁ、と思ったのです。
さらに言えば、社交ダンス部や軽音部など特別教室で部活をしている人達がいるので休日でも開いているのですが、問題の屋上庭園が渋い日本庭園のため、人気がなく殆ど利用者がいないのです。
別棟にあるイングリッシュガーデンは人気なのに。
やっぱり、洋風に惹かれるお年頃なんですかね?
鹿威し、いいと思うんですけどね?
と、言うわけで。
もし、目撃者がいたとしても、彼は今話題の『海外からの留学生』ですから、『和物』に惹かれたんだと勝手に納得してくださる事でしょう。
そんな深い考察の元設定した待ち合わせ場所なのですが、はたして、分かっているのかいないのか。
彼は、景観を壊さない様にうまく設置されたベンチに腰を下ろし、ぼんやりと鹿威しを見つめていました。
なんでしょう。
見つめる先が「鹿威し」なのがなんとも………。
おそらく、わかりやすい場所にいてくれただけなんでしょうけれど、そこに座ってまったりしてると、本当に『和物好きの留学生』な、感じですね。
………うん。笑ったらやっぱり失礼でしょうか?
微妙な違和感に口がムズムズするんですが………。
そんな失礼なことを考えていたせいか、気配に気づいたらしき彼がこっちを見ました。
スッと自然な動作で立ち上がると、その場で私が近づいてくるのを待っています。
とりあえず、そばに行けば、これまた自然な動作でベンチへと座る様に誘導されました。
その際、当然の様にベンチの上には、いつの間にやらハンカチが広げられています。
これは、確実に今世での教育の賜物でしょうね。
さりげなく兄から聞き出したところ、結構なお家のご子息でしたから。
まぁ、私も素直にエスコートされてる時点で同じですけどね。
こちとら今世も一般庶民ですが、通ってる学校が学校だけに周りはジェントルマン教育されてるお子様だらけでしたからね。
最初の頃は、本当にここは日本か!と心の中で叫びまくりでしたが、今では赤面もせずに素直にエスコートされてます。
人間って学習する生き物なのですよ。
そんな私の様子に相手も考えるところがあったのか、迷う様な沈黙が生まれました。
ので、大人しく待ちます。
あ〜、今日もいい天気ですね。
「…………どっちで呼んだら良い?」
ポツリと質問が投げかけられ、空を見上げていた視線を隣に移します。
あら、真面目なお顔。
なので、にっこりと笑顔を返しておきましょう。
「もう一度、自己紹介からやり直した方が良いですか?レミジオさん」
そんな私の顔をマジマジと見つめた後、フゥッと彼がため息をつきました。
「………分かった。今日は来てくれてありがとう。倉敷さん」
なんだか気の抜けた声でそう言うと、レミジオさんはその綺麗な顔に苦笑を浮かべたのでした。
読んでくださり、ありがとうございました。
なんだかなかなか本題に入りません。
結愛ちゃんが警戒心バリバリで。
兄が見たら毛を逆立ててフーフー言ってる子猫に例えて愛でている事でしょう(笑
あ、その前に警戒対象のレミジオ君を排除してるか?(汗