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お久しぶり、なのです③

気づいたらミニ動物園で1時間以上が経過してました。

ウサギもモルモットもヤギもミニブタも………。もふもふ天国で癒されました。

あぁ、しあわせ。


1度お茶を飲みに帰ろうと荷物を置いていた場所に戻ることにしました。

お昼にするにはまだ早いし、アスレチック回るには時間が微妙だし………何しますかね?

あ、池の方でボート乗るのも楽しいかもですね〜。


「み〜つけた」

この後の予定を話しながら歩いているとふいに後ろからそんな声がしました。

ビックリして止まれば横で小さな舌打ちが。

ん?舌打ち?


振り返れば少し茶色い短めの髪をワックスでツンツンに立たせた背の高い男の子。

「久しぶり、ゆあ」

にっこり笑顔で片手を上げられました。

背が高いですね〜美花ちゃんより少し高いくらいですか?

ん?どこかで見覚えが……。


「すぐる……くん?」

「おう!」

名前を呼べばにっこり笑われました。

「えぇ〜!ほんとにですか?随分、雰囲気変わりましたね〜?!」


なんと!幼稚園で一緒だった優君でした。

最後にあったのは1年以上前で、その頃はもう少し髪も長くてもっと素朴な……いかにもガキ大将な感じだったんですけど……。

よく見たら髪も少しパーマかかってて、服装もダメージジーンズに迷彩のタンクトップ。凝った作りのシャツを軽く羽織って、ニヤリと笑う仕草が様になってます。

某歌って踊れるアイドル事務所の男の子な感じです。


「なに?そんなにカッコよくなっちゃった?オレ」

フフンッと胸をそらす威張りんぼの仕草は記憶の中のままで、ちょっと笑っちゃいました。

「はい。カッコよくなっててビックリしちゃいました」

頷いて笑顔を返せば、なんでか片手で顔を覆って横を向かれてしまいました。

どうしたんでしょう。


「なんでここにいるの?」

と、隣で美花ちゃんの声。あれ?なんか機嫌悪くなってます?

「見つけたって言ったじゃん。2人を探してたんだよ。今日遊ぶって言ってたから、俺たちも混ぜてもらおうと思って」

ニッコリと優君。

ん?笑顔なんですが……なんか………。


「見つけたって、どうやって?私、ここに来るって誰にも言ってないんだけど?」

「ここら辺で子供が1日遊べる場所なんて限られてるじゃん?何箇所かピックアップして、後は人海戦術。ま、俺がビンゴだった訳だけど」

ニヤリと笑いながら優君がスマホを取り出してメールをどこかに送ってます。


「人海戦術?」

「そ。亮太とか真紀とか。みんなと会いたくない?ゆあ?」

あげられた名前は幼稚園で一緒だった子たちの名前で。

「え?皆んな居るんですか?」

「ん〜。結構な。俺が声かけたのは3〜4人だけど、そっから広がってそうで、何人集まるかな〜?」


驚きの発言にビックリして固まっちゃいました。

なんでそんなに集まってるのかは分かりませんが、じゃぁ、卒園以来会ってなかった子とかももしかしたら集まっちゃうんですかね?


「……やってくれたね、優」

「………お前が独り占めしようとするからだろ?自業自得」


なんだか2人がヒソヒソしてますが、そうしてる間にも遠くの方から……。


「あ〜〜!いたいた!お久しぶりぃ〜!」

女の子が走ってきました。

え〜と、あれは。

「真紀ちゃん!すみれちゃん!」

思わず私もそっちに向かって走り出した私の後ろで、美花ちゃんが肩を落としてから「しょうがない」というように苦笑したのも、それに笑う優君が鳩尾1発食らって崩れ落ちたのも、全然気づいていませんでした。

「お久しぶりです〜〜!!」




結局、その日20人くらいの子達が集まって来ました。

中には他の小学校に行った子達もいて、まさにプチ同窓会状態。

優君が回したメールで商店街の方に行ってた子達がお昼ご飯を買ってきてくれて、皆んなで分けっこして食べました。


普段あんまりファーストフード系は食べないので、めっちゃテンション上がりましたよ〜。

フライドチキン〜ハンバーガー〜〜。

あ、ちょっと恥ずかしかったけど私のお弁当も提供して食べましたよ。

たくさん作ってきて良かったです。

皆んなに美味しいって言ってもらえて嬉しかったです。


そうそう、優君がお洒落さんになってた理由を聞いてさらにビックリでした。

なんと、子役さんとしてデビューしていましたよ。

今は事務所に所属してレッスンの日々だそうで、それで忙しくて会えなかったそうです。

ティーンズ雑誌のモデルや舞台のちょい役とかしてたそうですが、なんと最近テレビドラマの準主役のオーディションに受かったそうです。

目指せ「歌って踊れる日本一のアイドル俳優」だそうでその欲張りな目標に優君らしいなって笑ってしまいました。


「そんなに色々、大変ですよ〜?」

「目標はでっかい方が良いだろ?ちゃんと努力もしてるよ」

胸を張って宣言されました。

キラキラの笑顔が眩しいですね。

美花ちゃんは「どっから来るんだその自信」ってあきれ顔でしたけど、優君なら本当になっちゃいそうな気がします。


思わずお願いして一曲歌ってもらいましたよ。

今、流行ってるアイドルの曲。ダンスまで完璧でした。

皆んなで大絶賛したら、流石にちょっと恥ずかしそうでしたけどね。


ご飯食べながらたくさんお喋りして、折角だからと皆んなでアスレチックも回って、更には鬼ごっこや缶蹴りなんかの懐かしい遊びもして。

すっごく楽しい1日でした。






「で、ですね。また、皆んなで集まって遊ぼうねって約束したんです。アドレスもいっぱい交換しちゃいました」

今日1日で一気に充実したアドレス帳にホクホクしながら、隣に座った兄に写真を見てもらいます。


「そっか、楽しそうだね。皆んな元気だった?」

小さな画面の中で歌いながら踊っている優君を眺めながら、兄がにこにこ話を聞いてくれるのが嬉しくって、寝る時間ギリギリまでいっぱい話しちゃいました。


美花ちゃんだけでも嬉しかったのに、思わぬ人たちに会えて、今日はとってもビックリで嬉しい1日でした。

定期的に皆んなで集まって遊びたいね、って話も出てるし、本当にそうなったらと思ったらワクワクしちゃいますね!


今日は良い夢見れそうです。

おやすみなさい。



読んでくださり、ありがとうございました。


独り占めしたくて画策した美花ちゃんはちょっとガッカリだったけど、ゆあちゃんの笑顔を見て「まぁ、いいか」と素直にあきらめ。

まぁ、個人的にお宅訪問もしてるし、ゆあちゃん喜ぶなら今日は譲るか……と。


優君はガキ大将から突然変異。

まぁ、「爽やか元気少年」路線を狙ってるので、そこまで大きく変わってはいないのかな?

美花ちゃんとは幼稚園以来の変わらぬライバル関係、な感じです。

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