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遠足へ行こう♪③

迷子の迷子の子猫ちゃん〜、あなたのお家はどこですか〜♪

みなさんこんにちは。お察しの良い方はもうお分かりでしょう。

現在、絶賛迷子中のゆあです。

……ドウシテコウナッタorz




次のポイントに向かう途中のエリア指定、は「鬼さんから逃げろ」。

簡単に言うと鬼ごっこでした。

とは言っても、そこそこ広いエリアに鬼役は3人らしく、まぁ、会わないんじゃないか、とタカをくくってたんです。

が、そうは問屋が卸しませんでした。


「に〜げ〜ろぉ〜〜」

前方より叫びながら走ってくる団体さん。どうも先行していたチームが鬼に見つかり、逃げてきたらしいです。ご丁寧に鬼を引き連れて……。

障害物にうまく隠れてやり過ごせば良いと、今ならわかるのに。

反射的に走り出してしまった自分を叱りたい。


最初は繋いでいた手は、足の遅い私のせいで後続集団に巻き込まれたごちゃごちゃで離れてしまいました。


で、気づけばひとりぼっち、です。

幸い鬼には捕まらなかったけど、みんなとはぐれてしまうというスタンダード。

う〜ん、困りました。


しかも、外れの方まで流されてしまったみたいで係りの人も見当たりません。

さて、どうしましょう。

とりあえず、植物園境界線のフェンスがあるので、そこからまっすぐ真ん中の方に向かって歩いていきましょう。

そのうち、誰かに会うでしょう。


「にゃんにゃんにゃにゃーん」

ちょっと心細いのを振り払う様に、元気よく歩いていきます。

実は一人ぼっちって苦手なんですよね……。

ちなみに知らない場所のトイレも1人では行けません。

未だに残るトラウマの影響らしいです。


だんだん思考が落ち込んできて足が止まりそうになります。

うぅぅ。ダメダメ。

ここで止まったら本当に泣きそうです。

「いぬの〜おまわりさん、こまってしまって〜」

「誰かいるの?」

やけになった様に声をはりあげるとどこからか人の声が聞こえました。


「ここです!迷子です!」

反射的に大きな声で返事をすれば、ガサガサと道の脇の茂みが揺れてぴょこんと飛び出てきたのは……。

「東堂先輩?」

さっき壇上で挨拶していた今回のリーダー、東堂さんでした。


「はい。東堂伊織だよ。元気な迷子だね。君がゆあちゃん?」

にっこり微笑まれて、目の前にしゃがみこまれました。

こくりと頷くとそっと手が伸ばされ頬を撫でられます。


「君がはぐれたって連絡があって、近場にいた手すきのメンバーで探してたんだよ。ずいぶん遠くまで来ちゃってたんだね。見つけるのが遅くなってごめんね?」

優しい声と指先に張り詰めていたものが緩んで思わずベソをかいてしまいました。


「うん。我慢して偉かったね。もう直ぐお兄ちゃん達来るから大丈夫だよ」

耳につけていたインカムで連絡を取りながら、東堂さんは私の頭を撫でてくれました。

「ありがとうございます。ご心配かけてすみません」

その手の優しさに少し落ち着いてきて、ぺこりと頭を下げました。

きっと1番忙しいだろうに、迷子の対応までさせてしまって申し訳ないです。


「大丈夫だよ。探したのは僕の勝手。従兄弟が自慢するから、僕も会ってみたくってさ」

「従兄弟さん?」

「そう。冬乃院って覚えてる?前に押しかけたんだろう?」

面白そうな顔に、とりあえず頷きます。

「入学式の日、お会いしました。兄の友達、です」


東堂さんはさり気なく私の手を取り歩き出しました。

「そう、それ。すごく可愛かったって自慢してたから、僕も会ってみたかったんだよね。だから、ここにいるのは僕の我儘だから、気にしなくて良いよ」

パチン、とウィンクされました。

女の子にこういうのもなんですが、なんだか、本当にイケメンさんです。


「2人っきりで手をつないで散歩、なんて、ラッキーだね。綺龍のやつに自慢してやろう」

「自慢、ですか?」

くすくす楽しそうな東堂さんに首を傾げます。こんなの、自慢になんてなるんですか?


「そう。面白いリアクションしてくれるんだろうなぁ。あ、僕のことは伊織で良いよ?」

なんだか今、黒い物がチラリと……。

うん、気のせいだって事にしときましょう。

藪をつついてもロクなものは出てきません。


その後、無事にみんなと合流した私は軽いお説教の後、ゲームへと戻ったのでした。





読んでくださり、ありがとうございました。


僕っ子登場(笑)です。

なんか意味違う気がしますが。

皆様の予想通り、男の子を押しのけて6年人気の堂々トップ1です。

ちなみに児童会長もしております。

年の近い従兄弟をからかって遊ぶのが大好き。面倒見は良いので今後もちょろちょろしますよ〜。

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