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転生したらネグレクトされてました①

幼児虐待な描写があります。

苦手な方は引き返してください。

ゆらゆら揺れる水の中にいたのが、今世での始まりの記憶。

優しい微睡みの中、私は夢を見ていました。

1人の女性が産まれて生きて、そして死ぬまでの。

たった30年程の人生を彼女はそれなりに精一杯、生きていました。

ある日、男女のもつれに巻き込まれ刺されて死んだその日まで……。





って、いうのが、どうやら私の前世だったみたいです。


他人事のようなのはご勘弁。

だって、記憶はあるけどそれに関する感情はどうも希薄で、映画を見てるみたいな感覚なんですよね。

まぁ、特筆すべき出来事もろくに無い女の日常なんて、映画としては失敗も良いところですけど。

私だって、素敵な彼氏とドキドキデートとかしてみたかったですよ。

しがないモジョでしたがなにか?




で、現在。

赤ちゃんからの人生やり直し中です。

まだ、自分で寝返りもできません。

今世の母親はどうも恋に生きる恋多き女で、いわゆるビッチってやつです。父親は分かりません。

そして、素敵にネグレクトされております。

それで、どうやって無力な赤ちゃんが生き延びてるかって?

それはですね。


「ゆあ、ミルクだよ」

小さな手が私を抱き起こし、哺乳瓶をあててくれます。

うまうま。ごくごく。


失礼、本能(しょくよく)に負けてました。

抱き上げるというより、向かい合わせに抱き合うようにして背中をトントンされました。げふぅ。

「美味しかった?」

にっこりと私を覗き込んで笑う幼児。

現在4才の我が兄上様です。


そう。

首もろくに座ら無い赤ちゃんを、自分の事もやっとの幼児が面倒みているこの現実。

ちょっとした怪談です。

でも現実。


最初の2ヶ月くらいはやる気なくも母親がやってたんですよ。

産後で遊びに行く元気もなかったみたいでですね。

私も、産まれた時から記憶あったし、我ながらとても手がかから無い赤ちゃんでしたし。


ところがね。

体調戻った途端お外に飛び出し、お母さんは1日帰って来ず。

次に帰ってきた時にはすでに恋するモード突入。

子育て?何それ、状態です。


なんと、お兄ちゃんにミルクの作り方とオムツの当て方はすでに伝授ずみだったらしく(そういえば何回も兄にミルク貰ってたわ私)「ちょっと出かけるから、あとよろしく〜」と軽〜く仰ってました。

どうやら、物心つく頃からそんな生活だったみたいで、兄も引き止める様子もなかったよ、畜生。

お兄ちゃん、よく生き延びたな〜。


ちなみに母親はそこそこ整った顔立ちを化粧で底上げした美人さん。そしておそらく面食い(うっとり眺めてる雑誌やテレビで判断しました)。

結果、兄は幼いながらとても綺麗な顔立ちの美幼児です。父親似らしいです。

ただね、あんまり喋らないし表情の変化が乏しいんですよね。

そりゃ、物心ついて大半をひとりぼっちで過ごしてたらそうなりますよね。1人で喋っても虚しいだけだもの。


まぁ、これからは私がいるし、大丈夫。

現に、だいぶ笑いかけてくれるようになりましたしね。話しかけてくれたら、頑張ってあ〜う〜返事してますとも。



「オムツ、変えるね」

力が足り無いなりに、兄は献身的に面倒を見てくれてるので、どうにか2人生きてますよ。

ゴメンね、兄ちゃん。

すぐに自分で出来るように頑張るからね。

とりあえず、寝返りから。ていっ!


「うわ、ゆあ。暴れないで〜」

はい。ゴメンなさい。

目標は、兄妹力合わせて生きていく事です。ファイト、お〜!!





作者の気分転換の為書かれてたものですが、折角生まれたのにお蔵入りもなんだか寂しいのでとりあえず投下してみました。


読んでくださり、ありがとうございました。


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