神との茶番、そして転生
ハッチャケすぎた…かな?
暗い、とにかく暗い。水の中にいる感覚なのに、何故だろう。不思議と溺れている感じではない。
「ああ…死んだんだっけ…」
思い出すと目には鮮明な光景が浮かぶ。泣き叫んでいた美波、骨が折れ、満足に動かせない血まみれの体。胸が締め付けられるようだった。感傷に浸っていると、
「ところでそこのちみちみ、ちょっと話があるんやけど。ええかね?」
という声が聞こえ、一瞬で景色が変わった。先ほどの暗い空間とは異なり、ここは白く、空中に地球を真っ二つにしたようなのが浮いていた。
「え、誰だよ」
「おう!初対面の人に誰だよとは(笑)その胆力、さすがだ」
「いや誰だよ」
連続で誰だよと聞くのも無理はないだろう。何故なら、腰に布を巻きつけただけの露出狂みたいな格好をした中肉中背の男がガスマスクをつけてフレンドリーに話しかけてくるという、イレギュラーな事態に遭遇している。だが、その男はガスマスクを外し顔を見せた。
「まあ、これあったし仕方ないね。普通の服装をしよう」
指を鳴らすとゆったりとした服装に変わり、どこか落ち着いた雰囲気をみせる。格好いいと思う。そんな感じだった。
「いや、普通のあるんなら最初っからそれで来いよ!」
「おうふ、それはよく言われるね。それは置いといて、君死んだ、オーケー?」
「軽々しく言うなし。分かってるわ、んなもん」
さらっと言われて、やっぱり夢でないかと思っていたのだが、現実っぽい。
「ま、君が人、それも近しい関係にあった幼馴染みを助けた。これについてはとてもいい評価をする」
パチパチと拍手をし、先ほどの変態ぶりはどこいった、と言えるような真面目に変化した。
「で、何があるんだ?」
「大惨事世界大戦…ていうのは嘘で君には転生する権利を与えよう」
「へー、転生ねぇ。夢物語じゃなきゃいいんだが」
そう呟くと、
「僕は正義の神でもあり、全能神でもある。同志からはゼウス、下界ではジャスティ、と呼ばれている。君を転生させるのにちょこっと加護を付けようというわけでここに呼んだのだよ」
「それにしてもどこだよここ?」
「ここはもう君のいた世界とは隔絶されているはずなんだがな。時々迷い込むのだよ。そういった魂は死神に頼んで元の輪廻に戻すんだがな。君の場合迷い込む、というより帰ってきたというのに近くてねぇ、戻すわけにはいかんのだよ」
「そうか、じゃあこっちで過ごさせてくれ。あっちには未練…は多少あるが戻れないなら仕方ない」
あまりにもあっさりとしていたため驚くゼウス。
「ま、君がいいならいんだけどね。じゃあ、転生させるから…おーい!リンネー!」
ゼウスが呼ぶと体の周りに輪っかがフヨフヨ浮いている綺麗な女の人がきた。
「あら、魂が戻ってきたのですね。では輪廻の輪に戻しましょう」
「あー、戻すのと転生を彼にはさせてあげてくれ」
「何故ですか?」
そう言うとゼウスはリンネを暗がりに連れ込む。そしてちょっとした頃に出てきた。リンネはほろほろと涙を流しており、まるで、
「手篭めにでもしたんですか?」
ジロッとゼウスを見るが、
「え、い、いや!君は何を言っている!僕正義の神だよ!そんなことするはず」
「うっせえ!ゼウス!ちょっと騒ぎすぎだ!」
という声と共に上からハンマーが落ちてきてゼウスに直撃した。痛そうに頭を抑えてもんどりうっている。ジーっと見ていると、リンネが話しかけてきた。
「手篭めになどされてはおりません。あなたが亡くなった理由、そして幼馴染みを残してきた事によるもので泣いたのです。ゼウスが私を手篭めにしようものなら全身大火傷ですね。では転生を行います」
「あっはい」
すると輪廻の輪が自分の腕に小さくなってはまった。ゼウスも自分の手にギュッと手を押し付けた。自分の手に丸を中心としたものが刻まれる。
「ゼウスも終わりましたね。では輪廻に戻したので転生させます。では」
その瞬間、自分の体を白い光が覆い、ふわっとした浮遊感をもたらした後、意識が無くなった。
タグの一部は10話ぐらいで使う予定です。これからもよろしくです!




