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お受験です!①

お久しぶりです。

新章始まります。

皆さん、お久しぶりです。ゆあです。

あれから、特筆するほどの事件もなく、のんびりとした日々が続きました。


この世界に生を受けて、1番穏やかで平和な日々だったんじゃ無いかと思います。

まぁ、ちょっとトラウマと戦ってみたりはありましたが、年長さんの頃には無事幼稚園に復帰できましたしね。


外に出るときには誰か大人(か、兄)が、片時も離れず、でしたけど。

まぁ、子供なので気にしません。

元々、兄とベッタリだったのはデフォでしたしね。


あ、そう言えば、兄が3 年生の途中で転校しました。

私立の学校で、同じ敷地内に小学校から高校まであり、お金持ちの子供が多い為、セキュリティがしっかりしているそうで……。




「先に入ってどんな所か確かめてくる。で、良さそうならゆあも来れば良いよ」

と、非常に軽い言葉と共に兄は……。


基本、途中編入は認められていない学校なのに、どんなマジックを使ったのか試験を受け、満点を叩き出して鳴り物入りで転入。


最初こそ遠巻きにされるものの、4年に進級する頃にはすっかりクラスの中心人物と化していたみたいです。


「金持ちを鼻に掛けるバカもいるけど、基本のんびりおっとりな人物ばかりだし、噂通りセキュリティシステムもシッカリしてる。何より、高校まで基本持ち上がりで行けるから、長く同じ学校に通えるよ」


結果、兄のお眼鏡にかなったらしく、キラッキラの笑顔で小学受験を勧められました。


でも、小学校受験って片親だと不利とか親の経済状況見るとか聞いてたんですけど、その場合、ウチってアウトなんじゃ?

あ、でも兄が入れたって事は、そこら辺はクリアしてるんですかね?

謎です。


まぁ、受けろと言うなら受けましょう。

祖父母も母親もなんだかその気ですし、色々と心配かけた身としては、セキュリティが気になるのも分かりますしね。

受かったらラッキー、くらいで気楽にいきましょう。


当日は、母親と父親代わりの祖父が付き添ってくれるそうです。

一応、お受験対策(笑)として、3回セットの塾の様な所に行きましたよ。

未知の世界でなかなか面白かったです。


チョット前世の就活思い出しました。

様式美ってありますよね。

面接対策ってどれもあまり変わらないんだなぁ、って思いました。


中身大人な身としては、理路整然と対策練ってくれてる方が理解しやすいしやりやすいです。

子供の無邪気さとか……うん、いろいろ厳しいですしね〜。

思わず明後日の方向を見ちゃいましたとも。




「ねぇ、お兄ちゃん。頑張るけど、もしダメだったらゴメンね?」

明日は受験当日。

今更特に何もする事は無く、兄にのんびり絵本を読んでもらっている中、ふと思いついて口にしてみました。

正直、私的に勝率は半々な感じなんですよね。


「その時は、また転校するだけだし、大丈夫だよ。セキュリティ問題は……まぁ、また考えるから大丈夫」

そして返ってきた答えに私の口がパカンと開きました。


え?せっかく入った学校辞めちゃうんですか?そもそもセキュリティがどうとか聞こえたけど、公立の学校に何する気ですか?


「だって、ゆあと通えなきゃ意味ないし。ま、また夏樹と連んでも楽しいだろうしね。確かに学校の施設等は充実してるけど、ゆあと一緒の学校の方が楽しいだろ?」

私の心の声が聞こえた様に、返事が返ってきますが……。

兄よ、いろいろ間違ってる気がします。

でも、そもそも兄が転校したのは私が守られる環境か確認する為って言ってたくらいだから、間違ってないのかな?……あれ?


考え込んでしまう私の頭を兄が撫でてくれました。

「まぁ、あんまり考えなくても、ゆあがゆあとして行動すれば落ちる事は無いと思うよ?楽しんでおいで」

「私が私らしく?」

にっこり笑顔の兄の言葉は難しくて悩みますが……。

まぁ、そうですね。

折角なので楽しんできましょう。


明日の試験は1日かけてペーパーから運動まで幅広いのです。

なんと給食まで出るらしいのですよ。

セレブな小学校の給食。楽しみです。

ちなみに私は揚げパンとハンバーグが好きでしたね。


「なんだか楽しみになって来ました。お友達、作ってきますね〜」

ウキウキした気分のままに、私は兄ににっこりと笑い返しました。












読んでくださりありがとうございました。


そして兄が相変わらずぶれません。

ちなみにお友達にも「万が一妹落ちたら元の学校戻る」と公言してます。

普通受け付けない途中編入の座を兄がどうやって勝ち取ったかは……想像にお任せします。

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― 新着の感想 ―
[一言] お兄ちゃん強すぎて好き
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