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転生したらネグレクトされてました⑤

よろしくお願いします。

みなさん、こんにちは。

ただいま、病院に入院中のゆあです。


結局あの後、目が覚めたら病院に居ました。

肩は脱臼した所を落ちた時に変に捻ったらしく、暫くはリハビリしないといけないそうです。

今のところ、脱臼戻した後、動かさないようにぐるぐる巻きにされているので、そんなに痛くはありません。

ただ、利き腕だったのでご飯が大変です。


兄は、肋骨骨折と、内臓に損傷及び全身打撲で私より大変だったみたいです。

頭も蹴られてたみたいで、2日程ICUに入ってたけど、今は無事出られて一緒の病室に居ます。

いつも一緒にくっついていたので、そばに居ないと落ち着かないし良く眠れないんですよね〜。

こっそり兄のベッドに潜り込んでは看護婦さんに呆れられてますが気にしません。

中身はともかく、外見は2歳児なので、呆れながらもお目こぼしして貰ってますが、ベッドから落ちないように兄のベッドが柵つきのに変えられちゃいました。

1メートルくらいの柵がベッドの周りをぐるっと囲ってあるんです。

柵を下ろすのにコツが必要……というか、私の手では届かなくておろせません。

実質軟禁ですよ、これ。

己……白衣の天使の笑顔が悪魔に見える。


母親とは、目が覚めて直ぐに抱きしめられ泣いて謝られました。

更に、母方の祖父母が駆けつけましたよ。

なんでも、全国ニュースに流れた時にチラリと母が映り込んだらしく、慌てて駆けつけたそうで。

母親は、兄の父親との結婚を反対されて駆け落ちしてたそうです。

その後も気まずくて帰れず、祖父母はその間も探したり心配したりしてたそう。

……なにやってんですか、お母さん。


ちなみに祖父母はとても優しそうな普通の人たちでした。

なんで、この人たちから、こんなぶっ飛んだ母親が産まれてしまったのかは謎です。


もうひとつおまけに、男は逮捕されました。

私達への虐待や傷害を皮切りに、叩くといろいろ出てきたらしく、一時期は母親も共犯を疑われて大変だったみたいです。


どうも、逃亡潜伏していたようで、だから外に出ようとしなかったんですね。

なんて人を捕まえてきたのかと、知った時はびっくり通り越して呆れましたから。

お母さんは、もう少し男の人を見る目を養った方がいいと思います。


え?なんで子供がそんなに詳しく内情を知っているのかって?

二歳児に大人の話は理解できないだろうと、結構皆さん目の前でいろいろ話してくんですよね。

看護婦さんって、結構情報通です。


なんだか、怒涛の展開でしたが、兄の体が良くなって退院したら、祖父母……つまり、母親の実家に行くことになるそうです。

これで少しは母親が落ち着いてくれるといいなぁ。

愛の狩人(笑)だから、無理かしら?


「にー、いたい?」

「うん、いたいから、やめて」

なんとなく目にとまった痣を指で押しながら尋ねると、真顔で返されました。


本当はギュとかしたいんですが、私は片手だし兄は骨折その他が痛むしで、大人しく横に転がってるんですが……暇です。

面会は午後からだし、付き添ってた母親は呼び出されてどこかに行っちゃったし、病室には今は2人しか居ないのでとても静かです。


ボンヤリと隣に転がっていたウサギのぬいぐるみを片手で抱きしめました。

手触りのいいそれは、昨日、祖母が持ってきてくれました。

柔らかい感触に、ようやく、このサバイバルな生活が終わろうとしているのを感じました。

もう、明日のご飯の心配や、出ていった母親が帰ってこないんじゃないかと怯える事は無いんだと思うと、知らず涙が溢れました。


「どした?ゆあ、どっか痛い?!」

突然声もなく泣き出した私に兄が慌てて飛び起きて、痛みに呻いています。

それに、笑ってしまいながら、片手で兄に抱きついてみました。


「にー、ずっといっしょ?」

思えば、今世ずっとそばに居てくれた兄。

この人がいたから、私は今まで生き延びてこれたんだと思います。

母親にも思っていたより愛されていた事は今回の件で知りましたが、それとこれとは別なんです。

言葉をねだれば、兄はにっこり笑って頷いてくれました。

「もちろん。ずっと一緒にいるよ、ゆあ」




最初の目標、兄と生き延びる。クリア。

次の目標は、何にしようかな?







読んでくださり、ありがとうございました。

とりあえず、ひと段落。

だけど、彼女のトラブルはまだ続きます。


ジャンル別一位、総合32位びっくりでした。

ありがとうございました。

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