表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/121

中学生になりました②

投稿後、たくさんのご指摘があり、莉央君年齢詐称が発覚!15時過ぎに急遽手直ししておりますm(_ _)m

「お兄ちゃん、お待たせしました」

待ち合わせは中等部の校門前です。

入学式の後、みんなで食事に行こうと約束してたんですけど、お母さんが職場からの急な呼び出しで行けなくなっちゃったんです。




あ、お母さん、バイトで入ってたスーパーに就職したんです。

なんでも真面目に働いてるバイトに声が掛かるのは良くあるそうで、4年ほどバイトで働いてたら、本社の人に気に入られて勧誘されたと言っていました。


今、疑いました?

はい。正直、初めて話を聞いた時、私も疑いましたよ。

色恋系じゃないのかって。

仕事をエサに誘われて〜とか、いかにもありそうじゃないですか。


真面目になったとはいえ、化粧すると派手目の美人さんに変身するわが母。性格も明るく賑やかなので、軽そうに見えるんですよね。本人はもう恋は懲りたって口癖のように言ってますけど、ね。


結果から言うと、シロでした。

勧誘してくださったのは40代の女性で商品開発部門の責任者。

視察で回っていたそうですが、母の働くスーパーに来た時、毎回「イイな」って思う商品の陳列やポップが、母の手が入ったものだったそうで、そのセンスを買ったと言われました。


現在はその人の下で元気にオリジナル商品の開発に携わっているんですが、まぁ、楽しそうに働いてます。

そして、めちゃめちゃ忙しくなりました。

商品の大詰めになったら残業、休日出勤当たり前。ひどい時には泊まり込みです。


で、今日も忙しい中どうにか確保したお休みだったのですが、現在開発中の商品がトラブル発生と連絡が来たんです。

今の職場に大抜擢され2年目。

サブリーダーを任されたと張り切っていた母を見てきた私は笑顔で背中を押してあげました。


お仕事、大事。

特にやりがいのある楽しい仕事は貴重です。

母親が仕事に夢中で寂しいと拗ねるほど子供でもないですしね。

何しろ、社会経験ありますから。


そういえば、途中で投げ出す事になったプロジェクトはどうなったのでしょう?まぁ、優秀なメンバーが揃ってたからあまり心配はしてないですが。


話、逸れました。

という事で、急遽兄と2人ご飯になったのです。




兄もそのまま上の方に上がり、高等部に通っています。

相変わらずキラキラした友人たちに囲まれて楽しそうです。

中学から入ってきた夏樹君とは良いコンビ継続中でお家にもよく遊びに来ます。

たまにお勉強を見てもらいますけど、すごく分かりやすいです。兄は賢すぎて途中過程無意識に飛ばしちゃったりするんですよね……。


校門の前に佇んでいた兄が私の声に顔をあげにっこりと笑顔を浮かべます。

周囲でチラチラと兄を気にしていたお嬢様方から悲鳴があがりましたが、気にしません。

兄の周囲で黄色い悲鳴が上がるのも桃色空気が飛んでくるのももはや仕様です。

いちいち反応していたらキリがないのです。


「今来たところだから、大丈夫。経験者だからね、大体のタイムスケジュールは分かってる」

そう言って、さりげなく私の手からカバンを取り上げ、反対の手で手を繋いで歩き出しました。


あぁ、また悲鳴が上がってます。

なんだかいつになく敵意のある視線が多いのは……外部生からですね。

内部生では兄は有名なので必然妹の私の顔も知られてるんですけど、知らない人から見たら兄弟とは思ってもらえないんですよね〜。


いっそ髪を染めようかとも思うんですが、周囲からの反対の声が多すぎて未だそのままのキラキラ。

成長したらもう少し色がつくかと思ったんですけどね。


妹ですから大丈夫ですよ〜。

あなた達のライバルにはなりませんよ〜。

あ、でも、出来れば愛梨ちゃんレベル以下の子は遠慮してください。

素敵なお姉様、希望です。


「母さん、いなくなっちゃったし、少し予定変更してもイイかな?」

予定では、このまま近所のレストランへちょっと豪華なランチを食べに行くはずだったんですよね。

まぁ、確かに、予約してあるとはいえ保護者なしでは少し敷居が高いお店ではあります。


「良いけど、どこに行くの?」

首をかしげると挙げられたのは近所のショッピングモール。

「入学祝い、買ってあげるから、デートしよう」

笑顔の兄にちょっと迷います。

私服の兄は高校生には見えないので、充分保護者に見えるかもしれませんけど、制服で寄り道は少し気が引けます。


「………気になるなら、まず、服を買おう?春休み、結愛はお友達と忙しそうでちっとも時間が取れなかったし、たまには遊んで?」

迷っていたら上目遣いでおねだりされました!

て、言うか私より身長高いのに、なんで上目遣い……。

なんですか?その甘えたような顔は?私を殺す気ですか?なんか動悸が早くて心臓が痛いです。

いつもしっかり者の兄のおねだりとか貴重すぎます。


気づいていたら高速で頷いていました。

おねだり兄、恐るべし。

勝てる気がししません。

しかも、本当に嬉しそうな笑顔で手を引かれて仕舞えば、前言撤回なんて出来るはずもありません。全面降伏です。

すみません、お母さん。

結愛は寄り道する悪い子になります。







結局その後は兄に連れられるままに春物のワンピースとサンダルを買ってもらい、オシャレなカフェでランチして、話題の映画を見て帰ってきました。

久しぶりに兄と2人で遊ぶのはすっごく楽しかったです。


入学祝い?

ワンピース買ってもらったからと断ったのですが、いつの間にか腕時計を購入されてましたよ?

制服でも着けれるようにとシンプルなシルバーで文字盤のところが淡いピンクで可愛いのです。

まさに好みど真ん中。さすが兄。




ちなみに夕食はお婆ちゃんの心尽し。

母は帰ってこれず、次の日の朝にヘロヘロになりながらの謝罪と熱烈ハグをいただきました。
















読んでくださり、ありがとうございます。


兄のシスコンっぷりは健在です。

外見似てないし、私服だと結愛ちゃん大人っぽく見えるのでカップルにしか見えない疑惑……。


ちなみに兄は色々(・・)してるので資金は豊富です。

自分のお金で大学に行くが目標だったので。


お母さんも大出世(?)で頑張ってます。

あまり視野の広い人じゃないので、1つのことに夢中になるとそれに一直線。

今は仕事に夢中ですが、まぁ、子供達が大人なので温かく見守ってる感じ(笑)です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ