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桜咲く幼稚園は……①

よろしくお願いします。

みなさん、こんにちは。

桜咲く4月です。

この度無事に幼稚園に通うことになった、ゆあです。


なぜか心配性の兄の反対で危うく幼稚園受験に巻き込まれそうになりましたが、「に〜にと一緒の小学校行くの!幼稚園も近くが良い!」とごねて、どうにか難を逃れました。


そもそも我が家の状態では、面接時点で落とされないでしょうか?

とは、とても兄には言えませんでした。


ともあれ、同じ年のお友達ですよ!

男の子も女の子もどっちも欲しいです。

なにしろ、去年の兄と同じで私も同世代の子との交流は無かったので、ちょっとドキドキです。


とは言っても、中身は立派な大人ですからね。

お友達作りなんて簡単ですよ。任せてください。




………なんて、調子こいてた時もありました。

ただいま絶賛ボッチ中です。

ドウシテコウナッタ。


って、原因はなんとなく分かってるんですけどね。

現実逃避しても虚しいだけなので、サクッと原因究明しましょう。


①見た目問題。

子供って鏡を見ないので、あんまり気にして無かったというか、気づいて無かったんですけど、どうも父親がお外の国の方だったみたいでですね。


金茶色の天パに同色の瞳。幼児ながらに通った鼻筋にバサバサまつげも金茶色で。更に日本人にしては白い肌。

がっつり向こうの血が出ちゃってるみたいなのです。


兄の同級生や大人の方には好評なビスクドールな外見は、どうもちびっ子達には「自分とは違う」と不思議だったみたいで遠巻きにされちゃいました。


②性格の問題。


そもそも私、前世では交流関係極小なオタクでした。

友達?……察してください。片手で足りるくらいしかいませんでしたが、何か?

そんな私が友達作り……。しかも相手は本能で相手を見抜く幼児軍団ですよ。

無理ゲーです。レベル高すぎです。

コチトラ無邪気とは無縁のアラサー女ですよ?


結果、隅っこで大人しく絵本を読むボッチ少女の出来上がり、です。

いっそ、やさぐれて経済新聞でも持ち込んでやりたい気分ですよ。

天才少女現る、とか……いえ、やりませんけどね。


更に、問題がもう1つ。


「おい、ガイジン。何やってんだよ。ガイジンのくせに日本語読めるフリしてんなよ!」

座り込んでる私の前に立つ、小さな人影。


腕を組んで仁王立ちしているお坊ちゃんが、現在私にちょっかいかけてくる、クラスのリーダー的存在です。


短めに切ったツンツンの髪に赤いほっぺには絆創膏。

よく見ればなかなか整った顔立ちで将来有望なんですが、現在は意地悪そうに目を眇めてこちらをみくだ……じゃ無かった、見下ろしているのでマイナス5点ですね。


「………読めるもん」

ちっちゃな声で反論してみます。

中身は大人でも外見は子供。で、同じくらいの子に囲まれてしまえば、やっぱりチョットこわいです。


「嘘つけ、ガイジン」

「痛いっ!」

キッパリ決めつけられた後、髪を引っ張られました。

兄に三つ編みに結んでもらったのに、リボンが取られちゃいました。


「返してくだしゃい!」

思わず立ち上がってリボンを取り返そうとしますが高く手を挙げられて届きません。


そう。

幼稚園に入って気づいた新事実。

私、チビでした。

前から数えたほうが早いくらいです。

…‥すみません、見栄を張りました。ぶっちゃけクラスで1番のちびっ子です


考えてみれば、早生まれなんで当然なんですけど、ね。

この年頃だと数ヶ月違うだけでだいぶ差がつくんですよ?

対する相手は4月産まれ。かないっこありません。


「へ〜んだ、取り返してみろよ!」

手を上に掲げたまま走って行ってしまいました。

取り巻きの子たちも一緒に居なくなるのを呆然と見送ります。


リボンの下にちゃんとゴムで結んであったので解けることはありませんが、二本おさげで片方だけリボンがないとかなり情けない感じです、ね。


しゅるりと残っていたリボンを解くと、涙がポタリと溢れました。

朝、笑顔でリボンを結んでくれた兄の顔が浮かびます。


淡いピンクにウサギのイラストが織り込まれたリボンは、兄がお小遣いを貯めて買ってくれたものでした。


今迄除け者にされても、意地悪されても我慢していたものが、プツリと切れました。

そう。相手は4歳児。ムキになるのも大人気ないと我慢してたんです。


けど、今世では私もまだ幼児。

身体がそうだと中身も引きずられるんですかね?

気がつけば大声出して泣きじゃくってました。


慌てて駆けつける先生。

理由を聞かれてもリボンを握りしめて泣くだけの私に、近くでやり取りを見ていたらしい女の子が状況を説明してくれてました。


捕まえられた男の子は、それでも意地があるのか謝ろうとはせず、リボンも「捨てた」「知らない」と頑なに首を横に振ってたみたいです。


私は泣くのが止まらずにいたから、良く分からないんですけどね?

泣きすぎて引きつけ起こしたっぽくなったみたいで、気づいたらお家でした。


どうも、幼児退行起こしてイヤイヤしながら「おうちかえる」「に〜にんとこかえる」の一点張りだったみたいで……。




うん。

学習しました。

ストレス溜めたらダメですね!


先生もっと早く介入しろよ、と、突っ込んではいけません。

ゆあちゃん泣かないし、子供の「気になる子ほど〜」だろうと微笑ましく見守っちゃってました。

って事にしてて下さい。


読んでくださりありがとうございました。



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