進級しました。①
お久しぶりです。
「みんなが僕をあいつと比べるんだ。どんなに頑張っても叶わないのに。
僕はダメなんだ。頑張ってるのに……頑張ってるのに」
小さな児童公園のブランコに座りポロポロと涙をこぼす少年を少女は困ったように首を傾げた。
「シュウ君はシュウ君なのに、他の誰かと比べるなんて変です。私は頑張ってるシュウ君の事凄いと思います。ダメなんかじゃ無いです!」
サラサラの黒髪を撫でて一生懸命言葉を紡ぐ少女を、少年は涙の残る視線でジッと見つめた。
「ぼくは僕のままでいいと思う?失敗しても不器用でも、良いのかな?」
縋るように自分を見つめる少年に少女は力強く頷いた。
「良いんです!私はそのままのシュウ君が好きです。髪飾り無くして泣きそうになってた私に声をかけてくれて、一緒に探してくれた優しいシュウ君がだいすき」
「………だいすき?」
笑顔で頷く少女に少年の頬がふわりと赤く染まる。
「それに、誰かの真似なんてしない方が良いです。、真似っこして偉くなったって、そんなの偽物にしかなれないんですから」
「………偽物は嫌い?」
そろりと尋ねられ、少女は首を傾げ、しばらく考えた様子だった。
「それで、シュウ君が苦しく無いなら、それでも良いと思います。でも、そうじゃ無いんでしょ?」
尋ね返され、少年はしばらくの沈黙の後、力強く頷いた。
「僕は、僕のまんまを好きになってほしい。「僕」を大切にしてほしい」
「じゃあ、それで良いんじゃ無いですか?」
自分の意見を肯定され、少年が嬉しそうに笑う。
それは、何かが吹っ切れたような、とても清々しい笑顔だった。
(…………なんだか、懐かしい夢見ましたねぇ)
目覚まし時計を止めながら夢を反芻しています。
おはようございます、ゆあです。この度無事小学3年生へと進級しました。
確か、あれは誘拐される少し前のことですから……もう、何年前でしょう?
迷子になってたどり着いた公園で会った男の子。髪飾りをなくして探してた私に声をかけてくれて、一緒に探してもらって、そうして、仲良くなったんでした。
と言っても、髪飾りをなくした時と、その後、公園に行ってもう1回会っただけなんですけどね。
その後は、トラウマの為、自分1人じゃ外出できなくなって、そのまま。
お家は知らないし、家族にも内緒の友達だったので、会えなくなっちゃったんですよね。
ちょっと家から離れたところにある公園で、普段行っても良いと言われていた範囲の外にあった為、なんとなく、家族には言い出せなかったんです。
確か1つ年上で名前が……なんでしたっけ?シュウ君って呼んでたけど、それってあだ名だった気がします。もう少し、長かったような?
……ダメです。思い出せません、ね。
夢は2回目にあった時に実際に起こったやり取りです。
習い事の何かがうまく行かなくて落ち込んでたのを一生懸命慰めたんですよね。
最後は笑ってくれたから、慰め、成功したとは思うんですけど。
優しくて、とても笑顔が素敵な子でした。
あのほんわかした気持ちは、今思えば、初恋のようなものだったのかもしれませんね。
なんで今更あんな夢を見たのか分かりませんが、なんとなく暖かい気持ちになれたので良しとしましょう。
とりあえず、いつまでも夢の余韻に浸ってないで、さっさと起きてやる事をやってしまいましょう。
今日から兄は校舎が変わるし登校時間も少し早くなるので、一緒に学校行きたいのなら、早起きしなくてはいけないのです。
と、いうわけで、服を着替えて、日課のジョギングに出発です。
行ってきます!
読んでくださり、ありがとうございました。
小学校3年生になりました。
ちょっと恋愛風味な章になれば良いなぁ、と願いつつ(汗)
しばらくは続けて投稿できると良いなぁ〜、と。
………頑張りますm(_ _)m
1/27 冒頭の少女の口調変更しました。