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おでかけしましょ②

お久しぶりでございます。

長い不義理をご容赦くださいm(_ _)m

優くんに本屋にまで付き合ってもらって、さらには、待ち合わせ場所で兄が来るまで一緒にいてもらうことになりました。


一応、申し訳ないと遠慮したんですよ?

だけど、一緒にカフェにいる写真を送りつけられた美花ちゃんから速攻電話がかかってきまして。

事の顛末を話したら、兄が来るまで一緒に居るように厳命が下りました。


優くんに。


「コレでゆあを1人にしたら、俺が後で殺されるから。勘弁して」

黙ってればバレないと思うんですけど………幼馴染な2人では隠し事は通じないんでしょうね。多分。

私も、隠し事してても兄にすぐバレますし。


まぁ、そこはともかく、2人の親心を汲んで、ありがたく一緒に居てもらうことにしたんです。

兄とも顔見知りだし、問題ないでしょ。


中庭の噴水の前で、さっき買った新刊を広げて2人で覗き込んで居ると、ぽん、と肩を叩かれました。

兄が来た、と思って顔を上げた私の前には見知らぬ外人さん。


かなり身長が高くて、明るいブラウンの髪を短く切ってツンツンに立ててます。緑の目は少し垂れてて、なにやら楽しそうにキラキラ。

なんでしょう。大好きなボールを見つけたワンコに見えますね。


「$€2°%3×*→☆$¥€!!」

そして捲し立てられる謎言語に優くんと共に固まります。

英語ならどうにか片言くらいは聞き取れますが、これは………なんでしょう。イタリア語?


「ゆあ、知り合い………では無いんだな」

同じく固まっていた優くんが、私の顔を振り返り勝手に結論づけて庇うように半歩前に出てくれました。

いや、すみません。

あまりの事に思考停止してたので、かなりの間抜け顔を晒していたと思われます。


「なんて言ってるのか、分かんね〜って。こいつ、こんな顔してるけど日本育ちだから」

反応ないのになおも話しかけて来る外人さんに、優くんが、困り顔で手を手を横に振ってます。

「アイキャントスピーク!オーケー?!」


…………固まってた私が言うのもなんですが、見事な日本語英語ですね。優くん。

あ、でも、この状況でとっさに言葉が出るだけで凄いのかな?度胸あるね。


と、外人さんが、優くんの言葉に英語なら分かるのかと判断されたみたいで、英語に切り替えて来ましたよ。

早口の上に変な癖があって聞き取りにくいですが、コレは………口説かれてます?


呆気にとられて固まる優くんの背後からチョットだけ顔を出して返事をしようとした時、外人さんの後ろに見慣れた影を見つけました。


「………こんなところで、何をしてるんですか、貴方は」

外人さんの肩に手を置いてグッと後ろに引いたのは兄でした。

なんか笑顔が怖いのですが。

怒ってますね、コレは。


「ハッハッ〜。リオが隠そうとするから後をつけて先回りしたのさ。電話で「噴水の所」って聞こえたからね」

と、振り返った外人さんが綺麗な日本語で答えていました。…………日本語?


「喋れんじゃんかよ」

ボソリと優くんか嫌そうに吐き捨てました。

「………みたいですね」

目の前のやり取りから察するに兄の知り合いなのでしょう。

そういえば、留学生の出迎えに行くって言ってましたっけ。

この人のことだったんでしょうか?


自慢気な外人さんに、兄が嫌そうな顔でシミジミとため息をついてます。

が、気にしてないみたいです。メンタル強いですね。


「と、いうことで、改めてこんにちは。アドルフォ=インヴェルノ。気軽にアドって呼んでね。可愛いお嬢さん」

気がつけば流れるような動きで手を取られ、自己紹介とともに指先に口づけられてました。

うわぁ〜お。


ちなみに、速攻でお怒りな顔で兄が私の手を奪い取り背中に隠してくれました。

「すっごい過保護だ。本当にシスコンだ〜〜」

と、爆笑が聞こえましたけど。

うん、本当にメンタル強い。





「だから、悪かったって。午後から遊びに誘ったら妹との先約があるっていうから混ぜてってお願いしたのに、頑なに合わせようとしないからさ〜〜」

優雅にさえコーヒーカップを傾けながら、ちっとも反省してなさそうな謝罪が繰り返されております。


あの後、「時間だから」と優くんが居なくなり、とりあえず、適当なお店でティーブレイクしております。

なんでもアドルフォさん、勝手に抜け出して兄を追いかけてきたらしく。残された方々が大捜索しておりました。


眉間に深くシワを刻んだ兄が、生徒会へと連絡して発覚。迎えをやるから逃げないように足止めを頼まれたのです。

兄の機嫌が右肩下がりに下がっています。

あ〜ら〜ら。


「だって、妹の話をするとすごく優しい顔をしてたから、会って見たかったんだよ。顔はあんまり似てないけど、雰囲気そっくりだったからすぐ分かったよ」

おぉ!良い人です。

兄と兄妹認定されました!


思わずニッコリすると、笑顔が返ってきました。

ニコニコニコ。

笑い合う私達を見て、兄が深々とため息をついた後、何か諦めたような笑顔を浮かべました。


「しょうがない。悪いね、結愛。少しだけ、つきあってもらえるかな?」









読んで下さり、ありがとうございました。


前回の投稿より早くも半年以上。


ブクマ外さず待ってくださっていた方々。

本当にありがとうございます。


正直、間空きすぎて感覚が掴めず、1から自分で読み直しました(汗


イメージ、変わってたら申し訳ないです。

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