サクラサク
『サクラサク』
って、わけで、無事兄と一緒の小学校に入る事が確定しました。ゆあです。
嬉しいんですが、正直ビビりましたよ。
そもそも半分くらいは受かると思ってなかったし。
だって私立の小学校って授業料高そうじゃないですか!
かと言って、6歳児がお金の心配ってしますかね?しても不自然じゃ無いですかね?
葛藤の後、やっぱり気になってこそりと母に聞いてみました。
送られてきた入学説明の書類をさりげにひっくり返し、出てきた授業料や必要経費の紙を見つけ出し、無邪気に0を数えてみせたんです。
内心、驚愕の金額に変な汗が出そうになりましたけどね。
「0がたくさん!お金たくさんいるの、大丈夫?」
「ゆあのお金があるもの。大丈夫よ」
「ゆあのお金?」
内心冷や汗、外観あくまで軽く聞いた私に母は、これまたアッサリと答えてくれました。
しかし、私のお金とはなんぞや?
「ゆあのパパがね、一緒には居てあげられないけどお金の苦労だけはしなくていい様に、って、さよならする時にたくさんお金をくれたのよ」
にこにこ笑顔ですが、それって手切れ金……?
「ゆあのものだし、ママ取っておいたんだけど、役に立って良かったわね〜」
何気無く見せてもらった通帳に今度は別の意味で変な汗が。
なんなら、大学までの資金がしっかり出せそうな金額が入ってたよ。普通預金になんてく金額を……。怖っ!
しかし、母よ。
兄の父といい、どこでひっかけてきたんですか?てか、私の父親って何者なんですか?
なんか聞きたいけど聞きたく無い。
自分の容姿から日本人では無いんだろうなぁ、とは思ってましたけど。
しかし、通帳からはほとんどお金が引き出されてませんでした。
たぶん、出産費用とか……くらい?
良く、暴力男に搾取されませんでしたね。
「ゆあの学費、ここから貰うからね。さすがにママのお給料じゃ無理だしさ。お兄ちゃんのもお兄ちゃんの通帳から貰ってるのよ〜」
詳しく聞けば、普段はこの通帳は貸金庫の中に預けているらしく、今回は学費引き落としの手続きのために一時的に出してきたそう。
「ママうっかりものだから、なくしたりしない様に大事なものはここにしまっときなさいって作ってもらってたの。便利よ〜」
あ、それで無事だったのか。納得です。
しかし、意外と言っては失礼ですが、母の堅実な金銭感覚にびっくりです。
宵越しの金は持たないタイプかと思ってました。
「だってゆあや莉央のお金をママが使うの変じゃない」
心底不思議そうな顔で首をかしげる母に、祖父母の教育の一端が見えましたよ。
母は単純だけど、馬鹿ではなかったんだなぁ、と。
親に持つには非常に失礼なことを考えつつ、安心して学校に通えるのは良いことですね。
受験の時に仲良くなった陸斗君と愛梨ちゃんからはお手紙が来ました。
お家の都合でなかなか会うことは出来ないですが、春には同じ学校に行けるし、会えることを楽しみにしておきましょう。
美花ちゃんとは学校が別れちゃうけど、お家は近いのでお休みの日には一緒に遊ぼうと約束してます。
お友達1号ですからね!
今日はこれからランドセルを買いに行くんです。
最近はいろんな色やデザインがあるけど、やっぱり女の子のランドセルと言ったら赤ですよね!
デザインもできるだけシンプルで、が、理想です。
母は、ピンクや紫も可愛いわよ〜と誘惑してきますが、コレだけは譲れません。
お金持ち学校でもランドセルなのかって?
様式美って大切ですよね!
では、行ってきま〜す!
読んでくださりありがとうございます。
母は意外な所でしっかり者だったというお話でした。
単純に手元にないお金は無いものと同じって感覚だったのもあるとは思いますが。
そして、ゆあちゃんのお父さんの存在が浮上。
母はマジでどこで引っ掛けたのか(汗)
「大事なものは〜」は、こっちの父の指導です。
なんか他にも色々入ってそうでちょっとドキドキですね。、