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閑話 転生者の宴(……にたどり着かなかった)

息抜き投稿。

本編にあまりかかわりないです。

はい、みなさんこんにちわ。結愛です。

お兄ちゃんの気にしていた転入生が、実は転生前の親友だったという衝撃の事実にびっくりしたあの日から3日。

今日は我が家でお茶会です。


エリー改め、四季原芽衣子ちゃんと、敦史改めレミジオ=ブルグネティさん。

そう、いわゆる転生仲間、ですね。

ちなみに、エリーと敦史は面識あります。

前世の私の家に遊びに来ていた時に遭遇して、紹介したのが始まりですね。

何しろ、敦史、第二の我が家のレベルでうちに入り浸ってましたから。


仲は……あまりよくなかったですね。人見知りの上に特に男の子が苦手だったエリーにとって、コミュ力お化けな敦史は劇薬だったようで。

初対面時はほぼほぼ背後に隠れて出てきませんでしたし、少し慣れてきた頃には、ガルガル威嚇してました。私の背後から。

まあ、敦史関係で学校にまで突撃してくるお嬢さんたちを知っていたので、なおさら苦手だったのでしょが。


敦史は気にしてない様子で、見かけたら気軽に声をかけてきてましたけど。

まあ、コミュ力お化けでしたし。

人類みな友人な奴でしたし。


で、一応お互い知り合いだったことですし、内緒にするのも変ですし、せっかくなのでお茶会でもしてみようとなったのです。

ちなみに、我が家になったのは、兄と友人のためレミジオとして我が家に来ても不自然ではなかったから、です。

外で会うと、いろいろと面倒がおきる可能性がありますからね。


レミジオさん、イケメンなので人気が高いのですよ。

そんな人と、外で会ってるの目撃されたら、その後の学園生活に支障をきたす可能性があるのです。


と、芽衣子ちゃんに力説されました。

確かに、言われてみればそうだなぁ~と納得して、では狭くて恐縮ですが我が家へご招待となったのです。


で、現在。


私の部屋で3人顔を合わせてるのですが。

沈黙、ですね。

あれ?なんで?

もっと、こう。

なんか和気藹々となると思ってたんですけど?


「あの……‥なんでお二人、固まってるのでしょう?」

首を傾げれば、困った顔の芽衣子ちゃんと無表情のレミジオさん……いえ、あれは呆れてる顔でしょうか?


「確かに、レミジオさんも転生者だとは聞いてたけど。死にキャラだったレミジオが生きている以上、何かあるんだろうなって思ってたから納得もしてたけど……」

固まっていた芽衣子ちゃんがプルプルしてます。


「中身がこいつだなんて聞いてません!!」

叫ばれました。

「あれ?言ってなかったですっけ?」


「俺は聞いてたけどな」

首をかしげると、苦笑しながらレミジオさん。

「多分、俺との連絡内容とごちゃごちゃになって勘違いしたんだろう」

しょうがないなあ、って笑う顔に、なんだか大人な包容力がにじみ出てますね。


「なに、俺はすべてわかってます感出してるんですか?そういうところが昔から嫌いだったんですよ!!」

それを見て叫ぶ芽衣子ちゃんには、大人感はみじんもありませんねぇ。

同じ年なはずなんですけどこの差は何でしょう。

けど、前世(昔)なら、人に対して叫ぶなんてできなかったから、これも成長ですか?


首をかしげている間も二人のやり取りは(一方的に)ヒートアップしていきます。

「だいたい、なんでまた側に来てるんですか?ストーカーですか?また、サーヤに迷惑かけてるんでしょ!イケメンなんて敵です!!顔変えて出直しやがれ、です!」

「思った以上にすごいな、ちょっと落ち着け」

ついにはレミジオさんの襟首つかんでぶんぶん振り回そうとしてますが、サイズ的に厳しいみたいでびくともしません。


芽衣子ちゃんが非力なのか、レミジオさんが頑丈なのか?

……両方ですかね?


「はい、落ち着いて、四季原さん。どうどう」

思わず遠い目をしていると、いつの間にか現れた兄が、背後から芽衣子ちゃんを引き離してます。

テーブルの上に飲み物とケーキがあるので、持ってきてくれたんでしょうね。


「怖がりな彼女がこんなに嫌うなんて。一体どんな人物だったんだい、君は?」

そして、呆れたような眼をレミジオさんに向けてますが、誤解・・・・と言い切れないのが苦しいところですね。


「しょうがない。前世むかしは、彼女を取り合ってライバル関係だったんだ。お互い少しでも多く彼女の関心を取りたくてしょうがなかったんだよ」

両手をホールドアップして見せながらも、軽く肩をすくめて返してますけれど、微妙に答えになってない気が。

そんな私の視線に気づいたのか、レミジオさんがクスリと笑いました。


「そうだね。しいて言うならアドみたいな感じかな?」

「……それは、想像がつかないな」

「まあ、容姿もだいぶ違うしね。育ってきた環境もあるから、性格だって変わるよ」


穏やかに交わされる会話に、興奮状態だった芽衣子ちゃんもだいぶ落ち着いてきたみたいですね。

というか、今の自分の状況に気づいたら、別の意味でパニックになりませんかね?


至近距離で向かい合うイケメン二人に挟まれ、さらにはその片方の腕の中に抱き込まれたまま。

三人とも容姿が良いので非常に眼福ですね。

目の前で青春物のドラマが展開されているみたいです。


というか、本当に、兄の距離感が近いです。

基本、身内以外の人との距離が遠くて、触れられるの嫌いなんですけどね。

引き離すときに背後から抱き込んだまま。

さっきまで芽衣子ちゃんがつかみかかろうとしてたから抑えるためだったんでしょうけど、今は大人しくなってますし、もう離しても大丈夫だと思うんですけど。


……なんかもやもやしますね。

「お話し中申し訳ないですが、そろそろ芽衣子ちゃん離してください」

何やら、のんびり話し出した二人に声をかければ、二人そろって振り向かれました。

なんだか、びっくりした顔してますが、なんですか?


「お茶が冷めちゃいますから」

気にせず、その腕の中から芽衣子ちゃんを引っ張り出します。

なんかもやっとしてるだけです。怒ってません。

なんか声がツンツンして聞こえますけど、気のせいです。


「ね、芽衣子ちゃん。ケーキ何が・・・・って、芽衣子ちゃん?!」

兄の腕から取り出した芽衣子ちゃんは、真っ赤な顔で目を回していました。


「兄さんが抱きしめて離さないから……」

じたばた暴れてましたね、そういえば。

あきれ顔でじっと見つめれば、珍しく、困り顔の兄。レア。


「いや、またレミジオにつかみかかろうとしてるのかと思って」

「単に、リオの腕の中から逃げようとしてたみたいだね。まあ、普通男性に訳もなく抱きしめられたら恥ずかしいよね」

「淡々と状況を解説している暇があるなら、ベッドに運ぶの手伝ってください」


ちょっと、二人を見る目が冷たくなってもしょうがないと思うんです。

女の子が倒れてるんだから、早く動いてください。


ちなみに、芽衣子ちゃんが目を覚ますのに時間がかかり、その後もダメージが大きそうなので本日は解散となりました。


兄には、気安く女の子に触れてはいけませんと説教ですよ。

自分の顔の影響力をもっとしっかり自覚してください!








読んでくださり、ありがとうございました。

前世、紗彩ちゃん挟んで実は犬猿の仲でしたww

隠れてバチバチしてたので、あまり把握してませんでした。

うっすら、仲悪い?って程度。

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― 新着の感想 ―
[一言] 閑話投下有難うございます! 今更ながらに活動報告も拝見しまして、 続きがあれば良いなと密かに願っていたので、嬉しい限りです。 気長にお待ちしています。
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